妖精の支配者

shishamo346

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情報を操作する力

小さい恨み事

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 中央都市の貧民街の支配者であった男が頑張って声をあげたって、味方となる手勢はこない。それどころか、俺の前に跪く奴らがこの広間に集まっただけである。
「ロイド様、掃除、終わりました」
「長く、潜伏させて、悪かったな。他の貧民街に潜ませてる奴らも、引き上げさせろ」
「はっ」
 助け出された侯爵は、俺と貧民たちのやり取りを呆然と見ていた。
 サリーはというと、玉座に座る俺の膝にちょこんと座って、甘えていた。それを見たリリーベルが嫉妬の目を向ける。
「ロイド様、アタシ、きちんと命令通り動いたというのに、ご褒美はないのですか!?」
「あー、あれか。お前の初めての相手を俺がするってやつな。却下に決まってるだろう。俺は別に、男が好きなわけじゃない」
「そんなぁ!!」
 気持ち悪い品を作って叫ぶリリーベル。見た目はいかつい男だってのに、中身は乙女なんだよな。
「リリーベルは相変わらずだな」
「ルキエル様、お久しぶりです!!」
 苦笑する次兄ルキエルに、リリーベルだけでなく、俺の前に跪いてる奴ら全て、ひれ伏しちゃってるよ。あっれー、俺よりも次兄ルキエルのほうが恐れ多い存在になってるよ。
「これは一体、どういうことだ!?」
 わけがわからなくなっている侯爵は、状況を理解したくて、俺に詰め寄った。
「近い! 俺は別に男が好きなわけではない」
「誤魔化すな!!」
「俺だって、それなりの手勢は持っているんだよ。これもまた、ルキエル兄の真似事だ」
 俺はつねに、次兄の真似事をしているだけだ。
 次兄がどこの誰かわからない子どもの貧民を拾って育てた。それを見て、俺も真似したんだ。ただ、次兄が拾った貧民ほど、出来が良くなかった。仕方がないので、数で誤魔化したのだ。
 そして出来たのが、目の前でひれ伏す俺だけに忠実に従う手勢である。
「世の中、何が起こるかわからんから、俺の手勢を各地の貧民街に忍ばせてたんだよ。ここは、リリーベルの管轄だな」
「もう、むさくるしい男ばっかりで、可愛い恰好も出来ないから、大変だったわ!!」
「今日から、好きな恰好していいぞ」
「やったー!!」
 気持ち悪い品を作って喜ぶリリーベル。これで見た目が良ければいいんだがなー。腕っぷしが化け物で、だけど、心は乙女だから、色々と大変なんだ。
 そういう話を簡単に説明すると、侯爵、呆れた。
「そんな気の長くなるようなことをさせたのか」
「俺が王都を追い出された後、兄貴のことが心配だったからな」
 別に、俺は俺のために、各地の貧民街に手下を忍ばせていたわけではない。王都の貧民街の支配者となった兄ライホーンのためである。
 王都の貧民街では、ライホーンに悪さをする奴らはいない。だが、外はそうではない。いつか、外の勢力がライホーンを支配者から引きずり落とすために動き出すだろう。そうならないように、俺は情報を集めていたにすぎない。
 なのに、俺は中央都市の貧民街の支配者の場を強奪することとなるとは。仕方がない。向かってきたんだ。倒すしかない。
「いやー、しっかし、妖精の目を発動させるだけで、妖精を狂わせる香の影響を受けるって、とんだ欠陥品だな」
 心底、そう思う。これ、実用化するには、課題が残るな。
 次兄ルキエルは、じっと俺の目を見下ろした。
「そこまで、俺の真似事しなくていいだろう」
 そう言って、ルキエルは目隠しをずらして、素顔を晒す。
 すごく綺麗になった次兄ルキエル。そんな美貌を崩すように、片目だけ、おかしい。
「片目が妖精の目になったって、話では聞いてたけど、本当なんだ」
 最初はわからなかったが、今では、ただの人の目でもわかるほど、ルキエルの片目はおかしかった。
 すぐに、ルキエルは素顔を隠した。俺にだけ見せただけだ。俺の手下どもは、見ようとちょっと顔をあげたけど、ルキエルが背中を向けていたので、見ることはなかった。見たって、後が大変なだけだけどな。
 俺は苦笑する。
「いや、ルキエル兄の真似じゃないんだ。色々と、事情があって、こうなった。そういうルキエル兄は、どうして、ここにいるんだ?」
 俺の記憶では、ルキエルは、海の貧民街で引きこもっている、という話だ。忍ばせた手勢からも、そう報告を受けていた。
 ルキエルは手に持っていた道具をぽんと俺に渡す。
「直していた道具の状態を見てたら、ここに飛んでいた。あれだ、妖精の悪戯だ」
「そういうことか」
 本当に、たまたま、偶然である。
 野良の妖精が、俺の危険を察知して、助けを呼んだのだ。それが、次兄ルキエルである。たまたま、ルキエルが道具を持っていたから、野良の妖精が発動させ、ここに転移させたのだ。
「それで、どうするんだ? お前も支配者になるのか?」
「うーん、そんなつもりなかったんだけどなー。俺、そういうのに向いてないし」
「そんなことないだろう。誰よりも、親父の才能受け継いでるのは、お前だよ」
「買いかぶり過ぎだ」
 兄なりに、俺を高く評価しているだけだ。俺だって、それなりに能力を見て、考えている。俺には、支配者は向いていない。
 かといって、そのまま放置、というわけにはいかないのだ。
「しばらくは、リリーベルたちで取り仕切ってくれ。俺は、男爵のトコに行ってるよ」
「ロイド様、待ってます!!」
 なーんか、リリーベルの言い方、引っかかるんだよなー。悪い奴じゃないんだど。
 サリーはというと、俺の膝から降りると、リリーベルと対峙する。
「負けません」
 どうやら、サリー、リリーベルを好敵手と認めたようだ。いやいや、お前もリリーベルも、俺にとっては、どうでもいい存在だよ。
 色々と混乱している侯爵を引っ張って、俺は兄ルキエルが修理したばかりの道具を発動させた。






 男爵家では大騒ぎとなっていた。ほら、俺が使っていた気難しい馬が傷だらけで戻ってきたのだ。すぐに情報を集めようと、男爵マイツナイトが動いていた。そこに、俺は道具を使って、サリーと侯爵、ついでに次兄ルキエルを連れて、男爵の邸宅の前に転移したのだ。
「な、どういうことだ!?」
「父上、すみません!!」
 混乱する男爵マイツナイトの前で土下座する侯爵。侯爵はこれまでのこと全て、包み隠さず話した。
 その間に、俺は無傷のサリーを男爵夫人アッシャーに引き取ってもらって、一息ついていた。
 男爵マイツナイトは、全ての事情を聞いて、改めて、次兄ルキエルの前に膝をついた。
「救っていただき、ありがとうございます。この感謝の気持ちを、どうやって、贈ればいいのやら」
「そんな、気にしなくていいって。ロイドだって、たまたま、あのお嬢さんを助けただけだろう。俺もそうだ。たまたまだ。それより、ちょっと、ロイドと話させてくれ。久しぶりの兄弟水入らずをしたい」
 色々と言いたいことがある男爵マイツナイトだが、次兄ルキエルに言われて、大人しく引き下がった。後で、俺が色々とマイツナイトに言われるんだな。
 ルキエルは、男爵の邸宅を改めて眺めていた。
「作りが、どっか似てるな」
「そうなんだよな。男爵なのに、伯爵並の持ち物だよ」
「そうじゃない」
「?」
 ルキエルの言いたいことが理解出来ない俺は、首を傾げるしかない。
 ルキエルは、屋敷のどこかに手を触れる。途端、なにかが動き出した。
「不活の邸宅型魔道具だよ、これ」
「まさかっ!?」
 俺は知識がないから、わからなかった。まず、生家が邸宅型魔道具であることも、俺は知らなかったのだ。
 知識と経験豊かな次兄ルキエルは、一目で、男爵の邸宅が邸宅型魔道具だと見破った。ただの家であったはずのそれは、ルキエルの力によって、魔道具として動き出したのだ。
「ロイド、結婚祝いだ」
「ちょっと待ってぇ!!」
 野良の妖精たちが、妙なことを言ったんだよ!! 俺は力いっぱい、否定しておく。
「俺はまだ、その、引きずってて」
「俺ももう、お前を守ってやれない。次は、お前が何かを守るんだ。いいな」
「けど、俺が守りたいのは、ルキエル兄だ」
 いつか、俺は次兄ルキエルを自由にしたくて、体を鍛えた。親父、化け物だったから、結局、勝てなかったけど。
 次兄ルキエルはつま先立ちになって、俺の頭を撫でる。
「俺、そんなに弱くないだろう。まだまだ、お前には負けないぞ。見ただろう」
「う、うん、けど、今度こそ、僕が守りたいんだ」
 この瞬間、俺は過去に戻った。自らを僕といい、次兄ルキエルに甘えていた残念な過去だ。
「だから、別のにしろ。俺はロイドに守ってもらうほど、弱くない。なのに、守ってやれなくて、突き放して、ごめんな。お前は、こうなるな。いいな」
「う、うん」
 仕方がなかった。そういうのは簡単だ。だけど、次兄ルキエルは、否定の言葉を望んでいない。
 望んでいるのは、俺の兄離れだ。
 ルキエルは俺をぎゅっと抱きしめた。
「ガキの喧嘩に親が出るのは恥ずかしいことだが、兄弟が出るのは許されるんだ。けど、それもこれが最後だ。元気でいろよ」
「もう、会えない?」
「お前な、もう二度と会うつもりなかったのに、妖精の悪戯で会えたんだぞ。それだけで満足しろ。それ以上は贅沢だ」
「我儘じゃないんだな」
「そうだ。だって、偶然に起こったことなんだからな」
 次兄ルキエルは、俺の手から道具を取り上げると、それを発動させた。瞬きしている間に、ルキエルは消えていなくなった。






 数日後、男爵マイツナイトから与えられた私室には、マイツナイトと歳の頃が近い男が膝をついて、転がされていた。
 俺は、まだまだ馴れない椅子に座っていた。そんな俺の膝には、定位置みたいにサリーが座っている。
「ロイド様、お連れしました」
「悪いね」
 俺の貧民時代からの部下は俺の軽い労いを聞いて、笑顔を見せる。ちょっと労っただけで喜ぶって、俺、どんな教育したんだろう?
