79 / 231
第79話 デートという言葉
しおりを挟む翌土曜日。
昨日色々しすぎてそのまま寝ちゃって、目覚めはちょっとだるすぎた。
目が覚めて少しもぞもぞ動いたら、ベッドの端に腰かけてスマホに触ってた颯が、オレを覗き込んできて、「おはよ」と笑う。
……もうシャワーも浴び終えてて、普通に爽やかイケメン服装で、カッコよくなってるし。
対して、むにゃむにゃの寝ぼけのオレ。
……いいのか、これで。そう思った瞬間。
「可愛い」
ちゅ、と頬にキスされて。
……この、見なくても分かる、ボケボケのオレを見て、可愛いって何。
目覚めたばかりの頭に、爽やかイケメンの、甘いほっぺのチューは、謎すぎる……。しかも可愛いって言ってる。
颯って、目、悪いのかな。
眼鏡してるとこ、見たこと無いけど。コンタクト??
うーん、と悩んでると、ふ、と笑いながら、オレをヨシヨシしてくる。
「……起きてたの? 何時?」
「今十時。八時半くらいに起きたよ」
「起こしてくれていいよ……」
「昨日、無理させたし、ぐっすり寝てたから。用事ないし、いいよ」
「……でも」
「寝顔可愛いからイイ」
言いながら、スマホに触れた颯が、ほら、と見せてきたのは。
「……あ」
オレの爆睡寝顔の写真。
「可愛いだろ」
ふ、と笑いながら、颯はスマホを見てる。
「……っ勝手に撮っちゃだめなんだぞ」
「……可愛いし。誰にも見せないから」
「それとっといてどうすんの」
「どうもしないけど。慧がスマホん中に居るの、嬉しいし」
「――――……っっ」
「消さないとだめ?」
ダメって言いたかったのに。
そんな嬉しそうにスマホ見られると。……く。だめって言えない。
しかも、「だめ?」て聞かれるとか。
…………っっ。
「……い。い、けど。誰にも、見せない?」
「見せる訳ないじゃん。オレのだし」
「………………っっ」
なんかもう、突っ伏したい。
朝の寝ぼけのボケボケなオレに、なんかもうすっかり整ってる颯の、キラキラ攻撃は、結構きついというか、もう何も太刀打ちできないというか。
「慧、シャワー浴びてきな? どっかカフェでも行こうぜ」
「カフェ……?」
「デート。しよ」
「――――……」
ぽけ。
「な?」
「あ、うん」
頷いて、そのままベッドを出て、着替えを選んで抱えたまま。
「浴びてくるね」
「ん。待ってる」
颯の言葉に頷いて、とことことことこ、と、バスルームにやってきた。
「ん。……デート……」
って言った? いま。
「――――……」
服を脱いで、熱いシャワーを浴びながら。
……デート。という言葉が、自分の中で、むくむく大きくなっていく。
颯と。
デート。
目が覚めてくにつれ。
なんか。嬉しい気持ちが、どんどん大きくなってく。
顔が熱いのが、シャワーなのか。デートという言葉のせいなのか。
分かんないけど。
なんか火照る。
……って今更、デートなんかで、そんなん、なんないし!
とも思うのだけど。
――――……めちゃくちゃ嬉しいなと思ってる自分がいるみたい。
1,002
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
記憶を無くしたら家族に愛されました
レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない…
家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…
流れる星は海に還る
藤間留彦
BL
若頭兄×現組長の実子の弟の血の繋がらない兄弟BL。
組長の命で弟・流星をカタギとして育てた兄・一海。組長が倒れ、跡目争いが勃発。実子の存在が知れ、流星がその渦中に巻き込まれることになり──。
<登場人物>
辻倉一海(つじくらかずみ) 37歳。身長188cm。
若い頃は垂れ目で優しい印象を持たれがちだったため、長年サングラスを掛けている。 組内では硬派で厳しいが、弟の流星には甘々のブラコン。
中村流星(なかむらりゅうせい) 23歳。身長177cm。
ストリートロックファッション、両耳ピアス。育ててくれた兄には甘えん坊だが、兄以外の前では──。
表紙イラストは座頭狂様に描いて頂きました✨ ありがとうございます☺️
巣ごもりオメガは後宮にひそむ【続編完結】
晦リリ@9/10『死に戻りの神子~』発売
BL
後宮で幼馴染でもあるラナ姫の護衛をしているミシュアルは、つがいがいないのに、すでに契約がすんでいる体であるという判定を受けたオメガ。
発情期はあるものの、つがいが誰なのか、いつつがいの契約がなされたのかは本人もわからない。
そんななか、気になる匂いの落とし物を後宮で拾うようになる。
第9回BL小説大賞にて奨励賞受賞→書籍化しました。ありがとうございます。
【本編完結】期限つきの恋
こうらい ゆあ
BL
神崎葵は、聖桜病院の特別病棟で静かな日々を送っていた。
Ω性特有の難病『フェロモン崩壊症』に冒された彼は、かつてイラストレーターとして活躍していたが、今では病室でひとり、スケッチブックに心を刻む。
余命わずかな時間の中、担当医・佐藤悠真との出会いが、閉ざされた白い病室に温かな光を灯す。
葵の海への憧れ、恋への憧憬が色鮮やかに花開くが、時間は無情にも迫ってくる。
限られた時間の中での、儚い恋のお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる