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第2章 迷子の仔猫
シークレットエージェント_1
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次に二人が時間移動をして来たのはどこかの倉庫のような場所だった。どうやら地下のようで太陽の光どころか電灯もないような薄暗い場所だった。
門脇と蒼井の二人はやはり天井の辺りから下の様子を見ていた。すると門脇が何かに気がついたようだった。
「俺、こいつらのこと心当たりがある気がする」
「どういうことだよ、見知った顔でもあったのか」
倉庫にいる3人は目出し帽を外しているが蒼井は見たことのない人たちだった。門脇が続ける。
「シークレットエージェント。探偵事務所で叔父さんが教えてくれたんだけど、裏社会には金さえ出せばどんな依頼でも受ける組織があるらしいんだ。
窃盗、強盗、誘拐、違法取引なんかは普通で、殺人の依頼も受けるらしい。それぞれ依頼ごとにそれに応じたプロのエージェントが仕事を受けるみたいなんだ。だから今回は屋敷に忍び込み跡形もなく退却できるような奴らが仕事をしたんだと思う。
それと、動物に詳しい人間が必ずいるはずなんだ。それにその猫のことも綿密に調べ上げているはずなんだよ」
「探偵事務所ってとんでも無い情報持ってるんだな。それで門脇、ここに見覚えのあるやつはいるのか」
「あぁ、なんとなくだけど見た覚えがあるやつがいる。帰ったら確認しに行くから蒼井も一緒に着いて来てくれ」
「いつもだったら『嫌だ』っていう所だけど、今回は猫のことも気になるしいいよ。行き先がどこかぐらいは教えてくれるだろ」
「あの手に怪我した女が勤めていた可能性のある場所に行く」
「了解」
すると倉庫の床の地面に近い方でも会話が始まった。
「その傷、結構深そうだけど大丈夫なのか」
大柄の男が茶髪の女に声をかけた。
「この猫は変な病気は持っていないから消毒しとけば大丈夫だと思うわ」
「なんでそんなこと分かるんだ?」
魔法陣を描いていた男が不思議に思ったようだ。
「まさか今回もどこかに潜入していたのか、だから猫の詳細な情報があったのか」
大柄で強面の男が一人で納得していた。
「まぁそんなところよ……」
「ペットホテルとかペットサロンなんかは入り込みやすそうだもんな。この猫毛並みも綺麗だけど、美人さんだからそういう所で手入れされているんだろうな」
「そういえばさー、この猫いつ依頼主に渡すのー」
黒髪の魔法男が急に話題を変えた。
「一応5日後の約束だ。依頼主がそれまでに成功報酬を用意できなければ闇オークションにかけるつもりだ。それとそれまでの間、この地下にある居住空間に潜んでいる予定だ。
食料も用意してあるし風呂にも入れるから安心しろ」
大男は少し考える素振りを見せて女に話を振った。
「お前その猫欲しいんじゃないか、本当は」
「そうね、こんなに珍しい猫今後いつお目にかかれるかどうかも分からないし出来ることなら手に入れたいわよ。ねぇ幾ら払えば私に売ってくれる?」
「あの依頼主が提示した額の最低3倍は払ってもらわないとな。依頼主の手に渡らなかったら考えてやってもいいぜ、どうする」
「いいわ約束よ。五日後までに依頼主と契約が成立しなかったら優先的に私にその猫頂戴ね。オークションにはかけないでよね元締め」
門脇と蒼井はその会話を聞いて思わず顔を見合わせた。
「3倍とか言っていたけど一体いくら払う気なんだあの女」
「それより元締めって言っていたよね、大男に向かって」
「あぁ言ってた、これは所長に報告しないと。迷子の子猫探しだったのに何だか大事になってきたな…… 」
「それに五日後って現在に帰ったら後二日しかないじゃないか、門脇早く次に行こう」
