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第2章
「お祭りみたいな酒盛り」
しおりを挟むアランが、船乗りの人や町の人達も呼んだらしくて、時が経つにつれて、物凄い人数になってきた。
最初は一応、オレ達とアランは同じテーブルについたけど、なんか、皆、気さくすぎて、あれこれ話しかけてきて、席も、あってないような感じ。
女の子のダンスも始まるし、お酒も注ぎに来たりして。
とにかくすごい人数が居て、皆お酒が入ってくると、どんどん声が大きくなって。音楽も鳴ってるし、何のお祭りだ、的な雰囲気。
ミウを抱えたまま、一番端の席で、ぼんやりとその光景を眺める。
……これは、すごいなあ。
皆、楽しそう。ふ、と笑ってしまう。
キースやリアもそれぞれ連れていかれてしまって。
オレも何度か誘われたけど、なんかまだ疲れてて、あのノリに入っていける気がしなくて断ってしまってる。でも見てるだけでも、ほんとに、楽しい。
ルカは相変わらず、たくさんの人に話しかけられて、囲まれてる。
そうしながら、さっきからアランと飲み比べみたいな事してるし。
そこにゴウも抜けたり入ったりしている。
オレがたまに見てるだけでも、特にルカとアランは、かなり飲んでる。
2人共、強すぎて、意味が分からない。
「お兄さん、お名前は?」
ふと見上げると、同じ年頃の女の子が、隣にすとん、と座った。
「ソラだよ」
「私は、ユウ。よろしく、ソラさん、お酒は? つぎますよ?」
「ありがと。ユウさん」
「ユウでいいですよ」
コップを差し出すと、ゆっくり、注いでくれる。
「ソラさんがだっこしてる子って、ミウですよね?」
「あ、知ってる?」
「うん。知ってます。触っても平気ですか?」
ユウがそう言うので、腕の中のミウを覗き込むと、ミウは、みゃ、と声を出した。
「きゃー、可愛い、声出すんですか?? 私こんなに近くで見るの初めてなんです! なんか、高い空を飛んでるのは見た事あったんですけど」
めちゃくちゃ嬉しそうにユウが笑う。
そんなに嬉しそうに笑われると、こっちまで嬉しくなってしまう。
「抱っこしてみる?」
「え、いいんですか?」
「うん、良いよね? ミウ」
聞きながら顔を見ると、ふわん、と飛んで、ユウの腕の中に入る。
「わあーー、めっちゃ可愛い……」
スリスリしながら、ユウが撫でると、ミウは気持ちよさそうな顔をしてる。
はは。 ミウ、ほんとに可愛い。
ミウの額の辺りを、ぷに、と押してみる。
みゅ、と、つぶれた顔をしてるのが愛おしい。
「ソラさんに懐いてるんですよね?」
「うん。そうみたい。なんか懐いてくれて」
ふ、と笑いながらミウを見つめると。
「すごく優しそうですもんね、ソラさん」
「あはは、そう? でもなんか、単純な人が好き、とも聞いたけどね」
ルカが言ってたけど。
その時のルカの顔が浮かんで、ふ、と苦笑いが浮かぶ。
入れてくれたお酒を一飲むと。。
――――……結構苦い気がする。
「これって何のお酒?」
「これは、麦のお酒です」
「麦??」
もう少しだけ、飲んでみる。
ああ。麦って。……ビール??
ちょっと違うけど。でも、まあ、飲めなくはない。
「あんまり好きじゃないですか?」
「うーん。でも果実酒だと飲み過ぎちゃうから、これ位苦い方がいいかも」
「あ、そうなんですか?」
クスクス笑うユウに、うん、と返す。
話しやすい子だな。
ミウもすっかり腕の中で落ち着いているし。
……甘えてるミウ、可愛いなあ……。
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