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第二章

26.「だるい」*真奈 

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 目が覚めた。
 けど、何か、だるくて、起きれない。

 昨日、あの子との食事に行って帰ってきた俊輔に抱かれたまま眠って、起きたら俊輔は居なかった。
 居ないのはいつものことだから、別に良いのだけど。

「……だるい……」

 裸のまま上半身だけ起き上がって、額を押さえる。

 ……俊輔てすごいなぁ……。
 ため息を付きながら、思わず真剣に感心してしまう。

 昨日朝早く出かけて、帰ってきたと思ったらバスルームでオレを抱いて。その後イトコの女の子と遊びに行って夜中に帰ってきて、それからまた、して。
 しかも、随分長く抱かれてた気がするし。
 それでもちゃんと朝早く起きて、ちゃんと出かけていく。

 ……疲れたりしないのかな。不思議……。
 どっかで休んでるのかな……。
 朝から夕方までは大学だとしても、その後、夜まで帰ってこないのは、何してるんだろ。
 たまに西条さんが、パーティに出てるとか、なんかそんなようなことを言ってるのは、聞いたけど。

「……はー……シャワー浴びたい」

 考えていても結論の出ない事は置いておいて、自分が動き出すために、あえて言葉に出すけれど、体が動かない。

 でも早く起きないと、西条さんが来ちゃいそうだし……。
 流石に、寝室で全裸で居るとこなんか、見られたくないし。まあ。……返事しなかったら入ってこないかもしれないけど。


「……だるぃ……」

 ……絶対、体力落ちたよなあ……。
 最初の頃なんか、飯とかもあんま食えなかったし。 ストレス酷くて、いっつも頭痛がしてたり。

 そもそも、あんまり動いてないっていうのが、マズイよな……。
 昨日だってルークと走ってて、体力が落ちてるのを、ひどく実感してしまった。

「……はぁ……」

 そういえば……この屋敷、トレーニングルームみたいのないのかな…… あってもおかしくないと思うんだけど……。
 あとで西条さんに聞いてみよ……。
 
 さて。ほんとに起きないと――――……。
 思った瞬間。

 カチャリと音がして、ドアが開いた。

 え。
 思わず硬直してしまう。

 よりによって今日は ノックなし? ……服着てないし。
 内心慌てるけれど、急いで布団にくるまるのもマヌケだし、そんなに早く服は着れないし、そもそも服、用意してないし。
 
 とりあえず、下半身は布団をかけてるから、上半身だけなら、いいか。
 などと、半ば諦めながら、和義さんが姿を見せるのを待っていると。


「――――……」
 

 入ってきたのは。 ――――……昨日の、髪の長い、女の子、だった。


 ……あれ。これって。

 ――――……もしかして、まずいんじゃ……。
 




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