「溺愛ビギナー」◆幼馴染みで相方。ずっと片想いしてたのに――まさかの溺愛宣言!◆

星井 悠里

文字の大きさ
28 / 32

第28話

しおりを挟む

 ドキドキドキドキ。
 心臓を落ち着けようと、頑張っていると。


「蒼紫、涼、こっち来て」

 智さんに呼ばれて、カメラマンさんの所に行って、写真の確認。

 うわー、蒼紫、超カッコいい。
 この雑誌買っちゃおうかなー。なんて思っていると。

「どれがいいとかある?」

 言われてつい、蒼紫がめっちゃカッコイイ写真を指差してしまう。
 二人で写ってるから、何も思われないだろうし。オレのうつりとかは、別にどーでもいいし。

 正直、アイドルとかで売った訳でもないのに、アイドルみたいな扱いをされることも多くて、蒼紫は若干嫌がってる。歌を聞いてもらいたいっていう気持ちのが強いみたい。

 オレはそこまでこだわりなくて、別にアイドルみたいに、ルックスから好いてくれるならそれでも良いし、そこから歌に入って聞いてくれたらいいなという気持ちのが強い。

 蒼紫が作る歌が大好きだから、オレは、アイドル的な視点から入った人達の耳に歌が入って、歌も好きになってもらえるならそれでいいし。とにかく、蒼紫の歌、聞いてもらえるなら、なんでもいいかも。

 蒼紫がカッコイイ方が雑誌も、売れるだろうし。


「涼はこっちのが写りいいんじゃない?」

 智さんが言うけど、オレ、蒼紫視点だから。……とは言わないけど。
 そうかな?と誤魔化しつつ。希望だけ伝えてあとはカメラマンさんにお任せで、撮影終了。


「じゃあ、次、別の取材だから、とりあえず学ラン脱いで、着替え終わったら、電話してくれる?」
「はーい」

 二人で撮影の部屋を出て、隣の部屋に戻って、ドアを閉めた瞬間。
 蒼紫が、かち、と鍵を掛けた。


「蒼紫?」

 ぐい、と腕を引かれて、背中をドアに押し付けられた。頬に触れられて、なんだかやたら、蒼紫が近い。


「――学ランが一番好きだろ」
「え?」

「オレの今日の衣装。学ランが一番好き、だよな?」
「――っ」

 かあ、と赤くなる。


「――さっきもこうされたかった?」

 抱き締められて。ちゅ、と優しくキスされた。
 顔にどんどん熱が上がっていく。

「……っうん」

 こんな至近距離で見つめられて、嘘なんかつけない。

 頷くしかなくて、そしたら、蒼紫がふ、と笑って。
 キスした唇から、舌が触れた。

「ん……」

 なんだかもう――気持ちから。溶けていきそう。


「待っ……」

 だめだ、オレ、また顔、落ち着かなくなっちゃうから。


「あと少しだけ」
「――っ」

 ファンの女の子達が、セクシーだとかカッコよすぎるだとか言って、めちゃ褒めてる、蒼紫の瞳。
 超至近距離で、熱っぽく、緩む。


 ……テレビの、蒼紫の、比じゃない……。


「――っ」


 ぞく、と背に震えが走って。
 涙目になってると、ようやく放してもらえた。


「――お前の学ランも、すげえそそるし。なんかやらしいな、学ランって」
「……やらしい?」

 真正面から言われた言葉に、かあっと赤くなりながら、蒼紫を見つめると。


「カチッと着られてると、脱がせたくなるし……なんかいいな?」

 むぎゅ、と抱き締められる。
 かああああっと、顔にすべての血が集まっていく気がする。

 息、まともに、できない……。


「あー。仕方ない。着替えるか――脱がせてやろうか」
「え? え……ちょ」

 学ランのボタン、ぷちぷち外され。中のシャツのボタンも外される。
 蒼紫の手が、する、と胸に這って。心臓が、どきん!と震えた。

「や、やめ……っ」
「――可愛すぎなんだけど、お前……」

 たぶん真っ赤になって、ぷるぷる震えてると。
 蒼紫はくす、と笑って、頬にキスして、オレを離した。


「だめだこれ以上触ってたら、オレがまずい。――着替えるか」


 よしよし、とオレの頭を撫でながら、ハンガーがかかってる方に歩き出す。


 ドキドキが収まらなくて、呆然と、歩いてく蒼紫を見てたけど。
 あ!と大事なことに気付いた。




しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

勇者様への片思いを拗らせていた僕は勇者様から溺愛される

八朔バニラ
BL
蓮とリアムは共に孤児院育ちの幼馴染。 蓮とリアムは切磋琢磨しながら成長し、リアムは村の勇者として祭り上げられた。 リアムは勇者として村に入ってくる魔物退治をしていたが、だんだんと疲れが見えてきた。 ある日、蓮は何者かに誘拐されてしまい…… スパダリ勇者×ツンデレ陰陽師(忘却の術熟練者)

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

胎児の頃から執着されていたらしい

夜鳥すぱり
BL
好きでも嫌いでもない幼馴染みの鉄堅(てっけん)は、葉月(はづき)と結婚してツガイになりたいらしい。しかし、どうしても鉄堅のねばつくような想いを受け入れられない葉月は、しつこく求愛してくる鉄堅から逃げる事にした。オメガバース執着です。 ◆完結済みです。いつもながら読んで下さった皆様に感謝です。 ◆表紙絵を、花々緒さんが描いて下さいました(*^^*)。葉月を常に守りたい一途な鉄堅と、ひたすら逃げたい意地っぱりな葉月。

【完結】ハーレムラブコメの主人公が最後に選んだのは友人キャラのオレだった。

或波夏
BL
ハーレムラブコメが大好きな男子高校生、有真 瑛。 自分は、主人公の背中を押す友人キャラになって、特等席で恋模様を見たい! そんな瑛には、様々なラブコメテンプレ展開に巻き込まれている酒神 昴という友人がいる。 瑛は昴に《友人》として、自分を取り巻く恋愛事情について相談を持ちかけられる。 圧倒的主人公感を持つ昴からの提案に、『友人キャラになれるチャンス』を見出した瑛は、二つ返事で承諾するが、昴には別の思惑があって…… ̶ラ̶ブ̶コ̶メ̶の̶主̶人̶公̶×̶友̶人̶キ̶ャ̶ラ̶ 【一途な不器用オタク×ラブコメ大好き陽キャ】が織り成す勘違いすれ違いラブ 番外編、牛歩更新です🙇‍♀️ ※物語の特性上、女性キャラクターが数人出てきますが、主CPに挟まることはありません。 少しですが百合要素があります。 ☆第1回 青春BLカップ30位、応援ありがとうございました! 第13回BL大賞にエントリーさせていただいています!もし良ければ投票していただけると大変嬉しいです!

【完結】待って、待って!僕が好きなの貴方です!

N2O
BL
脳筋ゆえ不本意な塩対応を只今猛省中、ユキヒョウの獣人 × 箱入りゆえガードが甘い愛され体質な竜人 愛しい幼馴染が有象無象に狙われて、居ても立っても居られなくなっていく余裕のない攻めの話。 (安心してください、想像通り、期待通りの展開です) Special thanks illustration by みとし (X:@ibarakiniarazu) ※独自設定かつ、ふんわり設定です。 ※素人作品です。 ※保険としてR設定にしていますが、基本健全。ほぼない。

好きなタイプを話したら、幼なじみが寄せにきた。

さんから
BL
無愛想美形×世話焼き平凡 幼なじみに好きバレしたくない一心で、真逆の好きなタイプを言ったら……!?

処理中です...