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第1章 繰り返す女
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数日後に結婚式を控えている新島美里は、突如入った急ぎの仕事を済ませた後、ブライダルエステを受けながらこれからのことを考えていた。新居への家具や家電の搬入も済ませ、一人暮らしだったこれまでの家よりも広い仕事部屋を確保できたことに嬉しい気持ちを隠しきれないでいた。
翻訳者である新島美里は翻訳の仕事で世界中の民族衣装を紹介する本の翻訳で、取材と称して世界中を飛び回ったことがある。その時、ルーツは日本人なのに一度も着物に袖を通したことがない事に気がついた。
女性として最先端のドレスを見に纏うことは誰もが夢見ることだが、伝統的な着物を着るというのは何か気の引き締まる感じを受けた。
二十数年ぶりに日本に帰ってきた2人は、自分の国に帰ってきたと言うよりも旅行客として見知らぬ土地に降り立った気分だった。2人とも生まれて間もなく海外に行ってしまったので、記憶の中に日本の景色や生活は全く残っていないのだ。それは逆に未知のことを知りたい好奇心旺盛な2人には刺激的で歓迎すべきことだった。
美里は日本で結婚式を挙げることができると分かった時、ドレスのことは頭の片隅に追いやった。花嫁衣装は白無垢か黒引振袖どちらにするのか本気で悩んだくらいだ。格式で言えば白無垢の方が高いのだが、動きやすさでは断然黒引振袖の方が勝る。
結婚式場の披露宴では白無垢から色打ち掛けに掛け替えて入場することもあると聞いた時には知り合いの美容師に事実確認をするくらい着物のことばかり考えていた。動きやすさも考えてドレスは結婚披露パーティーで着る事にした。着物は本場のプロに着付けてもらった方が断然粋に着こなせるのである。
初めは着物にあまり興味のなかった新郎の幹彦だった。しかし、結婚情報誌で見た外国人モデルの紋付袴姿が見てから意見が変わった。そしてボソッと呟いた一言を美里は聞き逃さなかった。
「結婚式は着物姿もいいかも」
この一言で幹彦の紋付袴姿は決定してしまった。
結局二人の結婚式での衣装は彼女の強い希望で黒引振袖になった。ただそれはシルエットが綺麗だからという事だけではなかった。そこには1本筋の通った理由があった。
黒引振袖には他の誰にも染まらないと言う意味があるのだ。
一方、白無垢には相手の家の色に染まるように真っ白のまま嫁ぐと言う意味があるという。それが転じて生まれた家の娘としては一度死んで、嫁ぎ先の嫁として新たに生まれると言う意味があるとも言われている。
そんなことを知った美里は仕事で世界中を飛び回るであろう自分は、本城家に嫁ぐと言うより幹彦本人のパートナーとなり、妻になると言う意味合いの方がしっくり来ると思い黒引振袖にしたのだった。
しかし、しっかり白無垢姿の写真だけはカメラマンに頼んで綺麗に撮ってもらっていた。このことは親族には内緒にしてある。それは本城が美里の違った一面は自分だけが知っていれば良いという、独占欲からだった。お互いの両親も2人が日本人として神前式をすることだけで大満足なので、二人の意見を尊重してくれていた。
4月30日東京某所。結婚式は近い親族だけで執り行われた。その後一流と呼ばれるホテルでの会食は両家和やかに過ごすことができた。元々両親同士は仲が良かったのでそのまま同じホテルに泊まり、翌日も一緒に観光する事になっていた。新婚気分を邪魔されたくない幹彦と美里は両親とは別のホテルに宿泊することにしてあった。観光客気分の両親たちは快く2人を宿泊先へと追い出した。
翌5月1日、2人で婚姻届を提出。本城は役所に行く前に戸籍課の西島課長に連絡を入れていた。
「本城です。先日はご連絡ありがとうございました。今日は本物の婚姻届を提出しに伺います」
