【好きと言えるまで】 -LIKEとLOVEの違い、分かる?-

星井 悠里

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第1章◇告白

「LOVEの好き?」

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「愁が一番可愛かった、ずっと」

「……んー。快斗、視力、いくつだっけ」


「――――……」

 快斗は、完全に、苦笑い。


「オレ両目1.5」

「……じゃあ、変わった趣味だな?」


「つか愁って、自分の事どう思ってんの」
「え。んーー……めっちゃ、普通……?」


 ……これ、自分で言うのも何なんだけど。
 まあ、普通、としか言えない。


「んな事ないよ――――……目でかくて可愛いし、いっつも楽しそうに笑ってて、オレ、愁の顔が一番好きなんだけど」

「――――……そ、そうなの?」

 初めて聞いた。
 それだけでも、驚きの真っ最中なのに、快斗はさらに続けた。

「……オレが誰と付き合っても長続きしなかったの愁のせいだから」

「……ん?」

「愁が一番可愛いのに、そう思えない女子と、ずっと続けられる訳ないし」
「…………」


 ……何言ってんだろ、快斗。
 最後だと思って、何か、感傷に浸ってちょっとおかしくなってる?


「快斗が付き合う子達って、かなり可愛い子が多かったと思うんだけど……」
「――――……」

「オレが一番可愛いとかそんな事言ってたら、オレ、やられそうだけど……」

「……オレにとって、て意味だよ」
「……快斗……??」

 何年も一緒に居て、快斗がオレの事、そんな風に言うの初めて聞いた。


 ……不細工ではないかな……とは思うけど。

 まあでも、すごく、普通だよなオレ。



 ――――……そうなんだ、快斗にとって、オレって、可愛かったんだ……?


 ……??
 …………可愛いって、何だろう。



 ――――……はて? マジで、分かんない。


 最後の日になって、急にこんな訳の分からない事を、こんな一生懸命言われるとは思わなかった。

 別れを思い切り惜しみたいのに、何だかそんな感じではなくなってきてる。

 あれ、オレ達、最後こんな話で別れるの??
 あれ、もっと、今まで楽しかったなーとか、

 こんな事もあったなーとか……。

 昨日まで、他の皆とやってたみたいな、そういうので別れるんじゃないの?

 何年も一緒に居て、初めて聞いたみたいな事のオンパレードだと、頭、ついていかないんだけど……。



「――――……あのさ、愁」
「うん?」


「愁さ……LIKEとLOVEの違い、分かる?」
「――――……」


 また、唐突な……。
 ……でも、これはさすがに、すぐに、意味は分かる。


「快斗さ、バカだと思ってるの、オレの事。分かるよ、ちゃんと」


 そう答えると、快斗はふ、と笑って。

 まっすぐにじっと見つめてきた。



「じゃあ、ちゃんと聞いてて?」


 そう言われて、うん、と頷いて。
 快斗のまっすぐな視線を見つめ返す。


「オレがお前のこと、好きなのは、LOVEの方だよ」
「――――……?」


 らぶ??

 そこで思考は、完全に停止した。



「愁?」
「――――…………?」

「ちゃんと聞こえてた?」
「――――……」


「オレ今、愁のこと好きな気持ちは、何だって言った?」

「――――……LOVE?……って言った?」


「うん。言った」

 ふ、と笑って、快斗は、オレの頭に手を置いた。




「覚えといて?」

 言いながら、快斗は、オレの頭をクシャクシャと撫でた。



「冗談じゃないし、気の迷いとか、一時そう思ってるとか、そんなんじゃないから」

「――――……」


「オレがお前の事を好きだったのは、ずっと、LOVEの方だった」

「――――……」



 LOVEの意味、分かってるって、さっき答えたけど――――……。


 やっぱり、分かってなかった、かも。



 ……LIKEが好きすぎると、LOVEになっちゃうのかな。

 LOVEって、家族とかにも、使うもんな、家族愛とかさ。


 そういう意味で、すっごい大好きの意味で、LOVEを使ってるのかな。
 うん、それなら、分かる。

 そう言う意味か、と、快斗に聞こうと思って顔を上げた瞬間。


「――――……逃げ道探さないで、ちゃんと聞いて、愁」
「……っ」


 長年居すぎると、思考が読まれる。


「オレの言ってるLOVEは、恋愛のLOVEだから。好きの延長とかじゃないよ。まったく別物」

「――――……」


 逃げ道は、完全に、つぶされる。





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