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第19話
しおりを挟む何してるって……そんな言葉に、胸がぎゅっと縮む。
オレが、今何してるか。それって、司にとって、気になることなのかな。
こういう考え方を、晃に言うと、軽く注意されるんだけど……。
「今、夕飯食べ終わって、自分の部屋きたところ」
送信して数秒で、また通知。
「電話、してもいい?」
息を飲む。心臓がうるさい。でも断る理由も思いつかないし、それにオレも、司の声、聞きたい。
ドキドキしながら、うん、と返した瞬間、着信が鳴った。画面をスライドさせて通話をつなぐ。
「……もしもし」
『もしもし、湊?』
耳に届いた声に、胸の奥が、一気に熱くなった。
初めて聞く、電話越しの声。なんか不思議な感覚。遠くにいるのに、声が近い。
「司」
名を呼んだら、声が震えた。
『なんか、すげー嬉しいな』
「……?」
『湊と繋がってるのが、嬉しい』
まっすぐな言葉が胸に刺さって、返事が出来ない。
すごく黙っちゃってる気がして、焦ると余計に、何も出てこない。心臓の音だけが、大きくなっていく。
『湊も、嬉しい?』
「……うん」
『そっか、良かった』
うん、だけは言える。短い言葉なら、話しやすい。
司は、それを知っててくれてるんだろうか。
『今までは、時間とか天気が合わないと会えなかったし、話せなかったじゃん? これで、約束も出来るし。会えなかった日も話せるし』
「――」
『今日、あそこで会えて良かった』
嬉しそうな声に、戸惑う。
何で司って、そんなに、オレと会いたいみたいなこと、
言ってくれるんだろ。
『今日、会ってた二人って、幼馴染って言ってた?』
「……うん」
『仲良さそうだったな』
「そう……?」
まあ高校が離れてもわりと頻繁に会ってるし、連絡も取ってる。
さとるは、誰とでも仲いいし。晃は、頭良いし優しいから好かれてるし頼りにされてるし。
オレは、二人のこと、だいすき、だけど。
二人がいっつもオレに連絡してくれるのが、ちょっと不思議なのだけれど。
そこは幼馴染だから、かな。……幼馴染で良かった。
『湊、明日、会えそう? あそこに来る?』
「……明日は、五時間目の後行く」
『そっか、じゃ明日会えるな。天気もよさそうだし』
「うん」
そっか、会えるのか。明日。
会えるのが決まってて、あそこで待つの、初めてだ。
待ち合わせ、してるみたい……?
なんか――すごく、嬉しいかもしれない。
楽しみに思えて、顔が綻んでしまう。
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