【キスの意味なんて、知らない】

星井 悠里

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第3章 キャンプ

「好きの意味」*樹




 オレは、なんとなくずっと、
 大人数で何かするっていうのが好きじゃなくて。
 大声を出さなくても届く程度の人数と居るのが楽で生きてきたけど。

 皆が好き勝手喋ってるのを見て笑いながら、たまにつっこんだりしながら。聞かれて答えたり。

 こんな風なのも、楽しいものだなー……なんて、思った自分が不思議。

 蓮とは少し離れて座ったけれど。
 やっぱり蓮の声って通る。近い同士でバラバラにしゃべったりも多いのに、蓮が話すと、不思議と全員が聞いてたりしてる。

 そういうの見てると、やっぱりすごいなあ、なんて思ったりもして。


 接点もなければ、たとえあっても交わらない。

 ――――……オレと蓮て、たぶん、
 もともとは、そういう関係だったはず、と思うんだけど……。


 蓮の隣に居る坂井が、蓮に笑いかける。見つめる。
 ――――……好きなんだろうなあ……と、しみじみ思う。

 蓮の事が大好きで、一生懸命話しかけて、笑いかけて。

 ――――……気持ちはすごく分かるから。 モヤモヤはするけど、
 可愛いなとも、やっぱり、思う。

 たぶん蓮は、少なくとも今の時点は、坂井に、そういう興味はないのかな、とは思うけど。

 それでも、こんなに胸がざわざわするのは……。
 ――――……これはもう、どうしようもないのかも、しれない。



「――――……」


 楽しそうに皆と話してる蓮を見てたら。
 ――――……なんか、隣に行きたくなって。


 なんか、オレ、蓮が隣に居ないとダメな病気みたい……なんて、自分でも訳の分からないことを、思ってしまう。

 他の皆と、話していても、普通に、楽しいのに。
 




 あ、やばいな――――……。



 オレ。今。

 ――――…… 蓮と……キス、したいな。





 意味も分からないまま、ただ、何となくする、キスじゃなくて。
 意味がある――――……キスしたい、な……。




 ――――……蓮に、なんで、キスするのか、聞いたら。
 それは、オレの望む、答え……なのかな。


 挨拶の延長……?
 ゲームの時、他の誰とでもディープキスできるって言ってたし。

 蓮のキスにそんなに、深い意味はないのかもしれない。



 ――――……オレは蓮のこと、好きだけど。
 ………多分、恋愛の意味で、好きだけど。


 蓮も、オレのこと、好きで居てくれてるのは、知ってる、けど……。



 …………蓮のは、どんな意味の、好き、なんだろ。



 あとで、部屋は2人だから……。
 ゆっくり話せることにはなったけど――――……。


 ……蓮は、何、話したいんだろ。


 オレは……キスの意味なんて……そんなの聞けるかな。
 ――――……聞けない、よなぁ。きっと。


 皆と、なるべく普通に話しながら。
 頭の中は、蓮の事でいっぱいだった。







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