74 / 83
外伝 王都の休日
休日の終わり
しおりを挟む
王都に来て三日目になった。アーサーはすっかり元気になって、ベッドから下りていた。
「ネロたちがくるのは、明日だろうな」
「今日、来たりして。ほら、荷物、私が持ってるから」
「金ぐらいあるだろう」
「金も私が持っていますね。さて、義兄上のお友達は、お金を貸してくれるのでしょうか」
「………」
ネロたち、本当にバカだな!! 金までアーサーにまかせたのだ。
きっと、ネロたちはアーサーのことを財布扱いするつもりだったのだ。下手に金を持っていると、無駄遣いが出来ない。だったら、アーサーに金を任せて、人の目があるところで散財するつもりだったのだ。さすがに、人目があるところで、アーサーも出し渋ることはない、と考えたんだな。
出し渋るけどな。アーサー、ここぞという時は借金を理由に、却下する。返品だってさせる。そういう時は、妖精憑きである俺を利用する。妖精憑きに悪さすると、妖精の復讐を受けることになるから、だいたいの商人は二つ返事で応じてくれる。
辺境からの移動には三日かかるといっても、休みなく移動していれば、今日にでも到着するだろう。
そんなくだらない話をしながら、朝食を済ませて、俺たちは部屋に戻ろうと席を立ったところで、フーリードに声をかけられた。
「アーサー、すっかり顔色がよくなりましたね」
「ご心配おかけしました。熱って、かなり辛いものなんですね。初めての経験なので、驚きました」
「無理しすぎです。アーサーは、まだ子どもなんです。もっと、大人を頼りなさい」
「そうですね」
頼りになる大人が身近にいないからなー。フーリードは頼ってほしいのだが、アーサーは頼る気はない。それを言葉の裏から読み取って、フーリードは寂しそうに笑った。
「父上たちは、今、どこにいるのか、わかればいいですけど」
「わかりますよ」
「そうなんですか!!」
アーサーは驚いて、とんでもない声をあげた。出してから、アーサーは慌てて口を両手で塞いだ。
「失礼しました」
「そんなことで叱ったりしませんよ。声が出てしまうのは、仕方がないことですから」
「どうやって、わかるのですか?」
「確か、魔道具の馬車で行ったのですよね」
「そうです。あんな馬車、神殿で見たことがあります。個人所有なんて、すごい金持ちなんですね」
「あの馬車、辺境で持っているのは、神殿と、辺境の三大貴族である侯爵家と伯爵家だけですよ」
「まさか、伯爵家から借りたのかな」
伯爵家の長女は、アーサーの義兄リブロと同級生である。学校でもそれなりに話をしているようなことをリブロが自慢していた。
「王都への移動に使うということで、神殿所有の馬車を二台、貸出しました」
「義兄上に、そんな知恵があるなんて」
「別の貴族ですよ。神殿所有なので、盗難にあった時のため、位置がわかるような魔法が施されています。すぐにわかりますよ」
「………」
アーサー、少し、考え込んだ。情報を整理してるんだな。俺はもう、まとまっているけど、黙っていた。
「実は、フーリード様、義兄上のご友人から、こんな請求書を貰ったんです」
考えがまとまったアーサーは、いい子の顔をして、リブロの友人家族の悪行をフーリードに告げ口した。
請求書を受け取ったフーリードは、笑みを深めた。
「彼らの到着は、明日になるように、足止めしましょう。アーサー、もう一日、遊んで来なさい」
「何かあったのですか?」
「アーサーが気にすることはないですよ。大人の仕事です。子どもは、遊んでいなさい」
「わかりました」
アーサーは笑顔でフーリードを見送ってから、与えられた部屋に戻った。
「リブロ、ざまあみろ」
部屋に戻るなり、俺に抱きついて、アーサーは悪い顔で呟いた。
王都の出店は、ともかく、多い。初日では回り切れなかった出店を見回るアーサー。
「アーシャ、ほら、手」
「はい」
油断すると、アーサーはあっちこっちとふらふらと行ってしまう。物珍しいから、ついつい、俺の手を離して、アーサーは先に進んでいくのだ。それを俺は慌てて、手を繋いで、と引き留めている。
「可愛い」
珍しく、アーサーが装飾品に足を止めた。
よくある出店の商品だ。安くて、平民でも手が届くような商品である。その中で、安っぽい指輪を手にするアーサー。
「キロン、ほら、可愛い!!」
「アーシャ、もっといいの、買ってやるよ」
「これがいい!!」
「そうか」
もっといい物だって、探せばあるというのに、アーサーは、子どもの玩具のような指輪を欲しがった。
「袋にいれますね」
「このままつけます」
もう、アーサーは指輪を指につけていた。あまりに喜ぶので、店主も嬉しかったのだろう。
「もう一つ、選んでいきな」
「いいんですか!! えーと、じゃあ、これ。これと迷ってました」
「他にもあるよ」
「昔、これと同じものが欲しかったんです。だけど、欲しいと言えなくて、諦めました。良かった、同じものがあって」
「それは良かった」
アーサーがおまけで貰った指輪も指に嵌めて、嬉しそうに眺めていた。
それからは、アーサー、もう、店を見てない。指についた指輪を眺めていた。
「そんな指輪、たくさん、買ってやるよ」
「一個でいいんです。どうせ、持って帰れませんし」
「持って帰ればいいだろう」
「持って帰って、盗られたら、悲しい。だったら、これを神殿に寄贈します。小さい子どもの手に渡ったほうが、遥かにマシです」
「………」
アーサーは昔欲しかったという玩具のような指輪を最初から手放すつもりで買ったのだ。
今はアーシャとして女の恰好をしている。しかし、領地に戻れば、男装する。アーサーは男として出生届を提出されている。子爵の爵位を受け継ぐために、男として育てられたのだ。こんな女の子が喜ぶような指輪を隠し持っているわけにはいかない。
「アーサー、だったら、男爵に預かってもらおう」
「悪いですよ、そんなの」
「いつか、女になって、領地を出るんだろう。領地を出たら、指輪を取り戻そう。男爵はいい奴だから、大事に預かってくれるよ」
「爵位、捨てちゃうのに、いいのかな」
「じいさんと男爵は違う。男爵は、爵位なんていらないって。それに、借金を返すんだ。筋は通してる」
「取り戻せなくても、また、買えばいいですよね。出店にあるということは、きっと、探せば、どこにでもあるということですよね」
「アーシャはさ、その指輪、どこで見たんだよ」
昔欲しかった、というのだから、アーサーはどこかで見たということだ。俺の記憶では、こんな指輪を見ることはなかった。
「たまたま、辺境の神殿に行商人が来ていて、子ども向けの玩具とかを広げていたんです。その時、見ました。母上が、珍しく、欲しいものを買ってくれる、と言ってくれたのですが、指輪が欲しいなんて言えませんでした。その時は、ないといって誤魔化しました」
「アーサー、こういうのに、興味ないのに、珍しいな」
「何故か、この指輪には強く惹かれました。同じ物ではないのに、どうしてかな」
俺と手を繋いで、指につけた指輪を眺めるアーサー。周りなんか見てない。俺は、わざと、握る手を変えた。
「キロン?」
「あんまり指輪を見てると、嫉妬する」
「キロンが買ってくれたものですよ」
「アーサーが欲しいというものなら、何だって」
「本当に欲しいものは、くれないくせに」
アーサーは人の目があるというのに、女の顔になって、腹を撫でた。
「そ、それは、ほら、アーシャはまだ、体の準備が出来てないから」
「裏切ったら、絶対に許さないんだから」
油断すると、アーサーは気狂いを表に出てくる。知り合いがいない、俺が隣りにいるから、アーサーは嫉妬で顔を歪める。
「アーシャ、俺はアーシャ一筋だ」
「わかっていますか。ここで歩いているだけで、女の人はほとんど、キロンを振り返るのですよ」
「そんなの、知らない。勝手に見てるだけだ」
「私には、キロンを縛り付ける魅力がありません」
アーサーは平たい胸に触れて俯く。胸が膨らまないこと、アーサーはともかく気にしている。そんなの、飾りみたいなものだってのに。
「世界中探しても、アーシャは一人だ。どんな物も代わりにならない。俺だけは、ずっと、アーシャの側から離れない」
「私、本当は、物凄く性格が悪いんです」
「………」
いや、むちゃくちゃ性格いいよ。悪いと言ってるけど、それ、可愛いから。
アーサーは、俺の返事とか、そんなもの期待していない。むしろ、聞いてもいないな。
「嫉妬深いし、独占欲がすごいし、すぐにキロンのことを疑う。こんな女、イヤでしょう」
「え、俺は嬉しいけど」
「どこが!!」
「嫉妬して、俺を独占したいと思ってくれて、嬉しい。疑うのは、仕方がない。俺が悪い。アーシャが生まれるよりも昔のことだ、と言ったって、アーシャが気にするんだから、俺が悪いんだ。アーシャが疑って、怒っていいんだ。それだけ、俺のことを好きなんだから、嬉しい」
「キロン、その、さっき、お金を出して部屋で休憩する店がありました。話では聞いていましたが、王都には、普通にあるのですね」
王都を適当に歩いていたから、いかがわしい店が立ち並ぶ道に入ってしまっていた。アーサーは、恥ずかしそうに体をもだえさせて、上目遣いで俺を見上げてきた。
「キロンは、入ったことがありますか?」
「ない。けど、うん、やめよう」
「やっぱり、キロンは、私のことなんか」
「いやいや、そうじゃない」
泣きそうなアーサーを抱きしめて、周囲を見回す。ここは、王都で、アーサーの祖父ウラーノの支配が及ぶ場所である。
こんないかがわしい場所だというのに、馬車がやってきたよ。見覚えがある。
馬車は、俺とアーサーの側にぴたりと停まった。
「貴様、何も知らないアーシャにいかがわしいことをするつもりか!!」
そして、馬車から出てきたのは、アーサーの祖父ウラーノである。
アーサーはウラーノが、わざわざ馬車でやってきたことに、呆れた。
「お祖父様、まさか、ここ一帯に、監視を置いたのですか」
「アーシャ、こんな男の側にいるんじゃない。さあ、馬車に乗って」
「私がここにキロンを連れ込んだんです」
「あ、アーシャ、そんなはしたないこと、この妖精憑きに言わされてるんだな」
すごいな。アーサーが言ったことをここまで捻じ曲げるなんて。ウラーノ、傲慢な神の祝福を受けていないというのに、アーサーの耳を塞ぎたくなる言葉を捻じ曲げてるよ。
「こんな所に監視を置くなんて、何やってるんですか!!」
「全ては、アーシャのためだ。もう、この男の側から離れなさい」
「イヤです!! キロンから離れろなんて、そんなこというお祖父様、大っ嫌いです」
「だ、大っ嫌いって、また、そんなこと言わされて」
「大っ嫌い!!」
「こ、この、妖精憑きめ」
「キロン、もう、さっさと適当な店に入りましょう」
「許さん!! いいか、ワシの孫娘を入れた店は、ワシが潰してやる!!!」
大変なことになった。野次馬で見ていた者たちは、ウラーノの脅しに逃げ出した。きっと、あの中には、様子見に来た店員とかがいるな。
「なんてことするんですか!! これでは、私は王都の観光が出来ないじゃないですよ!!!」
「ワシと一緒なら、どこだって行けるぞ。ほら、一緒に行こう」
「イヤです!! 王都まで来て、お祖父様と一緒だなんて、どんな嫌がらせですか」
「い、嫌がらせって………なんじゃ、その安物の指輪は!! アーシャの指には、もっと高価ものを贈らんかい!!!」
「私が欲しいと言って、買ってもらったものです!!!」
「こーんな安物で満足させられるなんて、可哀想に。やはり、お前はワシと一緒に王都に残りなさい。もう、辺境には戻るんじゃない」
「何をわけのわからないこと言ってるんですか!! お祖父様が私を辺境に置き去りにしたんでしょう!!!」
「そ、それは、そうなんじゃが、今は、反省して」
「反省? お祖父様、悪いことしたのですか? 商人として、正しいことをしただけでしょう。その結果が私です。反省するだなんて、言わないでください。私は失敗作じゃない」
「わ、ワシが悪かった!!」
「悪くありません。私は失敗作じゃありません」
「もうやめよう!! アーシャ、屋敷に行こう。疲れただろう」
「キロンがそういうなら」
もう、延々と交わらない会話は無意味なので、俺が間に入って止めた。アーサー、俺がいうから、と渋々、引き下がった。
対するアーサーの祖父ウラーノは、アーサーの容赦のない言葉に落ち込んでいた。アーサー、怒らせると、えげつないからな。
「ほら、馬車に乗って」
「お祖父様と同乗したくない」
またも、ウラーノを言葉で叩きのめすアーサー。もう、ウラーノ、立てないよ。
「俺も一緒に乗るから」
「キロンと御者台に乗ります。ほら、キロンが操って。お祖父様は、御者と一緒に、馬車に乗ってください」
どっちが主人かわからないな。御者はアーサーに言われるままに御者台から下りて、アーサーの言葉で打ちのめされた主人であるウラーノを立たせて、一緒に馬車に乗った。
三日目だけは、アーサー、男爵家の屋敷に泊まった。見るからに、ウラーノが落ち込んで、ベッドで寝込んでしまったのだ。それには、アーサーも、言い過ぎたと感じたらしく、一晩、ウラーノの側で看病した。
そのお陰か、翌日にはウラーノ、元気になっていた。
「もう、行くのか」
「父上たちが、王都に入ったと伝達がありましたので」
辺境から馬車で移動していたアーサーの家族たちが王都に入ったのだ。きっと、王都の神殿に世話になっている、という伝言をネロたちは受け取って、そのまま、神殿に来るはずである。その場に、アーサーが出迎えないといけないのだ。
「お祖父様、元気になりましたか?」
「まだ、少し頭が痛いような」
「明日の舞踏会は欠席ですね。私は舞踏会が終わったら、辺境に帰るのですが、体調が悪いのなら、仕方がありませんね。お祖父様、体には気をつけてください」
「調子がよくなった!! 明日は、挨拶に来なさい。待っているぞ」
「そうですか」
看病してもらおうとしても、アーサーはそんな手には乗らない。
男爵家の馬車で神殿まで送ってもらって、アーサーが神殿の前に立てば、それの入れ違いに、アーサーの家族であるネロとリサ親子が乗った馬車が神殿の前で停まった。
「やっと来たか」
アーサーは酷薄に笑った。これから、詰まらない見世物が始まる。
手紙の配達が終わって、俺はアーシャが眠る禁則地に戻るところだった。ふと、何かに呼ばれたような気がして、俺は気まぐれに向かった。
そこは、元は領主代行の屋敷が立っていた敷地だ。一年前、リサ親子によって、領主代行一族が虐殺されたのだ。あまりの惨状に、屋敷を燃やすしかなかったのだ。
俺は実際に見たが、酷いものだった。領主代行は先祖が子爵であったため、屋敷も貴族なみに立派なものだった。そこに、一族が暮らしていたのだ。領主代行の仕事って、一人で回せるものではない。跡継ぎもいたが、どうしても、知恵を借りることが必要となるので、一族で暮らして、助け合っていたのだ。そのせいで、リサ親子の凶行を一方的に受けることとなったのだ。
老人も、大人も、子どもも、赤ん坊まで、虐殺されたのだ。
こんなことが可能となったのは、田舎特有のことだ。王都のように住居は密接していない。どの家も、遠く離れている。領主代行の屋敷一帯は、領主代行の持ち物であるので、ご近所なんてはるか彼方なのだ。
だけど、一番、子爵家の屋敷に近いのが、領主代行の屋敷である。何事かあると、領主代行は子爵に呼び出されるので、それなりに近い位置に屋敷を構えていた。だから、リブロとエリザが、凶行に参加したのだ。
そして、その日、領主代行一族が口にした料理には、睡眠薬が混ざっていたのだ。そのため、虐殺された者たちはほとんど、抵抗しなかった。泣いて叫んだのは、薬を盛られなかった赤ん坊くらいである。
薬の出所については、わからずじまいとなった。何せ、子爵の屋敷は筆頭魔法使いティーレットが消し炭にしてしまった。同じく、凶行の現場となった領主代行の屋敷も、あまりの惨状に、燃やすしかなかったのだ。
薬が盛られた、とわかったのは、現場検証をしたティーレットが魔法で調べたからだ。リサが凶行に及んだのだから、リサが薬を盛ったということとなった。薬の出所については、別邸から秘密の通路で逃げ出せるリブロとエリザが、本邸から持ち出したのではないか、という見解となった。本邸にも秘密の通路があることをアーサーの父ネロが白状したのだ。その本邸は消し炭になってしまったので、予想なんだけど、そうとしか言えないだろう。
リサは強く否定したけど。同じものを食べて、リサだけ起きていただけだという。そりゃそうだろう。リサが犯罪奴隷となる時、毒などで殺されないように、そういう封じも施されたのだ。睡眠薬は、リサには効果がない。だから、あえて、リサは一族全員が食べる食べ物に入れたのだろう、と言われたのだ。
本当のことは、わからない。人払いをして、しばらく、屋敷の跡地を眺めていた。人の手が入っていないから、あちこち、雑草が酷かった。
その中で、一部、妖精が何かしていた。俺は気になって、そこに行ってみると、妖精が穴掘りした後だった。
厳重に防水された封書が掘り返されていた。
何の目印もない場所だ。屋敷の外のどこかだろう。そんな所に、曰くありそうな封書が埋められていたのだ。俺は迷ったが、それを拾って、丁寧に広げた。
文字は、亡くなった領主代行のものだった。
「ネロたちがくるのは、明日だろうな」
「今日、来たりして。ほら、荷物、私が持ってるから」
「金ぐらいあるだろう」
「金も私が持っていますね。さて、義兄上のお友達は、お金を貸してくれるのでしょうか」
「………」
ネロたち、本当にバカだな!! 金までアーサーにまかせたのだ。
きっと、ネロたちはアーサーのことを財布扱いするつもりだったのだ。下手に金を持っていると、無駄遣いが出来ない。だったら、アーサーに金を任せて、人の目があるところで散財するつもりだったのだ。さすがに、人目があるところで、アーサーも出し渋ることはない、と考えたんだな。
出し渋るけどな。アーサー、ここぞという時は借金を理由に、却下する。返品だってさせる。そういう時は、妖精憑きである俺を利用する。妖精憑きに悪さすると、妖精の復讐を受けることになるから、だいたいの商人は二つ返事で応じてくれる。
辺境からの移動には三日かかるといっても、休みなく移動していれば、今日にでも到着するだろう。
そんなくだらない話をしながら、朝食を済ませて、俺たちは部屋に戻ろうと席を立ったところで、フーリードに声をかけられた。
「アーサー、すっかり顔色がよくなりましたね」
「ご心配おかけしました。熱って、かなり辛いものなんですね。初めての経験なので、驚きました」
「無理しすぎです。アーサーは、まだ子どもなんです。もっと、大人を頼りなさい」
「そうですね」
頼りになる大人が身近にいないからなー。フーリードは頼ってほしいのだが、アーサーは頼る気はない。それを言葉の裏から読み取って、フーリードは寂しそうに笑った。
「父上たちは、今、どこにいるのか、わかればいいですけど」
「わかりますよ」
「そうなんですか!!」
アーサーは驚いて、とんでもない声をあげた。出してから、アーサーは慌てて口を両手で塞いだ。
「失礼しました」
「そんなことで叱ったりしませんよ。声が出てしまうのは、仕方がないことですから」
「どうやって、わかるのですか?」
「確か、魔道具の馬車で行ったのですよね」
「そうです。あんな馬車、神殿で見たことがあります。個人所有なんて、すごい金持ちなんですね」
「あの馬車、辺境で持っているのは、神殿と、辺境の三大貴族である侯爵家と伯爵家だけですよ」
「まさか、伯爵家から借りたのかな」
伯爵家の長女は、アーサーの義兄リブロと同級生である。学校でもそれなりに話をしているようなことをリブロが自慢していた。
「王都への移動に使うということで、神殿所有の馬車を二台、貸出しました」
「義兄上に、そんな知恵があるなんて」
「別の貴族ですよ。神殿所有なので、盗難にあった時のため、位置がわかるような魔法が施されています。すぐにわかりますよ」
「………」
アーサー、少し、考え込んだ。情報を整理してるんだな。俺はもう、まとまっているけど、黙っていた。
「実は、フーリード様、義兄上のご友人から、こんな請求書を貰ったんです」
考えがまとまったアーサーは、いい子の顔をして、リブロの友人家族の悪行をフーリードに告げ口した。
請求書を受け取ったフーリードは、笑みを深めた。
「彼らの到着は、明日になるように、足止めしましょう。アーサー、もう一日、遊んで来なさい」
「何かあったのですか?」
「アーサーが気にすることはないですよ。大人の仕事です。子どもは、遊んでいなさい」
「わかりました」
アーサーは笑顔でフーリードを見送ってから、与えられた部屋に戻った。
「リブロ、ざまあみろ」
部屋に戻るなり、俺に抱きついて、アーサーは悪い顔で呟いた。
王都の出店は、ともかく、多い。初日では回り切れなかった出店を見回るアーサー。
「アーシャ、ほら、手」
「はい」
油断すると、アーサーはあっちこっちとふらふらと行ってしまう。物珍しいから、ついつい、俺の手を離して、アーサーは先に進んでいくのだ。それを俺は慌てて、手を繋いで、と引き留めている。
「可愛い」
珍しく、アーサーが装飾品に足を止めた。
よくある出店の商品だ。安くて、平民でも手が届くような商品である。その中で、安っぽい指輪を手にするアーサー。
「キロン、ほら、可愛い!!」
「アーシャ、もっといいの、買ってやるよ」
「これがいい!!」
「そうか」
もっといい物だって、探せばあるというのに、アーサーは、子どもの玩具のような指輪を欲しがった。
「袋にいれますね」
「このままつけます」
もう、アーサーは指輪を指につけていた。あまりに喜ぶので、店主も嬉しかったのだろう。
「もう一つ、選んでいきな」
「いいんですか!! えーと、じゃあ、これ。これと迷ってました」
「他にもあるよ」
「昔、これと同じものが欲しかったんです。だけど、欲しいと言えなくて、諦めました。良かった、同じものがあって」
「それは良かった」
アーサーがおまけで貰った指輪も指に嵌めて、嬉しそうに眺めていた。
それからは、アーサー、もう、店を見てない。指についた指輪を眺めていた。
「そんな指輪、たくさん、買ってやるよ」
「一個でいいんです。どうせ、持って帰れませんし」
「持って帰ればいいだろう」
「持って帰って、盗られたら、悲しい。だったら、これを神殿に寄贈します。小さい子どもの手に渡ったほうが、遥かにマシです」
「………」
アーサーは昔欲しかったという玩具のような指輪を最初から手放すつもりで買ったのだ。
今はアーシャとして女の恰好をしている。しかし、領地に戻れば、男装する。アーサーは男として出生届を提出されている。子爵の爵位を受け継ぐために、男として育てられたのだ。こんな女の子が喜ぶような指輪を隠し持っているわけにはいかない。
「アーサー、だったら、男爵に預かってもらおう」
「悪いですよ、そんなの」
「いつか、女になって、領地を出るんだろう。領地を出たら、指輪を取り戻そう。男爵はいい奴だから、大事に預かってくれるよ」
「爵位、捨てちゃうのに、いいのかな」
「じいさんと男爵は違う。男爵は、爵位なんていらないって。それに、借金を返すんだ。筋は通してる」
「取り戻せなくても、また、買えばいいですよね。出店にあるということは、きっと、探せば、どこにでもあるということですよね」
「アーシャはさ、その指輪、どこで見たんだよ」
昔欲しかった、というのだから、アーサーはどこかで見たということだ。俺の記憶では、こんな指輪を見ることはなかった。
「たまたま、辺境の神殿に行商人が来ていて、子ども向けの玩具とかを広げていたんです。その時、見ました。母上が、珍しく、欲しいものを買ってくれる、と言ってくれたのですが、指輪が欲しいなんて言えませんでした。その時は、ないといって誤魔化しました」
「アーサー、こういうのに、興味ないのに、珍しいな」
「何故か、この指輪には強く惹かれました。同じ物ではないのに、どうしてかな」
俺と手を繋いで、指につけた指輪を眺めるアーサー。周りなんか見てない。俺は、わざと、握る手を変えた。
「キロン?」
「あんまり指輪を見てると、嫉妬する」
「キロンが買ってくれたものですよ」
「アーサーが欲しいというものなら、何だって」
「本当に欲しいものは、くれないくせに」
アーサーは人の目があるというのに、女の顔になって、腹を撫でた。
「そ、それは、ほら、アーシャはまだ、体の準備が出来てないから」
「裏切ったら、絶対に許さないんだから」
油断すると、アーサーは気狂いを表に出てくる。知り合いがいない、俺が隣りにいるから、アーサーは嫉妬で顔を歪める。
「アーシャ、俺はアーシャ一筋だ」
「わかっていますか。ここで歩いているだけで、女の人はほとんど、キロンを振り返るのですよ」
「そんなの、知らない。勝手に見てるだけだ」
「私には、キロンを縛り付ける魅力がありません」
アーサーは平たい胸に触れて俯く。胸が膨らまないこと、アーサーはともかく気にしている。そんなの、飾りみたいなものだってのに。
「世界中探しても、アーシャは一人だ。どんな物も代わりにならない。俺だけは、ずっと、アーシャの側から離れない」
「私、本当は、物凄く性格が悪いんです」
「………」
いや、むちゃくちゃ性格いいよ。悪いと言ってるけど、それ、可愛いから。
アーサーは、俺の返事とか、そんなもの期待していない。むしろ、聞いてもいないな。
「嫉妬深いし、独占欲がすごいし、すぐにキロンのことを疑う。こんな女、イヤでしょう」
「え、俺は嬉しいけど」
「どこが!!」
「嫉妬して、俺を独占したいと思ってくれて、嬉しい。疑うのは、仕方がない。俺が悪い。アーシャが生まれるよりも昔のことだ、と言ったって、アーシャが気にするんだから、俺が悪いんだ。アーシャが疑って、怒っていいんだ。それだけ、俺のことを好きなんだから、嬉しい」
「キロン、その、さっき、お金を出して部屋で休憩する店がありました。話では聞いていましたが、王都には、普通にあるのですね」
王都を適当に歩いていたから、いかがわしい店が立ち並ぶ道に入ってしまっていた。アーサーは、恥ずかしそうに体をもだえさせて、上目遣いで俺を見上げてきた。
「キロンは、入ったことがありますか?」
「ない。けど、うん、やめよう」
「やっぱり、キロンは、私のことなんか」
「いやいや、そうじゃない」
泣きそうなアーサーを抱きしめて、周囲を見回す。ここは、王都で、アーサーの祖父ウラーノの支配が及ぶ場所である。
こんないかがわしい場所だというのに、馬車がやってきたよ。見覚えがある。
馬車は、俺とアーサーの側にぴたりと停まった。