報告がてら伝えると西島はある提案をした。
「おめでとうございます。では不受理申請の取り下げもされますか?」
「お願いします」
「それとは別にあちらの書類はもうご用意されていますか?」
「はい、そちらも一緒に提出するつもりです」
「では、私が直接お預かりしますので、窓口で私の名前をお伝え下さい」
「ありがとうございます、助かります。では後ほど伺います」
その後、程なくして役所に行くと、待ち構えていたかのように西島は受付カウンターで2人が来るのを待っていた。2人は、個室のようなスペースに案内されそこで書類を提出し、滞りなく受理された。
そして二人は本当に戸籍上正式な夫婦になった。
その後、5月3日の結婚披露パーティーの最終確認も兼ねてブルーローズへと足を運んだ。店の玄関にはClosedと札がかけてありしっかりと鍵もかかっていた。幹彦は予め聞いていた裏口へ周り店に入るとこちらも待ち構えていた兄と店長の天ヶ瀬が出迎えてくれた。
「結婚おめでとう」
「ご結婚おめでとう。明後日のパーティー件かな?」
「はい、何か他用意するものとかありますか?」
「大丈夫だよ、私たちももうすぐ出発するから」
「えっ! 出発するんですか? 少し早くないですか」
「ロバートが早く仕込みをしたいらしいんだ。なんせお気に入りの2人の大切なパーティーだからね」
それを聞いた幹彦は天ヶ瀬に軽く頭を下げお礼を言った。
「兄さん、アランはもう来てる?」
「厨房でロバートと話しているよ、どんな料理が出るのか興味があるみたいで英語とフランス語が混じっていて、二人じゃなきゃ理解できない会話になっているよ」
「そうなんだ…… アランをお願いして大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だよ。俺たちも今日からホテルに泊まるから」
「ありがとう。じゃぁよろしくお願いします」
「天ヶ瀬さん、兄さんだけじゃなくてアランのこともよろしくお願いします」
「了解。任せてね!」
「俺は大丈夫だぞ」
なぜか、幹彦は海外から来たアランよりも兄の方が心配なようだ。
幹彦の友人、アラン・ガルニエは流暢な日本語を話すはずなのにロバートとは英語とフランス語で話していたらしい。まるでどこかのスパイ映画のようだ。
幹彦と美里は店を出て高原のホテルへ行く新幹線に乗るために駅へと向かった。招待客は友人だけなので皆同じホテルに宿泊してもらうことになっている。もちろんホテル代と移動費用はこちらで負担した。
「ホテル代くらい自分で出すよ。久しぶりに都会から離れて綺麗な空気を味わえるんだしね」
友人たちからそう言われたものの、せっかくのゴールデンウィークを幹彦と美里の都合に合わせてくれたことに対する、せめてもの償いだった。
パーティーが行われる別荘は、ホテルの施設の一部でホテルの本館から5分程歩いたところにある。たったそれだけの距離なのに別荘がある場所は森の中の隠れ家のような所だった。このホテルも本城家の知り合いだと言うから両親の人脈の広さと深さが窺える。
今回別荘で出す料理やゲストへのサービスはレストラン・ブルーローズの従業員が全て引き受けてくれた。パーティー当日は美味しい食事だけでなく、美味しい酒と洗練されたサービスに招待客はとても満足していた。
2人に依頼されて気持ちよくピアノの演奏をしていた蒼井静佳はとても気持ちよく演奏していた。それは会場内から聞こえてくる心の声がプラス感情ばかりでマイナスの感情を撒き散らす人の存在が皆無だったからだ。
しかし酒を呑んで泣き上戸になる人や酒乱の気のありそうな人はブルーローズの従業員が失礼の無いようにピアノから遠ざけていたことを蒼井静佳は知らない。それは、店でもピアノの演奏時には暗黙の了解で行われていることだった。
九条はボソッと他の人には聞こえないくらいの小さな声で呟いた。
「蒼井くんはいつみんなの気遣いに気付くことができるかな。その日が来た時が楽しみだな」
珍しく心から微笑んでいる九条を見た天ヶ瀬は目を見張った。また、新しい何かが始まるの事。そしてその何かが何なのか、彼だけが確信を持った瞬間だった。
翻訳者である新島美里は翻訳の仕事で世界中の民族衣装を紹介する本の翻訳で、取材と称して世界中を飛び回ったことがある。その時、ルーツは日本人なのに一度も着物に袖を通したことがない事に気がついた。
女性として最先端のドレスを見に纏うことは誰もが夢見ることだが、伝統的な着物を着るというのは何か気の引き締まる感じを受けた。
二十数年ぶりに日本に帰ってきた2人は、自分の国に帰ってきたと言うよりも旅行客として見知らぬ土地に降り立った気分だった。2人とも生まれて間もなく海外に行ってしまったので、記憶の中に日本の景色や生活は全く残っていないのだ。それは逆に未知のことを知りたい好奇心旺盛な2人には刺激的で歓迎すべきことだった。
美里は日本で結婚式を挙げることができると分かった時、ドレスのことは頭の片隅に追いやった。花嫁衣装は白無垢か黒引振袖どちらにするのか本気で悩んだくらいだ。格式で言えば白無垢の方が高いのだが、動きやすさでは断然黒引振袖の方が勝る。
結婚式場の披露宴では白無垢から色打ち掛けに掛け替えて入場することもあると聞いた時には知り合いの美容師に事実確認をするくらい着物のことばかり考えていた。動きやすさも考えてドレスは結婚披露パーティーで着る事にした。着物は本場のプロに着付けてもらった方が断然粋に着こなせるのである。
初めは着物にあまり興味のなかった新郎の幹彦だった。しかし、結婚情報誌で見た外国人モデルの紋付袴姿が見てから意見が変わった。そしてボソッと呟いた一言を美里は聞き逃さなかった。
「結婚式は着物姿もいいかも」
この一言で幹彦の紋付袴姿は決定してしまった。
結局二人の結婚式での衣装は彼女の強い希望で黒引振袖になった。ただそれはシルエットが綺麗だからという事だけではなかった。そこには1本筋の通った理由があった。
黒引振袖には他の誰にも染まらないと言う意味があるのだ。
一方、白無垢には相手の家の色に染まるように真っ白のまま嫁ぐと言う意味があるという。それが転じて生まれた家の娘としては一度死んで、嫁ぎ先の嫁として新たに生まれると言う意味があるとも言われている。
そんなことを知った美里は仕事で世界中を飛び回るであろう自分は、本城家に嫁ぐと言うより幹彦本人のパートナーとなり、妻になると言う意味合いの方がしっくり来ると思い黒引振袖にしたのだった。
しかし、しっかり白無垢姿の写真だけはカメラマンに頼んで綺麗に撮ってもらっていた。このことは親族には内緒にしてある。それは本城が美里の違った一面は自分だけが知っていれば良いという、独占欲からだった。お互いの両親も2人が日本人として神前式をすることだけで大満足なので、二人の意見を尊重してくれていた。
4月30日東京某所。結婚式は近い親族だけで執り行われた。その後一流と呼ばれるホテルでの会食は両家和やかに過ごすことができた。元々両親同士は仲が良かったのでそのまま同じホテルに泊まり、翌日も一緒に観光する事になっていた。新婚気分を邪魔されたくない幹彦と美里は両親とは別のホテルに宿泊することにしてあった。観光客気分の両親たちは快く2人を宿泊先へと追い出した。
翌5月1日、2人で婚姻届を提出。本城は役所に行く前に戸籍課の西島課長に連絡を入れていた。
「本城です。先日はご連絡ありがとうございました。今日は本物の婚姻届を提出しに伺います」
報告がてら伝えると西島はある提案をした。
「おめでとうございます。では不受理申請の取り下げもされますか?」
「お願いします」
「それとは別にあちらの書類はもうご用意されていますか?」