「いや、もう少し話を聞いてからにしよう。まだ情報が少なすぎる」
すると下の三人がまた話し始めた。魔法男が気の抜けた声で質問する。
「ねぇ元締め、この仕事いくらで請け負ったのー、俺聞いてなかった気がする-」
「悪い、急ぎだったからお前には仕事と魔法の段取りだけしか伝えてなかったのか……依頼主には2,000万円で話を付けるつもりだ」
「へぇー、猫一匹にそんなに払うんだー」
「ちょっと待って元締め、1,000万円としか聞いてないわよ」
「そうだっけ、でもさっき『了解』って言ったんだから6,000万円払えないんだったらお前には渡さないから、そういうことで」
「お前、そんなにこの猫欲しいのー」
「五月蝿いわね、欲しいものは欲しいのよ」
「でもお前その猫に好かれてないっていうか、嫌われてるんじゃないのー。さっきだって引っ掻かれてたしー」
そう言うと魔法男は猫に近付き何やら声をかけてからキャリーケースから出した。そっと猫を抱き上げ話しかけた。
「お前だって、あんなおっかない女の所は嫌だよなー」
すると他人に懐かないはずの猫が不思議と魔法男には威嚇行為をする気配がまるでなかった。
それどころか何やら魔法男の言葉に応えて甘えるように
「ニャー」
と鳴いて大人しく抱かれていた。
それを見た女と元締めが自分たちもその猫を触ろうと近付いて来た。女は自分が猫パンチされたことをすっかり忘れているようだ。
女が猫から半径1m圏内に入ろうとした時、猫がいきなり
「シャーー」
と威嚇し怒りを露にした。
天井付近から下の様子を見ていた二人はある事を思い出していた。
「門脇、あの猫って人に懐かないって話だったよね」
「藤原夫妻はそう言っていたな。だから誘拐犯には威嚇しているんだけど、あの魔法男は一体何者なんだ」
「強いて言うなら他の2人と違って変な悪意がないのかもな。魔法使いなんて普通の場所じゃ生活しづらいだろうからこんな組織の中にいるんだろうし」
「そうだな、あの魔法男は何考えているのかいまいちよく分からないな。でも何のためにこんな危ない仕事しているんだろう。それに魔法使いって本当にいたんだな、未だに信じられないよ」
「本当に驚いたよ、目の前で魔法陣が光った時は。それとこんなことしているのは生活のためだけじゃなさそうだよね」
その時蒼井はこう思った。
『いつもみたいにあの魔法使いの心の声が聞こえるといいのにな』そう思った瞬間だった。
下で猫に何やら魔法男が話しかけていると
『お前飼い主のところに帰りたいだろ、ごめんな。俺もエージェントの仕事だからってこんなことするのもう嫌だなー、俺の魔法って他のことに使えないのかなー』
突然蒼井に魔法男の心の声が聞こえてきた。他の人間の心の声は聞こえないのに特定の人物の心の声だけ聞こえるなんて今までは無かった事だった。
蒼井は異次元では心の声が聞こえないものと思い込んでいたが、この時やっとそのことに疑問を抱いたのだった。疑問ついでに蒼井は門脇の心の声も聞いてみようと思い門脇に声をかけてみた。
「もうそろそろ次の場所? 時間? に行ってみる?」
「そうだな、そろそろ行くか」
『これ以上ここにいても欲しい情報は入らないだろうし』
「じゃ、行こう」
『この後は、もう門脇の心の声は聞こえなくていい』
蒼井はそう思った。
「了解」
蒼井が聞かなくていいと思った後は、門脇の心の声は聞こえてこなかった。
蒼井はこれまで散々悩まされてきた心の声が聞こえるという現象が自分の意思でコントロールできる事を知った瞬間だった。
『でも、九条さんと天ヶ瀬さんの心の声って現在三次元でも聞こえないんだよな…… ってことは他にもコントロールできない人がいる可能性はあるってことだよな……』
そんな事を考えられるくらいに蒼井は短期間で大いに成長したのだった。
そして魔法男のことがなぜか気になって仕方がなかった。
蒼井は魔法男の心の声を聞いてしまたったせいで、彼は本当はそんなに悪い人間ではないんじゃないかと思えてならなかった。
そして人付き合いが苦手なはずの蒼井が不思議と魔法男のことだけは、彼がどんな人間なのか知りたいと思い始めていた。
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「俺、こいつらのこと心当たりがある気がする」
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「シークレットエージェント。探偵事務所で叔父さんが教えてくれたんだけど、裏社会には金さえ出せばどんな依頼でも受ける組織があるらしいんだ。
窃盗、強盗、誘拐、違法取引なんかは普通で、殺人の依頼も受けるらしい。それぞれ依頼ごとにそれに応じたプロのエージェントが仕事を受けるみたいなんだ。だから今回は屋敷に忍び込み跡形もなく退却できるような奴らが仕事をしたんだと思う。
それと、動物に詳しい人間が必ずいるはずなんだ。それにその猫のことも綿密に調べ上げているはずなんだよ」
「探偵事務所ってとんでも無い情報持ってるんだな。それで門脇、ここに見覚えのあるやつはいるのか」
「あぁ、なんとなくだけど見た覚えがあるやつがいる。帰ったら確認しに行くから蒼井も一緒に着いて来てくれ」
「いつもだったら『嫌だ』っていう所だけど、今回は猫のことも気になるしいいよ。行き先がどこかぐらいは教えてくれるだろ」
「あの手に怪我した女が勤めていた可能性のある場所に行く」
「了解」
すると倉庫の床の地面に近い方でも会話が始まった。
「その傷、結構深そうだけど大丈夫なのか」
大柄の男が茶髪の女に声をかけた。
「この猫は変な病気は持っていないから消毒しとけば大丈夫だと思うわ」
「なんでそんなこと分かるんだ?」
魔法陣を描いていた男が不思議に思ったようだ。
「まさか今回もどこかに潜入していたのか、だから猫の詳細な情報があったのか」
大柄で強面の男が一人で納得していた。
「まぁそんなところよ……」
「ペットホテルとかペットサロンなんかは入り込みやすそうだもんな。この猫毛並みも綺麗だけど、美人さんだからそういう所で手入れされているんだろうな」
「そういえばさー、この猫いつ依頼主に渡すのー」
黒髪の魔法男が急に話題を変えた。
「一応5日後の約束だ。依頼主がそれまでに成功報酬を用意できなければ闇オークションにかけるつもりだ。それとそれまでの間、この地下にある居住空間に潜んでいる予定だ。
食料も用意してあるし風呂にも入れるから安心しろ」
大男は少し考える素振りを見せて女に話を振った。
「お前その猫欲しいんじゃないか、本当は」
「そうね、こんなに珍しい猫今後いつお目にかかれるかどうかも分からないし出来ることなら手に入れたいわよ。ねぇ幾ら払えば私に売ってくれる?」
「あの依頼主が提示した額の最低3倍は払ってもらわないとな。依頼主の手に渡らなかったら考えてやってもいいぜ、どうする」
「いいわ約束よ。五日後までに依頼主と契約が成立しなかったら優先的に私にその猫頂戴ね。オークションにはかけないでよね元締め」
門脇と蒼井はその会話を聞いて思わず顔を見合わせた。
「3倍とか言っていたけど一体いくら払う気なんだあの女」
「それより元締めって言っていたよね、大男に向かって」
「あぁ言ってた、これは所長に報告しないと。迷子の子猫探しだったのに何だか大事になってきたな…… 」
「それに五日後って現在に帰ったら後二日しかないじゃないか、門脇早く次に行こう」
「いや、もう少し話を聞いてからにしよう。まだ情報が少なすぎる」
すると下の三人がまた話し始めた。魔法男が気の抜けた声で質問する。
「ねぇ元締め、この仕事いくらで請け負ったのー、俺聞いてなかった気がする-」
「悪い、急ぎだったからお前には仕事と魔法の段取りだけしか伝えてなかったのか……依頼主には2,000万円で話を付けるつもりだ」
「へぇー、猫一匹にそんなに払うんだー」
「ちょっと待って元締め、1,000万円としか聞いてないわよ」
「そうだっけ、でもさっき『了解』って言ったんだから6,000万円払えないんだったらお前には渡さないから、そういうことで」
「お前、そんなにこの猫欲しいのー」
「五月蝿いわね、欲しいものは欲しいのよ」
「でもお前その猫に好かれてないっていうか、嫌われてるんじゃないのー。さっきだって引っ掻かれてたしー」
そう言うと魔法男は猫に近付き何やら声をかけてからキャリーケースから出した。そっと猫を抱き上げ話しかけた。
「お前だって、あんなおっかない女の所は嫌だよなー」
すると他人に懐かないはずの猫が不思議と魔法男には威嚇行為をする気配がまるでなかった。
それどころか何やら魔法男の言葉に応えて甘えるように
「ニャー」
と鳴いて大人しく抱かれていた。
それを見た女と元締めが自分たちもその猫を触ろうと近付いて来た。女は自分が猫パンチされたことをすっかり忘れているようだ。
女が猫から半径1m圏内に入ろうとした時、猫がいきなり
「シャーー」
と威嚇し怒りを露にした。
天井付近から下の様子を見ていた二人はある事を思い出していた。
「門脇、あの猫って人に懐かないって話だったよね」
「藤原夫妻はそう言っていたな。だから誘拐犯には威嚇しているんだけど、あの魔法男は一体何者なんだ」
「強いて言うなら他の2人と違って変な悪意がないのかもな。魔法使いなんて普通の場所じゃ生活しづらいだろうからこんな組織の中にいるんだろうし」
「そうだな、あの魔法男は何考えているのかいまいちよく分からないな。でも何のためにこんな危ない仕事しているんだろう。それに魔法使いって本当にいたんだな、未だに信じられないよ」
「本当に驚いたよ、目の前で魔法陣が光った時は。それとこんなことしているのは生活のためだけじゃなさそうだよね」
その時蒼井はこう思った。
『いつもみたいにあの魔法使いの心の声が聞こえるといいのにな』そう思った瞬間だった。
下で猫に何やら魔法男が話しかけていると
『お前飼い主のところに帰りたいだろ、ごめんな。俺もエージェントの仕事だからってこんなことするのもう嫌だなー、俺の魔法って他のことに使えないのかなー』
突然蒼井に魔法男の心の声が聞こえてきた。他の人間の心の声は聞こえないのに特定の人物の心の声だけ聞こえるなんて今までは無かった事だった。
蒼井は異次元では心の声が聞こえないものと思い込んでいたが、この時やっとそのことに疑問を抱いたのだった。疑問ついでに蒼井は門脇の心の声も聞いてみようと思い門脇に声をかけてみた。
「もうそろそろ次の場所? 時間? に行ってみる?」
「そうだな、そろそろ行くか」
『これ以上ここにいても欲しい情報は入らないだろうし』
「じゃ、行こう」
『この後は、もう門脇の心の声は聞こえなくていい』
蒼井はそう思った。
「了解」
蒼井が聞かなくていいと思った後は、門脇の心の声は聞こえてこなかった。
蒼井はこれまで散々悩まされてきた心の声が聞こえるという現象が自分の意思でコントロールできる事を知った瞬間だった。
『でも、九条さんと天ヶ瀬さんの心の声って現在三次元でも聞こえないんだよな…… ってことは他にもコントロールできない人がいる可能性はあるってことだよな……』
そんな事を考えられるくらいに蒼井は短期間で大いに成長したのだった。
そして魔法男のことがなぜか気になって仕方がなかった。
蒼井は魔法男の心の声を聞いてしまたったせいで、彼は本当はそんなに悪い人間ではないんじゃないかと思えてならなかった。
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