 俺は身よりのない、苦しい生活をしている子どもの貧民を手あたり次第に集めて、育てたのだ。食うのも大変な子どもの貧民たちは、立派な大人になると、俺の命令なら何でもきいちゃう手下になっちゃったんだよなー。
 俺は別に、自由にどこにでも行っていい、と言ったんだよ。だけど、みんな、俺の側がいい、というから、仕方なく、色々と任務と称して、外に放り出したわけだ。
 そして、今、俺が臨時とはいえ、中央都市の貧民街の支配者となってしまったので、俺には無理だなー、ということで、手下を呼び戻したわけである。
 ついでに、侯爵家にいる裏切者を連れて来てもらった。
「今度、遊びに行くから。土産、何がいい?」
「ロイド様が来てくれるだけで嬉しいです!!」
「そ、そうなんだ」
 俺、一体、どういう育て方したんだろう? 普通にやったんだけどなー。
 そうして、俺の手下はいなくなって、代わりにやってきたのは、男爵マイツナイトと彼に従う家臣たちである。
「昔から、私の執事として使っていたこの男が裏切るとは」
 侯爵家の執事が裏切っていたのだ。
 侯爵の次に命令権を持っているのは、侯爵家の執事だ。でなきゃ、馬車や護衛の騎士の入れ替えなんて不可能である。
 侯爵家では、執事に命じられた通り、馬車と護衛の騎士たちは交代として戻っていたのだ。それを侯爵家の執事はしていない、なんて叫んで大騒ぎになったという。
「濡れ衣です!! その貧民が、権力欲しさに、やったことです!!!」
「まあ、支配者になっちゃったしな」
 否定は出来ない。結果がそうなんだ。
「けど、俺は情報をお嬢さんから吐き出させる必要なんてないんだよな。ほら、このまま俺がお嬢さんと結婚すれば、あの情報を操る力も手に入るってものだ」
「貴様のような薄汚い貧民が、お嬢様と結婚出来るわけがないだろう!? お嬢様もいい加減、目を覚ましてください。その男は、あなたのその力目当てで近づいたんですよ!!!」
「俺では才能ないからな。ほら、バカだから。だけど、特定の人間にしか扱えない力ってのは、意味がないんだよな。そいつが死んだら終わりだからな。それに、俺はそんなことしなくても、これがある」
 俺は妖精の目を発動する。途端、悪戯好きの野良の妖精はぽんぽんと顕現する。
 ただの人が妖精を見ることなど、一生に一度あるかないかである。それが、目の前で起こるのだ。誰も声を出せない。
『ロイドった、まだ、この男を生かしているの?』
『言ってくれれば、呪ってあげたのにぃ』
「え、マジ? だったら、すごい呪いやってほしいなー」
『どんなの?』
「妖精の呪いの刑、出来る?」
『やだ、そんな簡単な呪い? やってあげるわよ』
『僕がやりたい!!』
 視認化した妖精たちは、声までただの人に聞こえるという。
 無邪気に笑っていう野良の妖精たち。妖精たちにとっては、呪い、大したことがないのだ。
 しかし、妖精の呪いの刑って、人にとっては大したことである。何せ、この呪いが発動すると、一族郎党、滅ぼされるのだ。
 力ある妖精憑きでしか出来ないという妖精の呪いの刑は、現在、筆頭魔法使いハガルしか出来ないという。この呪い、まずは一個人が受けるのだ。罪状を決めて、呪いをかける。もし、無罪であれば、この呪いは発動しない。しかし、有罪であるならば、呪いは発動する。
 この呪いは、呪いを受けた者を含む一族郎党を滅ぼすものである。一個人が勝手にやったことといっても、一族は道連れにされるのだ。
 きゃっきゃ、うふふふ、と笑う野良の妖精たち。誰がやる、なんて話し合いしている。
「そんな脅しに屈するものか!? 貴様たち親子のせいで、ワシの人生は滅茶苦茶だ!!! 絶対に復讐してやる」
「一体、何の話だ?」
 この執事の恨みは、俺を含むらしい。全く、覚えがない。
 まあ、貧民として、悪どいことしたから、それかもな。軽く、そう考えた。
「お前たちはわかっていないのだろうな。ワシは侯爵家の執事として栄誉を受けたというのに、あの負け犬の小娘のせいで、ワシは男爵の執事に落ちてしまった」
