【ひみつの巣作り】💖書籍化進行中です✨

星井 悠里

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番外編 モブ視点 3 完

 慧が、颯と取り巻き達の前に近づきながら、何だか今日は嬉しそうに見える。

「慧か、じゃないし。オレさ、さっき聞いたんだけど」
「ん?」
「新聞部がやってた、イケメンコンテストの結果出たって」
「へえ」
「どっちが勝ったか知ってる?」

 慧がそう言うと、颯は、ふ、と苦笑した。

「知らないけど、つか、それ、お前とオレの二択しかないのか?」
「無い!」

 くっ、と颯が笑って慧を見てる。

「……その様子だと、お前が勝った?」
「あたり! ギリギリみたいだけど、勝ちは勝ちだかんな!」
「ふうん……」

「やっと勝った~、もうオレ、今日、嬉しくて眠れないかも」
「そんな嬉しい?」
「めーーーーっちゃ、嬉しい!」

「はいはい、慧、帰るぞ」
 昴が慧の背中をポンポンと押している。

「もっと悔しがっていいぞ!」

 言った慧に、颯は一瞬動きを止めて、それから、ふ、と笑った。

「お前がそんな喜んでて、良かったなーと思うけど?」
「はーーーーーーーあ???! なんそれ、余裕なの超ムカつく!」

「はいはい、慧帰るぞ」
「ちょっと待ってよ、昴……!」

 昴たち、うちのクラスのαたちが苦笑しながら、慧を連れ帰ろうとしている。

「つか、もう、颯、次もオレが勝つし!」
「次は何?」
「明日の英語の単語テスト!!」
「オレ小テストほとんど満点だからな。慧が満点とっても、同点で、勝てないな?」
「く……」

 冷めた感じで言われて、慧はめちゃくちゃ悔しがってる。

「もーいい、とにかくまたなっ!」

 一回普通に歩き出したけど、また、くるっと振り返って。

「今イケメン、トップ、オレだかんね!」
「……はいはい」

 クールに受け流されて、むきーっと騒ぎながら、慧は昴たちに連れていかれた。

 こういうのが日常茶飯事で、うちの学年は慣れてるのだが。
 こんなくだらない争いが、日々の皆のメイン行事で、だからうちの学年は、なんだかやたら平和なのだ。

「何なの、ほんとー、毎日毎日、よく来るよねー」

 颯の周りにいる奴らが、そんな風に言ってると、くっ、と笑い出す颯。

「え?」
 何で颯は笑ってるの? と周りは不思議そう。

「あぁ。悪い……。なんか、ほんと。……犬みたいだなと思って」

 そう言うと、どっと周りが笑った。
 ほんとほんと、うるさい犬みたいだよねーきゃんきゃんきゃんきゃんってねー

 なんて颯の取り巻きの奴らは、そんな感じで面白おかしく笑ってたけど。


 慧の遠ざかる後ろ姿に、ふ、と和らいだ颯の表情に気づいたのは。
 オレだけ、だろうか。


 にしても、何だろう、慧が犬だったら。
 ……αなのに、なぜか小型犬ばかり浮かぶのは何なんだろう。

 颯を思い浮かべても、決して小型犬は浮かばない。

 そこがここのツートップの違いなんだろうな……と、とりあえず、観察、終了にする。

 

◇ ◇ ◇ ◇

 あれから三年ちかくが経っただろうか。
 まさかの、慧と颯が結婚したという噂が。
 ……慧がΩになったっていう、周り中びっくりな噂もセットで。

 周りは、最初デマだと思ってたみたいだが。
 オレだけは、なんだか一人、納得していた。







◇ ◇ ◇ ◇
番外編。ここで終わりです
次は、本編続きです💖
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