【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇週末の色々

◇キス*優月

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 泣き止んで。
 落ち着いたら、結構泣いてしまった事がめちゃくちゃ恥ずかしくなって。

 玲央がぎゅー、と抱き締めたままで居てくれるのを良い事に、そのまま、隠れてた。

 どうしよう。
 顔上げて、何て言おう。

 泣きすぎだよね、オレ。


 もう何で泣いたのかも正直よく分かんない位、なんか、こみあげてきてしまって。

 恋人っていう関係が、すごく嬉しかったのが一番なんだけど。

 ――――……玲央に会えて良かった、とか。
 なんか色々考えていたら、もう意味も分からず感極まって泣いちゃって。


 恥ずかしい。

 でもいつまでもこのまま居る訳にはいかないし。
 どうしよう。


 思っていたら。
 玲央が、ぽんぽん、とオレの背中をあやすように叩きながら。
 ふ、と笑った。


「……この年で、よくそんな風に、泣けるよなー」

 クスクス笑いながら玲央はそう言う。

 ……うん。ほんと、そうだよね。
 余計恥ずかしくなる。

 ほんと。どうしよう。



「オレ――――……優月の事、泣かせないようにしたいけど……」

 後頭部に触れた手が、優しく髪を撫でる。


「……こういう泣き方なら、いいか。――――……可愛いし」


 クスクス笑う玲央。


「……嬉しくて泣くのは、ありだよな」
「――――……ごめん、オレ……」
「ん……?」


「オレ男なのに……めちゃくちゃ泣いて」
「男とか関係ないだろ――――…… オレには、こういう時なかなか泣けないから、素直なのがすげえ可愛いって思うし」
「――――……」

「優月が泣いてるの、昨日からどんだけ見たか分かんなくなってるけど……」

 くす、と笑いながら。玲央はオレを腕の中から起き上がらせた。
 それから、ふ、と笑いながら、オレを覗き込んできて。


「全部、めちゃくちゃ可愛かった」


 瞳が優しく笑んで、近づいてきた玲央に、頬にキスされる。



「――――……泣き止んだか?」
「……ん。ごめん」

 言ったら。
 玲央は少し不思議そうにして。それから、唇にちゅ、と口づけてきた。


「つか、ごめんは、いらない」

 抱き締められて、撫でられる。




「なんで可愛いって言ってンのに、謝るんだよ??」

 そう言った玲央にまたキスされて、頬に触れた指が、優しく首筋を辿って、うなじに触れる。



「――――……」


 なんか。
 ――――……

 
 泣きすぎちゃった自分がすごい恥ずかしくて、どうしようと思っていたのに。
 ――――……こんなに優しく、そこらへんも消し去ってくれて。
 抱き締めて、キスしてくれるって。


「――――……」


 そっとキスしてる玲央の顔に触れて、少しだけ唇を離す。


「……玲央」

 オレが名を呼ぶと、ん?と笑みを作る玲央の瞳。


 
 ああ。もう。
 ――――……ほんとに、この世界で、一番大好き。



 玲央の頬を、両手で挟んだまま。
 引き寄せながら、背伸びをして。



 じっと見つめたまま、キスした。
 数秒見つめ合ったまま。唇、触れて。


 そしたら、玲央が、くす、と笑った。



「……触れる、だけ?」


 見つめ合ったまま、唇の間で囁かれて。
 かあっと、熱くなったけれど。


 ゆっくりと、舌を、玲央の唇の間に、挿し入れた。
 舌先が、触れて。躊躇うけど。
 すぐ、ゆっくり、絡めてみた。

 今、玲央は積極的に動かないでいるから。
 キスしてるのはオレの方、なのに。

 なんだかすごく、ゾクゾクしてきて。
 なのに、なんだか全然足りなくて。


 思わず、玲央の背中に、ぎゅう、と抱き付いてしまう。



「……れお」

 ふ、と吐いた息が、無性に熱くて。



「――――……オレがする?」

 玲央の手が、オレの頬にかかった。
 優しい瞳に、ん、と頷くと。



「――――……可愛すぎ、優月……」



 玲央の唇が触れて。
 深く深く。――――……望んだキスが、重なってきた。







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