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第21話
しおりを挟む「ん?」
「何そんな嬉しそうなんだ?」
「何でも、ない」
この話は掘り返すとろくなことにならないと思って、オレはぶんぶん首を振った。
と、いうことは。
蒼紫って超エロいとか言われてるけど。
……二人なの? 経験人数。
じゃーなんでこんなにエロイんだ。
さっきのキスだって、エロ過ぎて。ついてけないし。何なんだ。
そっか、飽きるまでしてたって言ってたもんな。
……むむ。飽きるまで。むむむ。
「何か怒ってる?」
「うーん。怒ってるというか。……蒼紫のイメージがさ。完全にエロい人だったから。ギャップに困ってるというか……急に、戻せないというか」
「なんだそれ。戻せよ」
蒼紫は完全に苦笑いを浮かべて居る。
「あと、飽きるまでした、っていうのにも、なんかモヤモヤが……」
「それはごめん」
「……でも、嬉しいんだけど……全員じゃなかったのは」
「――」
「なんかまだ……色々ぐちゃぐちゃなの、頭ん中が」
「そっか」
なんか色々複雑なのは、対処できていないからだと思う。
蒼紫の言葉が嬉しいはずなのに、モヤモヤと嫉妬みたいなものが絡んで離れなくて。
でも、好きってことだけは絶対だけど。
めちゃくちゃ女好きって思ってた蒼紫のことだって、好きだったし。
――もう。何が好きって。
子供の時から、蒼紫のことが全部好きだったから、もうよく分かんないけど。
好きなとことか、蒼紫との好きな思い出とかだったら、永遠に話せそう。
隣に居た蒼紫は、もっと近づいてきて、じっとオレを見つめた。
「涼」
「ん」
「――オレのこと、好きなのってさ、恋愛?」
「うん」
「……男同士でも、良いのか?」
「うん」
「本気で、言ってる?」
「うん」
まっすぐ、短く、聞かれる。オレは、即答。
「オレと、付き合って、くれる?」
「うん」
「恋人で、だけど、良いの?」
「うん」
「キスするけど」
「うん」
「めちゃくちゃ抱きたいけど」
「うん」
「全部、本当に、良いのか?」
「うん。……ていうか、それ全部、オレも蒼紫に、聞きたい。……ほんとに、オレで、良いの?」
そう言って、見上げると、蒼紫は、じっとまっすぐオレを見つめる。
「オレは、ずっとお前が好きだった。ずっとオレのにしたいって思ってた」
「――」
「涼が、オレのになるなら……」
「なる、なら?」
「めちゃくちゃ可愛がりたい」
「は?」
「抱き締めて、撫でて、キスして、ずっと優しくしたい」
「――っ」
かけらも思っても無かったことを言われて、ぽかん、と口をあけてしまった後。かあっと、一気に顔が、熱くなった。
だって。
蒼紫のイメージじゃないんだもん、今のセリフ。
クールとか冷めてるとか、そっちのイメージが世間では強い。
オレにだって、ずっとそんな感じだった。
熱かったのは、オレを芸能界に引き込んだ時だけ。
むしろ世間には、Sのイメージで浸透してて、それが分かってるから、そういう回答をして、騒がれるの見て遊んだりしてるのも知ってる。
今のセリフは、完全に蒼紫っぽくなくて。
びっくりするけど、なんか嬉しくて。
瞬間。
むぎゅ、と抱き締められた。
「一生可愛がるから。オレのになって、涼」
「――うん」
頷くと。蒼紫、めちゃくちゃ嬉しそうに、笑った。
「でもって、オレも、お前のにしろよ」
「――うん!」
そんな台詞に。
――オレも、嬉しくなって。めいっぱい、笑ってしまった。
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