150 / 231
第150話 なかまたち
しおりを挟む颯とそんな話をした、数日後のことだった。
「え。学園祭の屋台?」
オレと、一緒に居たオレの友達たちは、顔を見合わせた。
目の前には、颯と、美樹ちゃんと孝紀が立ってる。食堂でお昼を食べ終わった時、颯から、どこにいるか聞かれて、この場所を答えたら、三人で現れた。
「え、それって、颯とオレらの仲間皆で、屋台出そうってこと?」
誠が颯を見上げて、確認のように、そう聞いた。
「ああ。こっちはもう結構人数集まった」
「そうなの?」
オレがそう聞くと、颯は頷く。朝別れる時までは何にも言ってなかったのに。
「何の屋台出すんだ?」
健人が聞くと、颯は「別に何でも。皆で協力して楽しくできるようなものなら」と、答えた。
「面白そう」
こういうのに真っ先に飛びつくのは、誠――――と、もちろん、オレ。
「やりたい!」
颯たちを見上げて、めちゃくちゃ笑顔で言うと、美樹ちゃんと孝紀がほっとしたような笑顔で視線を合わせてる。
あれ? この感じって……と不思議に思った時。
颯がオレを見て、微笑んだ。
「美樹と孝紀からの提案。オレはすぐ乗っかって、近くにいた奴らに声かけたらすぐ集まった」
「そうなんだ」
そっかー、と頷いていると、颯はクスッと笑った。
「やる?」
「うん。サークルとかじゃなくてもできるの?」
「団体登録すればできるって」
そうなんだ、めっちゃ楽しそう。
オレの周りの友達たちも乗り気で、もうすでに皆で色々話してる。
「一緒にやりたい」
美樹ちゃんと孝紀にそう言うと、二人が頷いた。
颯はなんだか面白そうにそれを見ていた。
颯があの日に言った「仲良くなりそう」予想は当たった。というか。
その後、颯の友達と、オレの友達でやりたいメンバーが集まった。
団体として登録して、出店許可を貰いに行く。
焼きそばとフランクフルトとわたあめ。売れそうだからってことで意見を出し合って、すぐ決まった。
学園祭までの間、食堂で皆でよく集まって、相談した。
基本、オレの友達と颯の友達ってあまりかぶってなかった。大学も学部が違うし、もともと高校の延長の仲間で割と固まってたから。
最初は、顔とか名前は知ってても、ほぼ初めましてな雰囲気から始まったのだけど、日々会う内に仲良くなっていった。
オレも、美樹ちゃんと孝紀とも、普通に話すようになったし。もう完全に、友達みたい。途中から、なぜか匠とかそのまわりの後輩たちも一緒にやりたいとか言い出して、なんだかよく分からない団体になったけど。
まあ、なんだかんだ、皆で楽しく準備をしていた。
集まりの代表は、颯。
別に颯がやるって言ったわけじゃないのだけど、なんだか全員一致で決まって、決めた時に居なかった皆も、当然のように、颯が代表だと思ってるみたいで、面白かった。
三つの担当に別れてリーダーを決めた。颯の友達、オレの友達、匠の友達、の三つで別れたんじゃなくて、やりたいところにバラバラで入ったから、よけい入り乱れて仲良くなった気がする。
オレは、焼きそばのリーダーになった。
綿あめは孝紀で、フランクフルトは匠。匠は、昴が押し付けてたけど。
先に準備しておけるものの購入。それから、前日前々日に購入する分と、それぞれの店との交渉。
学園祭までは、家に居ても連絡が来たりして、結構忙しかった。
でも楽しくて。
何だかバタバタと、学園祭まで過ぎていく。
(2024/3/28)
匠好きな方いますか…?(*´艸`*)
904
あなたにおすすめの小説
捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~
水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。
死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!?
「こんなところで寝られるか!」
極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く!
ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。
すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……?
「……貴様、私を堕落させる気か」
(※いいえ、ただ快適に寝たいだけです)
殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。
捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!
こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡
なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。
あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。
♡♡♡
恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!
最強βの俺が偽装Ωになったら、フェロモン無効なのに狂犬王子に求愛されました~前世武道家なので物理で分からせます~
水凪しおん
BL
前世は日本の武道家、今世は平民β(ベータ)のルッツ。
「Ωだって強い」ことを証明するため、性別を偽り「Ω」として騎士団へ入団した彼は、その卓越した身体能力と前世の武術で周囲を圧倒する。
しかし、その強さと堂々とした態度が仇となり、最強のα(アルファ)である第一王子・イグニスの目に止まってしまった!
「お前こそ俺の運命の番だ」
βだからフェロモンなんて効かないのに、なぜかイグニスの熱烈な求愛(物理)攻撃を受ける日々に突入!?
勘違いから始まる、武闘派β×最強王子のドタバタ王宮BLファンタジー!
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
運命よりも先に、愛してしまった
AzureHaru
BL
幼馴染で番同士の受けと攻め。2人は運命の番ではなかったが、相思相愛だった。そんな時、攻めに運命の番が現れる。それを知った受けは身籠もっていたが、運命の番同士の子供の方が優秀な者が生まれることも知っており、身を引く事を決め姿を消す。
しかし、攻めと運命の番の相手にはそれぞれに別の愛する人がいる事をしり、
2人は運命の番としてではなく、友人として付き合っていけたらと話し合ってわかれた。
その後、攻めは受けが勘違いしていなくなってしまったことを両親達から聞かされるのであった。
オレンジの奇跡~夕と凪、僕らが交わる世界~
けいこ
BL
両親が営む小さな旅館『久我屋』を手伝いながら、BL小説を書いている僕。
穏やかにゆっくりと過ごす日常に満足していたある日、僕の前にとんでもなく魅力的な男性が現れた。
今まで1度も誰かを好きになったことがない僕にとっては、この感情が何なのか理解できない。
複雑に揺れ動く心に逆らえず、今までとは明らかに違う現実に戸惑いながら、僕の心はゆっくり溶かされていく……
悪魔はかわいい先生を娶りたい
ユーリ
BL
天界にて子供達の教師を勤める天使のスミレは、一人だけ毎日お弁当を持ってこない悪魔のシエルという生徒を心配していた。ちゃんと養育されているのだろうかと気になって突撃家庭訪問をすると…??
「スミレ先生、俺の奥さんになってくれ」一人きりの養育者×天使な教師「いくらでも助けるとは言いましたけど…」ふたりの中を取り持つのは、小さなかわいい悪魔!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる