【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇「周知」

「スタンプ」*優月

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 昼食を終えて、3限も終えて。あとの4、5限は連続の授業。
 この学校で一番広い教室に来て、中に入ったところで、ふっと思い出した。

「優月どした?」

 ドアで立ち止まったオレに、気づいた友達が振り返る。
 何でもない、と答えて、すぐ後について、座った。


 その時、スマホが震える。
 見ると、玲央から。

『授業が終わったら、部室に来て?』

 そう言われたので、分かった、という可愛いハムスターが揺れてるスタンプを送ってみた。
 最近よく使ってる、可愛い癒しスタンプ。
 玲央は、何か反応するかなあ? それとも、別にチラ見して、スルーかなあ?と思いながら、スマホを見てると。

 すぐに入って来たのは。

『似てる』

 え。似てる?
 似てると言われるとは思わなかった。

 似てないよ、と返そうとしたら。

『自画像?』

 そう言われて、もう一度送ったスタンプを見る。
 ………ハムスターなんだけど。モコモコフワフワした。

 自画像じゃないって、入れようと思ったら。


『自分を見ながら、優月が描いたの?』

 いやいや、違うってば。
 玲央の次々入れてくる言葉に、瞬きを繰り返していると。


『冗談だよ』

 と入ってきて。

 あ、冗談……そんな、何回も入れてくる感じで、玲央って冗談言うんだ、なんて思って、何て返そうかなー、コロコロ笑ってるハムスターのスタンプでも送って置こうかなあ……と思っていたら。

『でも似てるのはほんと』

 あれ。 似てるっていうのは冗談じゃないの?

 またスタンプ返せないまま固まっていると。


『似てると思うと、これ、すげー可愛いな』 


 と、入ってきた。


「――――……」


 恥ずかしい。なんか。
 ………玲央がここに居ないのに、なんか。

 ――――……よく、オレを見つめる時に、すっごく優しい瞳をする玲央が、何だか、脳裏に浮かんでしまって。

 赤面しそう……。


 まさか、オレ、ハムスターのスタンプ送った位で、
 こんな恥ずかしい事になるとは。思わなかった……。



 玲央の目に、オレって、どう映ってるんだろう。
 こんな丸っこい、可愛い、モフモフの生き物に、似てるとか。

 本気なのかな?

 1回言って、冗談って否定して、でも似てるのはほんと、って。
 ……それは本気なんだろうか。


 しばらく悩んだ後。


「オレがハムスター似だったら、玲央は何に似てる?」

 聞いてみることにした。


 そしたらしばらく返ってこない。
 何にも似てないって思ってるのかな?

 ………なんだろ。玲央は……。

 ライオン……? チーターとか。トラとか……?
 あ、ホワイトタイガーとかいうのも居たなあ。あれ、カッコいいなあ。


 とか、色々思ってたら。
 また震えて。そしたら、玲央じゃなくて、勇紀からだった。

 あれ?と思って開くと。



『玲央は、発情期の肉食獣って事で、周り一致したから』

 
「っ」


 見た瞬間、吹き出しそうになっちゃった。




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