ゲーマー女子ですが魔王(♂)に転生してしまいました。殺されたくないので運命回避させていただきますっ!

近藤蜜柑

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自信の章

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翌日。
今日は全科目一通りのテストだ。
ここから魔法科と武道科に分かれる。

魔法のテストと武道のテスト。
まぁ、テストといっても適性検査で、属性と物理と武器。どの属性と相性が良いか。そして、どの攻撃が相手にダメージを与えられるか、回復は出来るかを判断する。

細かく言わないけど、やっぱりソルシエールは魔法が上手いし、ペイストは剣と相性が良く、物理が凄かった。


そして、なんとラルは学校の人間じゃなかった事が判明した。
なんでも12歳の1つ下で、来年入学する学校を見たいと忍び込んでいたらしい。
学校のセキュリティはしっかりしてるのに。制服とかどうしたんだろう?
でも、ゲームでもラルはそんなキャラクターだった。流石と言うべきか、呆れるべきか・・・。


え?私の成績?そりゃ、身体は魔王ですから。魔法も武道も回復でも、優秀な成績でしたよ。
でもさ、元々陰キャの私を表舞台に出さないでほしい!恥ずかしいったらありゃしない!!
属性も全て使えた人は初めてだって騒がれて学園長まで出て来るなんて聞いてない!

それに、全て知っている私は素直に喜べない。
この力でどれだけ凄い事が出来るのか理解しているだけに怖い。
先生は伸ばそうと授業してくれるけど、制御する方法が知りたくて、ソルシエールを訪ねる事にした。
最初逢った時ペイストにもやりすぎたしね。こういうのは早い方が良い。
ソルシエールの魔法は時に魔王をも凌ぐ力を持っている。ソルシエールは回復出来ないけど、それは関係ないし。



「ソルシエール!」
天気のいい休日の朝は図書室で借りた本を寮の木陰で読んでいるとリシンに聞いて尋ねることにした。


「あ、えっとマオ様ですか?どうかされたんですか!?」
ソルシエールはやっぱり本を読んでいて慌てて閉じた。汗マークが出てるのが手に取るようにわかる。邪魔しちゃったかな?
・・・ってか多っ!!10冊くらい持ってる!?しかも1冊が辞書みたいに分厚い・・・。
私も調べ物によく図書室使ってるけどレベルが違う。今度手伝ってもらおうかな?

「うん、そうだけど様はやめて」
何でみんなして私を敬おうとするんだろう・・・

「は、はい、すみません!では・・、マオさん?」
「うん!」
「先日助けて頂いたお方ですわね?御礼も出来ずに申し訳ありません。私は小さい頃からいじめられてばかりで、暗いと言われていて・・・」
ソルシエールは下を向いて謝ってばかりだ。薄いピンクの膝まである長い髪がシルクの糸ように緩やかに流れていった。まるでシャンプーのCMみたいだ。


「そう?君は自分の魅力を知らないだけだと思うよ?」
「わ、私に魅力なんてあるはずございませんわ!」
頬は桜色から紅色に変わる。これだけで彼女がとてもいい子だと誰もが思う。

ゲームでのソルシエールより、今の方が私の好みだ。
彼女を讃えるところがたくさんあって、勝手に口が動く。
「そんな事ない!ソルシエールはとっても可愛い!」
「え?」
「礼儀正しいし」
「ええ?」
「笑顔は癒されるし」
「あ、あの」
「立居振る舞いがとっても綺麗で、お花が似合うお嬢様って感じだよね!たくさん本読んでるせいか色んな事知ってて頭もいいし、実はスタイルもいいよね?後はいい匂いがいつもするし、ピンクの髪と紫の瞳がよく似合うし、性格も、努力家だけど不器用だからつい応援したく・・・
「マオ、マオ」
リシンが肩をトントンしてきた。

「リシン?何?」
「しぇる?ソイツ固まっちまったよ?」
「え?何で??」
ソルシエールは全身を真っ赤に染めて硬直していた。恥ずかしかったのかな?

「おーい大丈夫か~?」
リシンが顔の前でヒラヒラ翼の手を振る。
「は、はい。は、恥ずかしいですが、あ、ありがとうございます・・・」
顔を真っ赤に染めて小さな声でお礼を言うソルシエールはやっぱり可愛い。

「でさ、お願いがあるんだけど」
「何でしょう?」
「あのね」



「・・・なるほど、魔力の制御ですか」
「うん。自分が凄い力を持っている事が怖くてさ」

「わかりました!私の力など大したことありませんが、マオさんの為になるのでしたら、全力で頑張ります。
貴方の役にたてるだなんて、これほど幸せな事はありませんわ」

ソルシエールはニッコリ笑った。
「・・・・・」
私は、何も反応出来なかった。
このセリフは、ゲームで主人公達と戦う時に、足止めを任されたソルシエールが同じような事言ってた。

「私の力など微々たるものですが、魔王様の踏み台になるのでしたら全力で時間を稼ぎます。
魔王様の為に死ねるなんて、これほど幸せな事はありませんわ」

そう言って恍惚に笑ったゲームのソルシエールは怖くて、綺麗でそして、とても悲しかった。


ポロッと涙がこぼれた。
「え?どうなさったんですか?」
「あ、うん。あのね、ソルシエール」
何だか凄く悲しくなってしまった。
「はい?」

涙を拭いて、しっかり瞳を見つめて言い聞かせる。
「君は本当に凄い人なんだよ!だから僕も君を頼って相談したの!」
「わ、私はマオさんみたいに強くありませんよ?力もありませんし、体力もありま
「強い!・・・ソルシエールは強いよ!頭いいし、魔法も使えるよ!」
「ま、マオさんの方が凄いですわ!魔法も剣も使えるからと先生方がどちらの科にしようか取り合っていましたわ!」
おおっ!言い返してきてくれた!でも負けない!

「何言ってるのさ!ソルシエールなんかどの属性の魔法も得意だから魔法の先生がニコニコしながら困ってたよ!」
「マオさんが!」
「ソルシェルが!」
「ぷっ!ぶぶっ」
「うふふふふ!」
「あはははは!」
2人して同時に吹き出して笑った。
つい焦って、変な呼び方をしてしまった。

「うん!君はそういう風に笑ってほしいな!」
「ええっ!?ええと、えと、えと、あの、その・・・・・・ありがとうございます」
ソルシエールはまた真っ赤になった。自己評価が極端に低いのもあるけど、元々照れ屋なんだろうな。


「マオさん!」
「ん?」
「私と、お友達になってください!」
「あははっ!僕とソルシエールはとっくに友達だよ!」

しばらく真っ赤になっていたソルシエールは
「フォルスのように、シェールと呼んでください。ソルシェルはあまり変わりませんし、私も気に入っていますので」
「うん!シェール!」
「ハイ!」
シェールは柔らかくそして、強く笑った。
守りたい。この笑顔も、この世界も!


・・・私、いつのまにか思っていた。
魔王の未来も、部下だった周りの仲間も幸せになってほしいって!
ま、一般の中学生の私には何もできないけど、せめて仲良く過ごしたい。みんなが今の私の友達だから!
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