ゲーマー女子ですが魔王(♂)に転生してしまいました。殺されたくないので運命回避させていただきますっ!

近藤蜜柑

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拷問の章

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宰相はラルを知っていた。
変装の名人で腕もたつ。殺すのは惜しい
「お前、ラルだな。話には聞いている。変装の名人で短剣の腕も良い。身のこなしも悪くない」
「・・・・・・」
ラルは無言で宰相を睨む。
「良い瞳だ。気に入った!お前、私の部下にならんか?」
「ケッ!オレは既に仕えてる身なんだよ!あの人は、強くて優しくてオレの事、ちゃんと考えてくれる。何時だって誰かの幸せの為に頑張ってる!あの人を裏切るくらいなら死んだ方がマシだよ!」
「・・・この状況で断るとはな。お前はもう少し世渡り上手だと思っていたが、見込み違いだったか?まぁいい。連れて行け」
「はっ!」


「・・・・・・!」
ラルを見つけて物陰から様子を伺っていたオルドルは驚いた。
ラルは長い者には巻かれる主義。宰相の話を受けてから、その内逃げると思っていた。
オルドルは悩んだ末に場所を突き止めようと思い、そっと着いて行った。

ラルは独房に連れていかれた。
マオ達の牢屋とは反対方向にある地下室で、牢屋とは違い、部屋は1つしかなかった。
オルドルは決心してリシンを呼びに行った。こうなったら決行は今夜しかない!



独房でラルは武器や防具を盗られて、縄に繋がれた。足が着くぶら下がりの状態だ。
宰相が怒鳴る。
「何のために来た!ここの内情ぐらい知ってるだろう」
「今にも革命が起きる。騎士団だってすぐに来る。そんなここを放っておけないだろ」
「何も知らないコソ泥が・・・!」
「え?」
「私がいるからここは成り立つんだ。よく言うだろう?戦争ばかりしている国を団結するにはもっと大きい敵だって」
「だけど!」
「現に民は団結している。革命だって市民が団結しなければできない事だ」
「お前、何言ってんの?他と戦争してる訳でもないだろう?それに、お前は王様殺してんじゃねーか。王様が慕われているのが悔しかっただけだろ」
「違う!」
「いーや違わない!!それは単なる妄想だ!王様より自分の方がもっと上手く出来るってずっと思ってたんだろ!自分より凄い奴なんかいないって認めなかった!」
「どうしてそう言い切れる!?」
「言い切れるさ!オレがそうだったんだからな!!・・・オレは、オレに出来ない事なんか無いって思ってた。1人認めてる奴がいたけど、そいつだけだと思って、来年入学する学校に忍び込んだ。そしたら、オレが認めた奴が、あっさり学校で負けた。勝った奴は、強くて、優しくて、正義のヒーローみたいだった。オレは憧れた。その人みたいになりたいと思った。そしたら、今までやってきた仕事に疑問を持った。だから俺は盗みをやめて、ギルドをやってる」
「・・・・・・」
「その人は、いつもみんなの事を考えて、みんなの為に笑って、泣いて、怒ってくれる。
オレはもっと周りを見ようとした。そしたら、世界が優しかった。オレなんかに親友が出来た。友達が出来た。仲間が出来た。
・・・お前には居るのか?仲間や友達と呼べるような、大切な人」
「・・・もう、居ない。妻は死んだ」
「他は?」
「いない。いない!いない!!そんな人間認めない!!私には金がある。そんなもの必要ない!!」
「皆から無理矢理集めたその金で奥さんが戻ってくるのか?戻ってこないだろ!?目を覚ませ!これ以上お前の奥さんみたいな人を増やすな!」
「黙れ!!!・・・自分の今の状況がわからないのか?それに、私だってお前の事は調べてある」
「なんだよ!」
宰相は左側に寄ってそっと囁く。

「お前、右耳が聞こえないんだろ?」
「・・・!し、知らねぇよ」
「噂でも聞いている。若いやり手の盗賊が盗みをやめたと。情報も金になるんだぞ」
「なるほど。アンタも裏社会と繋がってんのか。堕ちてんなぁ~」
「私は、雇うだけだ」
「やってる事は同じだろ」
「フフッ、噂を確かめてみたかったが、先ほど捕らえた時も右が弱い。やはりたしかのようだな」
宰相はばさりとラルの羽織っていたマントをとる。
「・・・・・・」
「にしても、その傷は多いな。痛みには強いのか?」
「オッさんにやられるより、美人な姉ちゃんのが好みだな」
「減らず口を!」
宰相は鞭でラルを拷問していった。
ラルは声をあげずに、痛みに耐え続けた。
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