「貴様、何も知らないアーシャにいかがわしいことをするつもりか!!」
そして、馬車から出てきたのは、アーサーの祖父ウラーノである。
アーサーはウラーノが、わざわざ馬車でやってきたことに、呆れた。
「お祖父様、まさか、ここ一帯に、監視を置いたのですか」
「アーシャ、こんな男の側にいるんじゃない。さあ、馬車に乗って」
「私がここにキロンを連れ込んだんです」
「あ、アーシャ、そんなはしたないこと、この妖精憑きに言わされてるんだな」
すごいな。アーサーが言ったことをここまで捻じ曲げるなんて。ウラーノ、傲慢な神の祝福を受けていないというのに、アーサーの耳を塞ぎたくなる言葉を捻じ曲げてるよ。
「こんな所に監視を置くなんて、何やってるんですか!!」
「全ては、アーシャのためだ。もう、この男の側から離れなさい」
「イヤです!! キロンから離れろなんて、そんなこというお祖父様、大っ嫌いです」
「だ、大っ嫌いって、また、そんなこと言わされて」
「大っ嫌い!!」
「こ、この、妖精憑きめ」
「キロン、もう、さっさと適当な店に入りましょう」
「許さん!! いいか、ワシの孫娘を入れた店は、ワシが潰してやる!!!」
大変なことになった。野次馬で見ていた者たちは、ウラーノの脅しに逃げ出した。きっと、あの中には、様子見に来た店員とかがいるな。
「なんてことするんですか!! これでは、私は王都の観光が出来ないじゃないですよ!!!」
「ワシと一緒なら、どこだって行けるぞ。ほら、一緒に行こう」
「イヤです!! 王都まで来て、お祖父様と一緒だなんて、どんな嫌がらせですか」
「い、嫌がらせって………なんじゃ、その安物の指輪は!! アーシャの指には、もっと高価ものを贈らんかい!!!」
「私が欲しいと言って、買ってもらったものです!!!」
「こーんな安物で満足させられるなんて、可哀想に。やはり、お前はワシと一緒に王都に残りなさい。もう、辺境には戻るんじゃない」
「何をわけのわからないこと言ってるんですか!! お祖父様が私を辺境に置き去りにしたんでしょう!!!」
「そ、それは、そうなんじゃが、今は、反省して」
「反省? お祖父様、悪いことしたのですか? 商人として、正しいことをしただけでしょう。その結果が私です。反省するだなんて、言わないでください。私は失敗作じゃない」
「わ、ワシが悪かった!!」
「悪くありません。私は失敗作じゃありません」
「もうやめよう!! アーシャ、屋敷に行こう。疲れただろう」
「キロンがそういうなら」
もう、延々と交わらない会話は無意味なので、俺が間に入って止めた。アーサー、俺がいうから、と渋々、引き下がった。
対するアーサーの祖父ウラーノは、アーサーの容赦のない言葉に落ち込んでいた。アーサー、怒らせると、えげつないからな。
「ほら、馬車に乗って」
「お祖父様と同乗したくない」
またも、ウラーノを言葉で叩きのめすアーサー。もう、ウラーノ、立てないよ。
「俺も一緒に乗るから」
「キロンと御者台に乗ります。ほら、キロンが操って。お祖父様は、御者と一緒に、馬車に乗ってください」
どっちが主人かわからないな。御者はアーサーに言われるままに御者台から下りて、アーサーの言葉で打ちのめされた主人であるウラーノを立たせて、一緒に馬車に乗った。
三日目だけは、アーサー、男爵家の屋敷に泊まった。見るからに、ウラーノが落ち込んで、ベッドで寝込んでしまったのだ。それには、アーサーも、言い過ぎたと感じたらしく、一晩、ウラーノの側で看病した。
そのお陰か、翌日にはウラーノ、元気になっていた。
「もう、行くのか」
「父上たちが、王都に入ったと伝達がありましたので」
辺境から馬車で移動していたアーサーの家族たちが王都に入ったのだ。きっと、王都の神殿に世話になっている、という伝言をネロたちは受け取って、そのまま、神殿に来るはずである。その場に、アーサーが出迎えないといけないのだ。
「お祖父様、元気になりましたか?」
「まだ、少し頭が痛いような」
「明日の舞踏会は欠席ですね。私は舞踏会が終わったら、辺境に帰るのですが、体調が悪いのなら、仕方がありませんね。お祖父様、体には気をつけてください」
「調子がよくなった!! 明日は、挨拶に来なさい。待っているぞ」
「そうですか」
看病してもらおうとしても、アーサーはそんな手には乗らない。
男爵家の馬車で神殿まで送ってもらって、アーサーが神殿の前に立てば、それの入れ違いに、アーサーの家族であるネロとリサ親子が乗った馬車が神殿の前で停まった。
「やっと来たか」
アーサーは酷薄に笑った。これから、詰まらない見世物が始まる。
手紙の配達が終わって、俺はアーシャが眠る禁則地に戻るところだった。ふと、何かに呼ばれたような気がして、俺は気まぐれに向かった。
そこは、元は領主代行の屋敷が立っていた敷地だ。一年前、リサ親子によって、領主代行一族が虐殺されたのだ。あまりの惨状に、屋敷を燃やすしかなかったのだ。
俺は実際に見たが、酷いものだった。領主代行は先祖が子爵であったため、屋敷も貴族なみに立派なものだった。そこに、一族が暮らしていたのだ。領主代行の仕事って、一人で回せるものではない。跡継ぎもいたが、どうしても、知恵を借りることが必要となるので、一族で暮らして、助け合っていたのだ。そのせいで、リサ親子の凶行を一方的に受けることとなったのだ。
老人も、大人も、子どもも、赤ん坊まで、虐殺されたのだ。
こんなことが可能となったのは、田舎特有のことだ。王都のように住居は密接していない。どの家も、遠く離れている。領主代行の屋敷一帯は、領主代行の持ち物であるので、ご近所なんてはるか彼方なのだ。
だけど、一番、子爵家の屋敷に近いのが、領主代行の屋敷である。何事かあると、領主代行は子爵に呼び出されるので、それなりに近い位置に屋敷を構えていた。だから、リブロとエリザが、凶行に参加したのだ。
そして、その日、領主代行一族が口にした料理には、睡眠薬が混ざっていたのだ。そのため、虐殺された者たちはほとんど、抵抗しなかった。泣いて叫んだのは、薬を盛られなかった赤ん坊くらいである。
薬の出所については、わからずじまいとなった。何せ、子爵の屋敷は筆頭魔法使いティーレットが消し炭にしてしまった。同じく、凶行の現場となった領主代行の屋敷も、あまりの惨状に、燃やすしかなかったのだ。
薬が盛られた、とわかったのは、現場検証をしたティーレットが魔法で調べたからだ。リサが凶行に及んだのだから、リサが薬を盛ったということとなった。薬の出所については、別邸から秘密の通路で逃げ出せるリブロとエリザが、本邸から持ち出したのではないか、という見解となった。本邸にも秘密の通路があることをアーサーの父ネロが白状したのだ。その本邸は消し炭になってしまったので、予想なんだけど、そうとしか言えないだろう。
リサは強く否定したけど。同じものを食べて、リサだけ起きていただけだという。そりゃそうだろう。リサが犯罪奴隷となる時、毒などで殺されないように、そういう封じも施されたのだ。睡眠薬は、リサには効果がない。だから、あえて、リサは一族全員が食べる食べ物に入れたのだろう、と言われたのだ。
本当のことは、わからない。人払いをして、しばらく、屋敷の跡地を眺めていた。人の手が入っていないから、あちこち、雑草が酷かった。
その中で、一部、妖精が何かしていた。俺は気になって、そこに行ってみると、妖精が穴掘りした後だった。
厳重に防水された封書が掘り返されていた。
何の目印もない場所だ。屋敷の外のどこかだろう。そんな所に、曰くありそうな封書が埋められていたのだ。俺は迷ったが、それを拾って、丁寧に広げた。
文字は、亡くなった領主代行のものだった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜
ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。
死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。
英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜
駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。
しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった───
そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。
前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける!
完結まで毎日投稿!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる