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◇かわいーのは
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「こうやってネクタイ締めてあげんの楽しいかも……。陽斗さんはどうでした?」
そう聞くと。「んーー……」と黙ってしまった。
「嫌でした?」
少し不安になってそう聞いてみると、すぐに首を横に振って見せる。
「……嫌じゃなくて、恥ずかしいって感じかも」
「恥ずかしい? 何で?」
「……すぐ近くに三上の顔があるし……どこ見てたらいいかよく分からないって感じ……」
「――――……」
そんな事を言いながら、先輩は、オレから離れて、上着を手に取った。
「陽斗さん」
手を掴んで、引き寄せて、頬に手をかける。
「――――……ん?」
「……やっぱ、絶対可愛い」
「……何が?」
きょとんと不思議そう。
……その顔も、可愛いんだけどね。ほんとに。
いつも、会社では絶対しない。でも、わざと可愛くしてるんじゃなくて、多分会社はちゃんと仕事モードで、こっちが素なんだろうなと思うと。会社モードの方まで、頑張ってるのかなと、ちょっと可愛く思えてしまう。
「もう、なんか全部。可愛い」
「――――……」
何言ってるんだろ、という顔で、不思議そうにじっと見つめてくる先輩に笑ってしまいながら、そっと顔を寄せる。ゆっくりゆっくりその唇に触れて、一度離す。
「――――……もう、ほんとに会社休みましょう?」
「だから、無理だってば」
クスクス可笑しそうに笑って、オレを見上げる。
多分、完全に冗談だと思ってるぽいけど。
オレは、九割以上、本気なんだけどね……と、心の中だけで、呟きながら、先輩の頬に口づけた。
まあ実際、休めないのは分かってる。特にオレら二人が一緒に休める訳が無いのも、ちゃんと分かってるんだけど。
まあこれが、二人かなりの体調不良でとかなったら周りがどうにかするしかないのだけれど、そうでない限り、そろって休むのはきついと思う。
名残惜しくて、抱き締めていると。
「あのさぁ、三上」
「……ん?」
「そろそろ行かないと。遅くなるから」
「――――……うん。ですね……」
分かってます。ちゃんと時計は見てたし。
――――……それでも、離せなかっただけなので。
仕方なく、最後に一度キスしてから、先輩を離した。
「そんな残念そうにしないでよ」
クスクス笑われてしまいながら、残念ですし、ともはや正直に言うと、先輩はますますおかしそうに笑う。
「仕事終わったら、夕飯一緒に食べよ」
「――――……」
その言葉に、ぱっと気分が上がって、先輩に視線を向けた。
「はい!」
勢いよく頷くと。先輩は、一瞬その勢いに引いてから。それから、ぷっと吹き出した。
「――――……大型犬に懐かれた気分……」
クックッと笑ってる。
犬? と、かなり複雑。
答えないでいると。
先輩が歩いてきて、手を伸ばして、オレの頭を撫でた。
「かわいーのは三上だと思うけどなー」
「――――……」
めちゃくちゃふんわりと笑んで、オレを撫でる笑顔に。
――――……撃沈。
何やら察知した先輩に、抱き付く前に遮られて、触れなかったけど。
そう聞くと。「んーー……」と黙ってしまった。
「嫌でした?」
少し不安になってそう聞いてみると、すぐに首を横に振って見せる。
「……嫌じゃなくて、恥ずかしいって感じかも」
「恥ずかしい? 何で?」
「……すぐ近くに三上の顔があるし……どこ見てたらいいかよく分からないって感じ……」
「――――……」
そんな事を言いながら、先輩は、オレから離れて、上着を手に取った。
「陽斗さん」
手を掴んで、引き寄せて、頬に手をかける。
「――――……ん?」
「……やっぱ、絶対可愛い」
「……何が?」
きょとんと不思議そう。
……その顔も、可愛いんだけどね。ほんとに。
いつも、会社では絶対しない。でも、わざと可愛くしてるんじゃなくて、多分会社はちゃんと仕事モードで、こっちが素なんだろうなと思うと。会社モードの方まで、頑張ってるのかなと、ちょっと可愛く思えてしまう。
「もう、なんか全部。可愛い」
「――――……」
何言ってるんだろ、という顔で、不思議そうにじっと見つめてくる先輩に笑ってしまいながら、そっと顔を寄せる。ゆっくりゆっくりその唇に触れて、一度離す。
「――――……もう、ほんとに会社休みましょう?」
「だから、無理だってば」
クスクス可笑しそうに笑って、オレを見上げる。
多分、完全に冗談だと思ってるぽいけど。
オレは、九割以上、本気なんだけどね……と、心の中だけで、呟きながら、先輩の頬に口づけた。
まあ実際、休めないのは分かってる。特にオレら二人が一緒に休める訳が無いのも、ちゃんと分かってるんだけど。
まあこれが、二人かなりの体調不良でとかなったら周りがどうにかするしかないのだけれど、そうでない限り、そろって休むのはきついと思う。
名残惜しくて、抱き締めていると。
「あのさぁ、三上」
「……ん?」
「そろそろ行かないと。遅くなるから」
「――――……うん。ですね……」
分かってます。ちゃんと時計は見てたし。
――――……それでも、離せなかっただけなので。
仕方なく、最後に一度キスしてから、先輩を離した。
「そんな残念そうにしないでよ」
クスクス笑われてしまいながら、残念ですし、ともはや正直に言うと、先輩はますますおかしそうに笑う。
「仕事終わったら、夕飯一緒に食べよ」
「――――……」
その言葉に、ぱっと気分が上がって、先輩に視線を向けた。
「はい!」
勢いよく頷くと。先輩は、一瞬その勢いに引いてから。それから、ぷっと吹き出した。
「――――……大型犬に懐かれた気分……」
クックッと笑ってる。
犬? と、かなり複雑。
答えないでいると。
先輩が歩いてきて、手を伸ばして、オレの頭を撫でた。
「かわいーのは三上だと思うけどなー」
「――――……」
めちゃくちゃふんわりと笑んで、オレを撫でる笑顔に。
――――……撃沈。
何やら察知した先輩に、抱き付く前に遮られて、触れなかったけど。
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