「はい、そちらも一緒に提出するつもりです」
「では、私が直接お預かりしますので、窓口で私の名前をお伝え下さい」
「ありがとうございます、助かります。では後ほど伺います」
その後、程なくして役所に行くと、待ち構えていたかのように西島は受付カウンターで2人が来るのを待っていた。2人は、個室のようなスペースに案内されそこで書類を提出し、滞りなく受理された。
そして二人は本当に戸籍上正式な夫婦になった。
その後、5月3日の結婚披露パーティーの最終確認も兼ねてブルーローズへと足を運んだ。店の玄関にはClosedと札がかけてありしっかりと鍵もかかっていた。幹彦は予め聞いていた裏口へ周り店に入るとこちらも待ち構えていた兄と店長の天ヶ瀬が出迎えてくれた。
「結婚おめでとう」
「ご結婚おめでとう。明後日のパーティー件かな?」
「はい、何か他用意するものとかありますか?」
「大丈夫だよ、私たちももうすぐ出発するから」
「えっ! 出発するんですか? 少し早くないですか」
「ロバートが早く仕込みをしたいらしいんだ。なんせお気に入りの2人の大切なパーティーだからね」
それを聞いた幹彦は天ヶ瀬に軽く頭を下げお礼を言った。
「兄さん、アランはもう来てる?」
「厨房でロバートと話しているよ、どんな料理が出るのか興味があるみたいで英語とフランス語が混じっていて、二人じゃなきゃ理解できない会話になっているよ」
「そうなんだ…… アランをお願いして大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だよ。俺たちも今日からホテルに泊まるから」
「ありがとう。じゃぁよろしくお願いします」
「天ヶ瀬さん、兄さんだけじゃなくてアランのこともよろしくお願いします」
「了解。任せてね!」
「俺は大丈夫だぞ」
なぜか、幹彦は海外から来たアランよりも兄の方が心配なようだ。
幹彦の友人、アラン・ガルニエは流暢な日本語を話すはずなのにロバートとは英語とフランス語で話していたらしい。まるでどこかのスパイ映画のようだ。
幹彦と美里は店を出て高原のホテルへ行く新幹線に乗るために駅へと向かった。招待客は友人だけなので皆同じホテルに宿泊してもらうことになっている。もちろんホテル代と移動費用はこちらで負担した。
「ホテル代くらい自分で出すよ。久しぶりに都会から離れて綺麗な空気を味わえるんだしね」
友人たちからそう言われたものの、せっかくのゴールデンウィークを幹彦と美里の都合に合わせてくれたことに対する、せめてもの償いだった。
パーティーが行われる別荘は、ホテルの施設の一部でホテルの本館から5分程歩いたところにある。たったそれだけの距離なのに別荘がある場所は森の中の隠れ家のような所だった。このホテルも本城家の知り合いだと言うから両親の人脈の広さと深さが窺える。
今回別荘で出す料理やゲストへのサービスはレストラン・ブルーローズの従業員が全て引き受けてくれた。パーティー当日は美味しい食事だけでなく、美味しい酒と洗練されたサービスに招待客はとても満足していた。
2人に依頼されて気持ちよくピアノの演奏をしていた蒼井静佳はとても気持ちよく演奏していた。それは会場内から聞こえてくる心の声がプラス感情ばかりでマイナスの感情を撒き散らす人の存在が皆無だったからだ。
しかし酒を呑んで泣き上戸になる人や酒乱の気のありそうな人はブルーローズの従業員が失礼の無いようにピアノから遠ざけていたことを蒼井静佳は知らない。それは、店でもピアノの演奏時には暗黙の了解で行われていることだった。
九条はボソッと他の人には聞こえないくらいの小さな声で呟いた。
「蒼井くんはいつみんなの気遣いに気付くことができるかな。その日が来た時が楽しみだな」
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