 ギリギリと歯を噛みしめて、過去の恨み事を吐き出す執事。
 そっちかー。母サツキのせいで、侯爵家は一度、なくなったのだ。まあ、侯爵家の身内がやらかして、その煽りで爵位返上するしかなかったんだよな。
「けど、お袋のお陰で、また、爵位、戻ったんじゃないのか?」
 母サツキが霊体となって、侯爵家に悪戯して、その果てに、侯爵家の悪事を表沙汰にしたのだ。そのお陰で、マイツナイトは侯爵位をまた、取り戻したという。
 そういう裏話を俺は最近、男爵マイツナイトから聞いた。結果的には、元に戻ったんだから、別にいいだろう。
「一度は爵位返上したんだ。それを防げなかったワシは、役立たずと陰口をたたかれたものだ」
「誰に?」
「他家の者たちからだ!!」
「そんだけ?」
「貴様には、ワシの悔しさはわからん!!」
 むちゃくちゃちっちゃい理由で、俺は呆れた。
 ちょっと俺は幽体の母サツキを盗み見る。この場で母サツキを視認出来るのは俺だけだ。さすがに妖精も、サツキを視認化させない。
 サツキは、心底、呆れた顔をしていた。もっとすごい理由を想像してたんだろうな。大きな口を開けて、呆けている。
「ちっちゃい理由だな、笑える」
 とうとう、声にまで出しちゃったよ。本当に笑った。
 笑いはしないが、男爵マイツナイトと家臣たちは呆れている。
「笑うな!!」
「くっだんねぇ!! そんな理由で、裏切ったのか!? お前、きっちりマイツナイトから給金貰ってたんだろう。それなのに、裏切るとはな。大事な主人の娘の情報を洩らしたのか!!」
「あんな力、貴族にとって、恥ずかしいものだ。ないほうがいい」
「それを決めるのは、マイツナイトだ。お前じゃない」
「主人にためにやったことだ!!」
「それで、お嬢さんが死ぬことだってあるんだぞ!!」
「まだ、子はいる」
「話してもわからないか。なら、やるしかない。マイツナイト、マッケラを連れて来てくれ」
 俺につけられた若い執事マッケラを連れて来てもらった。
 マッケラ、何がどうなっているかわからず、中心で転がされる執事に驚いた。
「お祖父様、どうしたのですか!?」
 この執事とマッケラは、家族だ。マッケラは、周囲の空気が冷たいことに気づいた。だからといって、身内を見捨てるわけにはいかない。
 マッケラは執事に駆け寄って、俺を見上げる。
「お祖父様に、何をするつもりだ!?」
「お前は、まだ、立場とか、そういうのがわかってないな。失敗作だ。処分しろ」
「は?」
 呆然とするマッケラをマイツナイトの家臣の中から出てきた一人の男が、持っていた剣を振るった。
 胸を突き刺されるマッケラ。一瞬の出来事で、呆けていた。それも、剣を抜かれると、ぐらりとマッケラは倒れ、床を血染めにして、痙攣して震えた。
「な、いつの間に」
「そんなにぞろぞろと連れて来たら、忍ばせるなんて簡単だ。そういうのが得意な奴が一人いるんだよ。ご苦労」
 何も言わず、それは、そのまま気配を消して、すっと、また、家臣たちの中に紛れてしまう。家臣たち、どうにかそれを見つけようとするが、見つけられない。
「こ、こんなの、許されることではない!! ご主人様、孫をお助けください!!!」
 家族の情はあった。裏切者の執事は男爵マイツナイトに縋った。まだ、マッケラの息は残っていた。
「別にいいだろう。どうせ、妖精の呪いの刑で死ぬんだから。あれは苦しいという話だ。今、ここでトドメ刺したほうが楽だぞ」
「貴様に出来るはずがないだろう!! あれは、筆頭魔法使いでしか出来ない刑罰だ!!!」
「まずは、やってみよう。やってくれ」
『はーい』
 複数の妖精たちが裏切りもの執事を囲む。
 笑っている妖精たち。執事は恐怖に顔を歪めて、そんな妖精たちを見ていた。動くに動けないのだ。
 しばらくして、妖精たちは裏切者の執事から離れた。
『終わったよー』
『じゃあねー』
『ロイド、また夜ね』
 無邪気に笑う妖精は、ぽんと姿を消した。
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