【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇そばに居る意味

「恥ずかしすぎる」*優月

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 玲央の事を考えないようにしながら、でもやっぱり考えて。
 とにかく必死で前を向いて、5限まで、やっと終わった。

 長かった……。

 来週の掲示板を確認して、さ、玲央の所に行こうと思った時。
 少し離れた所から、「優月」と呼ばれた。

「あ、智也。今日初めて会ったね」
「ん、元気か?」
「うん、元気。智也も元気?」
「元気元気」
「そか」

 ふふ、と笑うと、智也がふと、見つめてくる。

「ん?」
「なんか楽しそうだから。良かった」

「心配かけてる?」
「してないよ。そんな風に笑ってるし、全然大丈夫だろ」
「ありがとね」
「今日も会うの?」
「うん。これからバンドの、練習があるって」
「見に行くの?」
「うん」

 頷くと、智也はくす、と笑った。

「バンドメンバー公認なの?」
「ん?……公認、とかではないけど、こないだ、挨拶はしたよ」
「ふーん。そうなんだ」

 と。その時。


「あの……ゆづき、くん……??」

 後ろから、話しかけられた。
 振り向くと、知らない人。

「……え?」

 絶対知らない人だと思うのに、今、ゆづきくんって言った??
 思わず首を傾げると。

 智也が、「西野?」とその人を呼んだ。

 あ、智也の知ってる人?
 ……でもゆづきくんって、オレを呼んだよね?

 誰、この人……??

「……智也の友達?」

 智也を見上げて、そう聞いたら、智也は「同じ学部の西野」と答えた。

 ふむ。西野君。
 智也と一緒って事は法学部。やっぱりオレは知らない人だよね……?

「名前、優しい月って書く?」
「……うん、書く……????」

「西野、何言ってんの?」

 智也が隣でおかしそうに笑ってる。

「さっき、玲央に、聞いたんだ」

 西野君の口から急に出てきた玲央の名前に、ドキ、とする。
 ……名前だけなのに。

「何を聞いたの?」

 智也がそう聞くと。
 西野君は、智也を見て、一瞬止まった。

「……ごめん、さっきの会話聞こえてたんだけど……村澤は、知ってるんだよな?」

 意味深な感じでそう言う西野君に、あー……と智也は少し黙った。

「ん、知ってる」
「玲央に聞いた?」
「いや、オレは優月と幼馴染だから。最初は優月に聞いた」
「そっか、じゃいっか」

 智也と話し終わると、くる、とこっちを見て。


「さっき、優月って奴が可愛いって、玲央がめっちゃ言ってて」
「――――……えっ。……な……」

 全く予期しない所から、物凄い攻撃を受けた感覚。
 ボボボっと、見事に赤くなった、と思う。顔が、熱すぎる。

「優月、真っ赤……」

 はは、と、智也が笑う。


「だ、って……なに、それ……」

 は、恥ずかしすぎるんだけど。

 智也が、顔を冷ましてくれようとしているのか、手でパタパタ扇ぎだす。
 ……いやいや、絶対それじゃ無理。もう、顔、中から熱いもん。


「何それ、神月が西野に言ったの?」
 智也が聞くと、西野君はうんうんと激しく頷いた。

「そう。可愛くてしょうがないみたいな……」


 うわー、もうやめてー、何なんだ、それ。


「可愛いから今度よく見てみろって言われてさー」
「はは、そうなんだ」

「そしたら、村澤がゆづきーって呼んで、近づいてくるから。もうごめん、興味が抑えられなくなった」

「……っっ」

 めちゃくちゃマジマジと見られる。

「オレ、玲央と結構仲いいし、幼稚園からの友達な訳。……つか、あの玲央がだよ? 可愛い可愛いって、それ以外言わないくらい語彙死んでるし……信じらんなくて――――……」


 わーん、なんか、玲央に直接可愛いとか言われるより、
 よっぽど、よっぽど、恥ずかしい。


 だって、絶対、オレ、普通に見て可愛くないし。
 そんなめっちゃくちゃハードル上げられてから、見られるの嫌だしー!


 ……うう。逃げたい……。






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