「溺愛ビギナー」◆幼馴染みで相方。ずっと片想いしてたのに――まさかの溺愛宣言!◆

星井 悠里

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第27話

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 智さんと社長が、顔を見合わせて、苦笑い。

「ほんとにそうならいいけど」
「まあ、見ててもらえれば。ほんとに大丈夫です」

「そんなに言い切られると、逆に何なのか心配になるけど」
「涼と約束したんで、守りますよ」

 蒼紫があくまではっきりと言い切ると。
 社長と智さんがオレを見つめて。

「涼と約束したなら、守るのかも。涼、ごめんね、よろしくね」
「はい」

 そんな風に社長に言われて、オレは頷きながらも、苦笑い。

「社長、そろそろ二人着替えないとなので」
「そう、二人とも頑張って。良い顔、しておいでね」

 智さんの言葉で、社長と別れて。
 オレと蒼紫は、部屋の一つに入れられた。

「とりあえず、着替える制服に番号がついてるから、その順番に着る感じ。まず、一番の制服を着てくれる? オレ、隣の部屋で、カメラマンとかと挨拶すまてせておくから。着終えたら、隣に入ってきて? メイクは軽くそっちでやるって」
「はあい」

 必要事項を言って、智さんが出て行ってすぐ。

「涼」
「わ」

 ぐい、と引き寄せられて、ドアが開いてもすぐに見えない位置に隠されて。
 ちゅ、と優しく唇がふれてくる。

「制服色んなの着るとか」
「ん?」

「すげえ萌えるかも……着替えるのはめんどくさいけど、お前の色んな制服着てるの見れるのは、嬉しい」

 ちゅ、と頬にキスされて。
 じと見つめてしまう。

 わー。
 ……オレと同じこと思ってた。

「何? キモイ?」

 蒼紫が苦笑い。

「オレも、蒼紫のは見たいって、思ってたから。おんなじ」

 見つめ合って、ぷ、と二人で笑い合う。

 なんか。どうしよう。
 めちゃくちゃ幸せ、なんだけど。




◇ ◇ ◇ ◇

 これで四着目。
 さっきまではブレザーっぽいのを着てて、今は学ラン。

 ブレザーでネクタイもカッコいいけど、まあ普段の制服がそっち系なので。
 そこ行くと、学ランは、もう、レアで。

 すっごい、カッコよすぎる、蒼紫。似合いすぎる。
 やばいなー、これ。

 この写真欲しい。
 蒼紫の学ラン写真。

 なんて、オレが考えながら、写真撮影をされてるなんて、誰も分からない。


 学ランに着がえてた時は、智さんも一緒に部屋に居たもんだから、出来なかったんだけど。学ラン着てる蒼紫がカッコよすぎて、抱き付きたい、なんて。かなり、危険。

 まあ。……智さん居なくても、自分からそんなことが本当にできるかは、謎だけど。


「襟んとこ、曲がってる」

 そう言って、蒼紫が襟を直してくれる。一瞬で、心臓が跳ねる。
 皆が見てるところでそういうの、マジで勘弁してほしい。


「二人見つめあってくれる?」

 カメラマンからの要求。また来たよ、このリクエストー!
 そういうのを望む客層が居るからか……いつもこれ系の要求は来るけど。

 よくあるから慣れてる筈なのに。
 蒼紫とのキスとか、いろいろ思い出して、心臓の音が、勝手に速くなる。

 昨日あんなにキスしちゃって。
 ……しかもこんなにカッコいいって思っちゃってるのに、見つめあうとか。

 ……いや、だめだ! 平常心!

 バレる訳に、いかないんだから。ていうかさ、今まではなんとか頑張ってきただろ。 
 全く表には出さず、蒼紫を好きなんて、絶対バレなかったはず。

 頑張れ、オレ~!


 しかも今なんて、皆の視線がオレ達の顔に集まってるんだから。変な態度はとれない。


 息吸え。深呼吸。
 大丈夫。今までどおり。いつもどおり。このまま、いける。

 すうと息を吸って、息を止めて、蒼紫と見つめあった瞬間――。
 思った瞬間。

 蒼紫が、ふっと瞳を細めて、微笑んだ。


「!」

 っやば――。
 カッと赤くなりそうになって、思わず視線を逸らしたところで、「はいOK」とカメラマンの声がかかり、途端に周囲がざわめき始めた。


 ……助かった、終わって良かった。

 一人静かに、息を細く、ついた。




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