219 / 309
第2章
守る*ルカside 1
しおりを挟む……寝にくい。
抱いてすぐ、余韻も何もなく、大変だよねとか言われて、早く寝よう、と無理やり頭を抱かれた。
ぎゅう、と抱きしめられて。
なんだか可笑しくて笑ってしまった。
色気ないのもなんかソラっぽいし。
まあいっかとソラの背を抱いて、少し目を閉じていたら、すぐに寝息が聞こえてきた。それでも、そののまま、ぎゅっと抱き締められている。
こうやって、頭抱えられて寝るのは、そんなに寝心地が良いものではねえな。そう思うが。
なんだかソラが愛おしくて、しばらくそのまま動かずに、目を閉じていた。
オレの方が頭を抱えられるなんて、今まで一度もない。
抱く相手を、必ずしも完全に信用してないというか、信用しないようにしていたから、視界が遮られるこんな抱えられ方。された瞬間に、解いたと思う。今までの相手なら。
まあ、オレを抱えようなんて女は、そもそも居なかったけど。居たとしても、そんな風にされたままなんて絶対無かったはず。
なのにさっき、オレを抱き締めたソラの手を、これっぼっちも離そうとは思わなかった。
「――――……」
そっと、ソラの手を離して、ゆっくりと、その腕の中から起き上がる。
体を起こして、隣で寝ているソラの髪の毛に触れる。
起こさないように優しく触れて、撫でる。
なんか。空に心配させてるみたいだな……。
ふ、と微笑んでしまう。
確かに今回の魔物は、魔法があんまり効かず、打撃もそのままでは効かない、厄介な魔物の類。あれが一体何体いるのか。半日海に居て二体だから、そこまでは多くはないのかもしれないが、まあ多少厄介ではある。
でも、あれくらいなら何とでもなるし、そんなに心配もしていないが、あれの親玉みたいなのが居て、そいつも魔力も打撃も効かず強いとなると、かなり厄介かもな……。
それで、あの小さいのを、戦いながらもしも生み出すことが可能とかなったら。
どう戦うべきか……。
そう考えるけれど、確かじゃないことも多いし、結局行き当たりばったり、対峙してから戦い方を考えるしかない。
ただ、攻撃が効きにくい、というのは考えていた方が、良さそうだが……。
「……る か……」
眠ったまま、オレの名前を呼ぶ。
さっきまでオレを抱えていた手がなんだかもぞもぞ動いている。
なんとなく手を伸ばして、その手に触れると、きゅ、と握り締められた。
柄にもなく、なんだか……かなりくすぐったい気持ちになる。
「……ソラ」
小さく呼んで、ソラの顔の横に手をつくと、ぎし、とベッドが軋む。
ゆっくり近づいて、そっとキスする。
……柔らかい、唇。
ペロ、と舌でなめると、オレの手を握りしめている手がぴくん、と動いた。
「……ン…………」
少し、唇が開く。
舌を入れて、ソラの舌に触れる。
「……ん、ン…………」
緩い、喘ぎ声。
……は。すっげー、可愛いな……。
しばらく、優しく、舌で触れてから。
欲情しそうで、このまま起こしてもう一回?とも一瞬思ったけれど。
心配したまま、うとうと可愛く眠りについてソラのことを思い出して、今日はやめることにした。
ゆっくり離して、ソラの前髪を上げさせて、額にキスする。
……何してんだか、オレ。
寝てる相手に、こんなこと、し続けてるとか。
ソラにしか、したことねぇんだよな……。
スヤスヤ寝てる無邪気な顔。
起きてると、意地っ張りで、可愛くない時も多々あって。
しかも男だし。……興味持ったことすら、初めてだしな。
何で、こんなのが、こんなに愛しいんだか。
何度か不思議に思うことを、またそう思うけれど。
ソラを見てると、ふ、と、顔がほころぶのは、確かで。
そんな人間。初めてだ。
144
あなたにおすすめの小説
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない
二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。
ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。
当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。
だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。
――君の××××、触らせてもらえないだろうか?
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる