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side*陽斗 8
しおりを挟む「もうすぐ来るから。陽斗、ここに居ろよ」
「え?」
「蒼生と少し座ったら? どーせあいつ大急ぎで来るし」
言いながら、志樹は伝票を手に取った。
「あ、いくら?」
財布を出そうと動いたら、志樹に手で制された。
「いいよ。面白かったし、お前」
「……何その理由。払うって、いくら?」
「今回はいいよ」
……絶対もう、受け入れてくれなそうな顔。
「じゃあ今度、何か奢る」
「ん」
ふ、と笑ってる志樹に、ありがとう、と伝えると。
「陽斗、弟になるかもしんないしなー?」
「――――……」
弟。……になるのかな?
……でも結婚する訳じゃないしな。そう思ってると、それが分かったかのように。
「いつか法律変わるかもしんないし」
「……ほんと志樹って、何言うか謎……」
言いながらも、笑ってしまう。
「――――……ありがと、志樹」
「ん。じゃあまたな」
「うん」
バイバイ、と手を振って、志樹が出て行く背中を眺めて。
ドアが閉まった。
「――――……」
とりあえず、三上の兄である志樹と。話し終えた。
――――……なんか、志樹は、やっぱりいつも「志樹」で。
独特な感じ。
自分の考えが完全にあって、一般常識とかあんまり関係ない。
非常識では絶対無いけど……なんか、他に侵されないし、曲げないまま、うまく、周りを動かす。
……普通。弟と、同期の男が、そうなるとか。あんな風に、余裕で聞けるかな。オレは聞けない、きっと。
狼狽えると思う。
そう、なんか、狼狽えないんだよなー。
いっつも、余裕。
何か問題が起こって、オレがどうしようって内心思ってても、志樹は、多分内心ですら狼狽えてなくて、どうすべきかをすぐ考える。
あれを隣で見てたから、結構オレ、新入社員の頃から勝手に鍛えられた気もする。
……まあ。なんて言うか。
――――……話してる内に。
オレが、三上の事。すごく好きなの。
改めて、思ってしまった。
「――――……」
何かちょっと気恥ずかしくなったその時。
とんとん、と扉が叩かれて、それから、そっと引き戸が開いた。
顔をのぞかせた三上が。
「陽斗さん」
なんか。オレの顔を見た瞬間。めちゃくちゃ嬉しそうな笑顔で、オレの名を呼んで。扉を閉めて入ってきたと思ったら。
座ったままのオレをぎゅ、と抱き締めた。
「――――……三上……」
何だか。もう。
ほんと、笑ってしまう。
三上の顔を見た瞬間。何だかすごく嬉しくなって。
心臓が、めちゃくちゃ速くなった。
「――――……ごめんな、こんなとこまで」
「何で? 会いたかったし」
少しオレを離して、オレをじっと見つめてくる。
三上の手が頬に触れて、すりすりと撫でる。
「顔見れて、嬉しいし」
とか。
……キラキラした顔でそんな風に言って、また笑う。
……キラキラしたって。
オレの目にそう映るだけなのかも。……なんかすごい、可愛く見えてしまう。
――――……なんだかなあ。もう。ほんとに……。
……オレも、三上の顔見れて、嬉しいかも。
三上のうなじに手を当てて、くい、と引いた。
「――――……」
ちゅ、と唇を重ねてしまう。
びっくりした顔の三上を見ながら。
なんか。
さっきから、笑顔思い出すたびに。
こうしたかったんだなあと。実感。
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