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学校へ行こう
惚れた腫れた!!
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侯爵家の離れでゆっくりしていれば、ドアをノックされた。夜、部屋に訊ねてくる者など、限られている。だいたい、侯爵マキラオくらいだ。サリーは、一度、それをやって、家族総出で説教した。それ以来、サリーは大人しくなった。
しかし、今日の来客は、思ってもいない相手だった。
「えー、あんた、男爵の家にいるんじゃないのかよ」
来たのは、男爵マイツナイトだ。別に、侯爵の邸宅にいたって悪くはないんだ。ただ、男爵としての仕事だってあるのだから、離れた王都にいるのは、仕事の上では不便だろうに。
「お前と話してすぐ、戻るつもりで来たんだ」
「じゃあ、帰りは俺が送ってやるよ。一瞬だ、一瞬」
「助かる」
よほど大変な移動だったのだろう。珍しく、疲れた顔をしているマイツナイト。
俺はマイツナイトに水を出して、椅子を勧める。
「それで、何の話だ?」
「サリーのことだ。今回も、随分なことをしたと聞いた」
「気に入らなかったんだろうな」
サリーは表だって動くような女ではない。俺に関しては、表立つが、それ以外は無関心である。
二年の生徒会役員リコットのお家騒動なんて、サリーはどうでもいいだろう。だけど、今回、サリーはリコットの味方をした。
俺は改めて、マイツナイトに訊ねた。
「サリーはこれまで、誘拐されようが、暴漢に襲われようが、無傷だと聞いている。どうしてだ?」
俺が関わるまで、サリーは命に関わるような事も身の上に起こっているはずだ。あんな力もない貴族の小娘だが、見た目はいい。何もないはずがないのだ。
世の中には、年端もいかない小娘に色々としたい欲望を持つ悪い大人だって、たくさんいる。サリーのような子は、恰好の存在だ。サリーは、見るからに、無力で、世間知らずで、ちょっと頭が足りない感じだ。
だけど、サリーは無傷で救出されている。
「舞踏会でのサリーの口上は見事だっただろう」
「そうだな。妖精の力を使う俺でも、あんなこと、わからなかった」
舞踏会でのサリーの推論は見事だった。一見すると、リーゼは被害者である。果実水が入っていたグラスは割られ、リーゼが汚れているのだ。グラスが割れてしまっているが、その破片はリーゼとリコットの間にある。リコットがやったように見えただろう。
「グラスの割れ方を見れば、リーゼが壊したのは、俺はわかるが、皆がそうじゃないだろうな」
割れた時のグラスは、リーゼから投げないとおかしい割れ方をしていた。偶然だろう、なんて言われたら、どうしようもないが。
サリーは、誰もが認める推論を真実と証明したのだ。サリーは妖精の力をよく知っていたわけではない。現場を見て、不自然な部分を妖精の仕業と推理したのだ。試してみて、推論が正しい、とその場で証明出来た。そうやって、誰もが納得する説明をして、リコットを助けた。
「サリーを誘拐した者たちも、暴漢も皆、今は生きていない。サリーを保護する時は、全滅している」
「あんたの手勢がやったんじゃないのか?」
「同士うちだ。サリーは、口上だけで、仲間割れを起こし、最後、同士うちに持っていったんだ。サリーがそう、私に話した」
リコットのお家騒動など、サリーにとっては、大したことではない。命のやり取りを過去に幾度も行っているサリーには、児戯なのだ。
ぞっとした。俺はまだ、そういうものに巻き込まれていない。まず、俺がサリーの護衛となってから、そういうものは全て、未然に防いでいる。
たまたま、運が良かったとしか言いようがない。さすが、孤独の悪運を持つ女だ。敵もまた、破滅させてくれる。
「それで、何が言いたい」
「どうか、サリーの側に、もうしばらく、ついてほしい!!」
マイツナイトもわかっている。俺が逃げたがっていることを。だから、今、ここに来て、全てをさらけ出して、頭を下げているのだ。
「ハガルに言われた。お嬢さんは孤独の強運の持ち主だと。俺はどうせ、子を残すことなく死ぬつもりだった。だから、お嬢さんとの関わりは、丁度いいんだ。ただ、未だにわからない。どうして、俺なんだ?」
サリーは俺を選んだ。それがわからない。
王子様、なんて呼ばれたって、俺は寒気がするだけだ。そんな夢みたいな存在じゃない。ただ、死に場所を求めていて、たまたま、サリーの側が一番、死にやすいと言われたから、そこにいるだけである。
俺は、サリーと暖かい家庭を持つ気なんて、これっぽっちもない。いつか来るだろう呼び寄せられた悪運で、俺は死ぬこととなるだろう。それを待っているだけだ。
顔をあげたマイツナイトは苦笑する。
「サリーの純粋な恋心だ」
「そこがわからないんだよ!!」
「理由を知りたいのなら、サリーに聞けばいい。サリーは喜んで答えてくれる。サリーは君だけは心を許している」
「そんなことないだろう。あんたのこと、親として、慕ってる」
「私は、酷い親だ。侯爵家のために、サリーを男爵家に縛り付けたんだ」
言われてみれば、サリーだけ、男爵家なのはおかしい。貴族として、それなりの立場を持っていたほうが有利だ。サリーを男爵の娘ではなく、侯爵の妹として世に出したほうが、サリーのためにはいい事だ。
遅くに出来た可愛い娘だから、と俺は思っていた。ほら、実際、マイツナイトはサリーを可愛がって、サリーのために、俺みたいな貧民を護衛につけて、大金を支払っている。
「本来、サリーは侯爵家の者として生きていくべきなんだ。しかし、サリーは私と同じ、悪運の持ち主だ。侯爵家に災いを及ぼす。だから、侯爵家との縁を切り、潰れてもいい男爵家の跡継ぎにしたんだ。そのせいで、サリーは幾度となく、危険な目にあった」
暗く笑うマイツナイト。実の娘を危険な場所に置いて育てたことに、自虐的になっている。
「けど、あんたの手元に置いておけば、守れると思ったんだろう。侯爵じゃなー、腕っぷしがないからなー」
腕っぷしやその頭脳の点から、サリーの兄である侯爵マキラオは不安だ。サリーを側に置いておいたら、きっと、侯爵家はとんでもない災いで傾くだろう。そんな気がする。
驚いたように顔をあげるマイツナイト。
「私がやったこと、責めないのか?」
「あんた、ガキがいっぱいいるだろう。その全てを守るための最適解を出したにすぎない。他のガキは立派に成人して、大人として独り立ちしている。だけど、サリーを守るには、力不足だ。だから、もう引退してもいいアンタがサリーを命がけで守ると決めたんだろう」
「だが、サリーは幾度も、危険な目にあっている」
「サリーのこと、ハガルから聞いたんだ。ほら、黒猫が見える、という奴」
「何か憑いていると思ったんだが」
「そうじゃない。サリーは、不運の流れを見る力があるだけだ」
まれに、そういうものが見える人がいるという。
人には、妙な予感というものがある。だいたいは、長年、培った経験を元に、人は予感として、危険を回避するのだ。だいたいは、そうなのだ。
サリーは、経験していないが、知識が化け物だ。目の前の情報を分析して、不運の流れを視覚的に見れるのだ。
「そういう人には、親しみの湧くような何かが導いているように見えるらしい。サリーはそれを黒猫として頭の中で勝手に変換しているだけだ」
「そ、そうなのか………」
サリーの力の正体を知って、マイツナイトは呆然となる。
「サリーのことをハガルに視てもらおうとしたんだけどな、ちょっと話したら、そう説明された。ハガルにとっては、大した能力じゃない。不運の流れをたどってしまうのも、サリーはその不運を取り除こうと無意識に行動しているだけだ。それもこれも、家族のためだろう」
「っ!?」
男爵マイツナイトは口をおさえて、何かを堪えた。泣きそうになったんだな。
酷い父親だ、とマイツナイトは思っていた。だけど、サリーはそうではない。今、置かれている現状をサリーがわからないはずがないのだ。
あの幼い言動で、皆、サリーに騙されているのだ。実際は、誰よりも賢く、愛情深い。家族が大好きなんだろう。だから、怖い目にあったって、サリーは家族を責めない。俺から見ても、サリーは家族のことを愛している。
家族に囲まれているサリーは、本当に幸せそうに笑っている。そして、家族に叱られれば、泣いて、反省する。サリーにとって、家族は絶対の存在なのだ。
マイツナイトを男爵の邸宅に送った帰りに、俺は中央都市の貧民街に立ち寄った。ほら、一応は、俺、支配者だし。
俺があの頑強な建物に入れば、手下の貧民たちは、何故かひれ伏した。一体、どんな教育をしたんだ?
気持ち悪い歓待を受けて、最上階に行けば、もう知らせを受けたリリーベルたちがいた。皆、俺がガキの頃から育て、鍛えた奴らだ。
「ロイド様、お待ちしておりましたー!!」
中央都市の貧民街は、リリーベル担当である。何せ、リリーベルが俺の命令で潜伏していたのだ。リリーベルが俺の側近として側にやってくる。
「どうですか、今日の服?」
「あ、うん、似合うんじゃなかなー」
「サリーちゃんにもお揃いのを作りました!!」
「わかった、今度、着せて、ここに連れて来るよ」
「連絡いれてくださいね!!」
「う、うん」
見た目はいかつい男だが、心は乙女のリリーベル。もう、見た目と中身の差があまりにもあるので、俺はいつも困っている。いつまでも馴れないな、これ。
「貧民街はどうだ?」
適当な椅子に座って、最近の様子を報告させる。
「王都は相変わらずです。帝国の保護が入っていますので、妖精憑きの力も弾かれています」
王都の貧民街は、裏では帝国と繋がっている。だから、どっかの勢力が野良の妖精憑きを使って攻め込んできても、すぐに魔法使いに捕縛されてしまう。腕っぷしの武力では、王都の貧民街の支配者が鍛えた軍勢には、どこの組織も勝てない。
「海も変わらずです。ルキエル様が目覚めているようで、道具の修理が進んでいます」
海の貧民街では、次兄ルキエルが引きこもっている。道具の修理はルキエルしか出来ないため、帝国中の貧民街は、海の貧民街に手を出さないという契約を結んでいる。俺が中央都市の貧民街の支配者となった時も、改めて、その契約を結び直した。
「山は、あれです、平和ですよ。ほら、夫婦ですから」
山の貧民街の支配者は女であるが、夫が厄介だ。元は中央都市の貧民街の支配者であったのだが、山の貧民街の支配者のことを惚れこみ、中央都市の貧民街を放棄したのだ。そのため、山の貧民街は、腕っぷしだけでなく、中央都市の貧民街の元支配者の頭脳によって守られている。
「辺境は、あれです、まだ、安定していません」
「オクトもなー、どうしてやっちゃうかなー」
一昔というほど前ではないのだが、辺境の貧民街の支配者はいたのだ。名をヤイハーンという。とんでもない女好きで、なんと、十人以上の女を囲っていたという。
その中に、一時期、俺の姉がいたんだ。
妖精殺しの伯爵と裏で恐れられているオクトは、俺の姉が大好きだ。大好きすぎて、まあ、色々としたんだろう。俺は姉は死んだ、と報告を受けている。それでいい。
オクト、俺の姉に手を出した全てを許さなかった。俺の姉には散々貢いで、いい顔をしているが、姉と関係を持った過去の男は全て、オクトが殺したんだ。
そして、とうとう、辺境の貧民街の支配者であったヤイハーンをオクトは惨殺した。
最初、これは軽く考えられていた。ほら、支配者なんて、そのうち、勝手に生まれるよ。これまでもそうだったから。
ところが、辺境の貧民街の勢力は、見事に三分割されてしまった。今だに、辺境の貧民街の支配者は決まっておらず、三人の暫定の支配者が偉そうにふんぞり返っているだけである。
ちなみに、辺境の貧民街の支配者が支配するという建物は、未だに支配者が誰か、とは認めていないため、邸宅型魔法具としては休止している。
今になって、オクトもとんでもないことしてくれたなー、なんて責められているが、オクト、反省なんかしない。あいつは、殺したいから殺したんだ。
「リリーベル、ここはどうなんだ?」
さて、俺が支配者となっている中央都市の貧民街は何か起きたかなー? ちょっと楽しみだった。もしかしたら、この建物の支配者、変わってるかもなー。
「ご心配いりません!! ロイド様は絶対、と布教活動しておりますから!!!」
「ふ、布教?」
「そうです!! ロイド様は我々にとって絶対です!!!」
「ロイド様のご尊顔をそこらの貧民が見るなど、許されることではありません!!」
「常にひれ伏すように、ロイド様の顔を周知しております!!!」
「お前ら、何やってくれてんだ!?」
だから、俺の顔を見た途端、貧民どもがひれ伏したのかよ!!!
「そんな、俺の顔が知れ渡ったら、命、狙われちゃうだろう!!」
「………は!?」
「そうでした!!」
この事の欠点を指摘して、やっと、リリーベルたちはやらかしてしまった事に気づいた。
俺がまだ無事なのは、たまたまだろう。まさか、貴族の学校に通ってるなんて、誰も思わない。
リリーベル、気持ち悪い品をつくって舌なんか出した。
「失敗しちゃった」
「やっちまったことは、仕方がないな。どうせ、貧民なんて、すぐに入れ替わるし、いなくなるからな。もうやるなよ」
「はーい」
「次からは、俺と相談な!!」
「わかりましたー」
可愛くもない品を作って返事をするリリーベル。真剣味がこれっぽっちも感じられないんだが、心が乙女のリリーベルにとっては、これが真剣なんだと、俺は信じたい!!
「もうわかった、解散解散。あ、リリーベルとはちょっと話したい」
「やっだー、密会ですね」
「密談だ、密談」
同じようなやり取り、最近もしたな。
すぐに俺とリリーベル、二人だけになった。リリーベルは色々と飲み物やら食べ物やら出してくれるが、俺は手をつけない。妖精の目が発動して、野良の妖精どもが、ニヤニヤと笑って俺を見ている。絶対に、何か薬が盛られているな。
「お前は、お嬢さんとは、随分と仲がいいな」
最初はサリーとリリーベル、俺を取り合うように喧嘩していたが、今ではお揃いの服を着るほど仲良しだ。サリーも、リリーベルには心を許して、色々と話している感じだ。
「同じロイド様をお慕いする者同士ですもの。アタシは、この通り、男ですから、ロイド様の子は産めません。だから、アタシはロイド様のために戦って、サリーには、ロイド様の癒しとなってもらいます」
「そういう話、したんだな」
なんか、俺は、二人の女を囲っている感じだ。一人は心が乙女で性別は男だけどな!!
「リリーベルたちが、俺を慕うのはわかる。俺はお前たちが一番苦しい時に救った、いわば、大恩人だからな。俺の邪な企みをわかっていても、お前らはついてきてくれて、今は感謝している」
「我々は、ロイド様の全てに惚れこんでいます!! そんな、恩程度では従ったりしません」
「お嬢さんはどうなんだ? 一目惚れといったって、おかしいだろう」
心底、そこが不思議だった。
世の中を見回せば、それなりにいい男はたくさんいる。俺みたいな年上の親父よりも、歳が近い異性のほうがいいだろう。俺はそう思っている。
だけど、サリーは余所見をしない。俺から、余所見させるのだが、サリーは見向きもしないのだ。
一応、将来は男爵の爵位を継ぐことになっているサリーの元には、お見合いの手紙はいっぱいきている。中には、断れなくて、実際にお見合いをしたことも幾度となくあった。それをぶち壊したサリーが、何故、俺に拘るのか、わからない。
それを聞いたリリーベルは優しい笑みを浮かべる。
「ロイド様はわかっていませんわね。そういう所です。助けて当然、と言ったそうですね」
「まあ、俺は実力はあるし、そこで暮らしていたから、妙な騒ぎとなると、また、移動しないといけなかったからな」
それだけだ。俺は、隠すことなく、そのことをサリーにも、男爵マイツナイトにも話した。
金が欲しかったわけでもない。静かに暮らせる場所を守っただけだ。サリーの誘拐は、俺が静かに暮らしているその場所を騒がしくする、そんな予感を感じた。
「アタシたちのこと、サリーちゃんに話しました。下心あっての救済だ、なんて聞いて、サリーちゃん、笑っていました。同じだ、と」
「そうだな」
「ですが、受けた側はそうではありません。サリーちゃん、過去にたくさん、酷い思いをしたのですね。聞きました。誘拐されたり、暴漢にあったり、時には、売られそうになったこともあったそうです」
えー、そんなことまでなってるなんて、俺、知らなかったよー。マイツナイト、サリーを自由にし過ぎだ。
さすがに俺は、顔を強張らせる。その内容は、平然と話すようなことではない。だけど、サリーにとっては、大した事ではなかったのだろう。
「最初、助けて、と叫ぶんです。アタシたちだって、助けて、と叫びました。でも、誰も助けてくれない。だから、自力でどうにかするしかない、と持っている力を使って、サリーちゃんも頑張るしかなかったと言っていました。目の前で殺し合いをさせてしまった、とアタシの前では泣いていました」
本当は、サリー、人が目の前で死ぬとこなど、見たくなかったのだ。だけど、そうするしか、サリーが生き残る道はない。だから、サリーは甘言を弄し、仲間割れを起こして、共倒れにさせたのだ。
「でも、助けて、と叫んで、ロイド様が助けてくれました。ロイド様にとっては、大したことではないでしょう。ですが、たくさん、裏切られ、見捨てられたアタシたちには、大したことです。何の見返りもなく、助けてくれたロイド様を慕わないわけがありません!!」
「い、いや、俺は都合のいい手下にしようと」
「だったら、どうして、王都の貧民街から追い出したのですか?」
「それは、まあ、いつまでも世間知らずなのは良くないと思ってな。ほら、任務で出しただろう」
「皇帝襲撃の手勢として、我々はいい戦力になりましたよ」
「………」
次兄の復讐に、リリーベルたちは確かにいい戦力になった。
だが、俺はリリーベルたちを外に出した。
「あれだ、失敗した時の、その、保険だ、保険!!」
「もう、帝国に復讐しないのですか?」
「もうしない。終わったんだ」
失敗したが、あれは、次兄にとって、成功だ。皇帝襲撃は成功しようと失敗しようと、次兄にとってはどうでも良かったのだ。
何を言ったって、リリーベルの忠誠心で俺の所業はいいように受け止められてしまう。
俺はリリーベルたちに言い聞かせるのを諦めた。
しかし、今日の来客は、思ってもいない相手だった。
「えー、あんた、男爵の家にいるんじゃないのかよ」
来たのは、男爵マイツナイトだ。別に、侯爵の邸宅にいたって悪くはないんだ。ただ、男爵としての仕事だってあるのだから、離れた王都にいるのは、仕事の上では不便だろうに。
「お前と話してすぐ、戻るつもりで来たんだ」
「じゃあ、帰りは俺が送ってやるよ。一瞬だ、一瞬」
「助かる」
よほど大変な移動だったのだろう。珍しく、疲れた顔をしているマイツナイト。
俺はマイツナイトに水を出して、椅子を勧める。
「それで、何の話だ?」
「サリーのことだ。今回も、随分なことをしたと聞いた」
「気に入らなかったんだろうな」
サリーは表だって動くような女ではない。俺に関しては、表立つが、それ以外は無関心である。
二年の生徒会役員リコットのお家騒動なんて、サリーはどうでもいいだろう。だけど、今回、サリーはリコットの味方をした。
俺は改めて、マイツナイトに訊ねた。
「サリーはこれまで、誘拐されようが、暴漢に襲われようが、無傷だと聞いている。どうしてだ?」
俺が関わるまで、サリーは命に関わるような事も身の上に起こっているはずだ。あんな力もない貴族の小娘だが、見た目はいい。何もないはずがないのだ。
世の中には、年端もいかない小娘に色々としたい欲望を持つ悪い大人だって、たくさんいる。サリーのような子は、恰好の存在だ。サリーは、見るからに、無力で、世間知らずで、ちょっと頭が足りない感じだ。
だけど、サリーは無傷で救出されている。
「舞踏会でのサリーの口上は見事だっただろう」
「そうだな。妖精の力を使う俺でも、あんなこと、わからなかった」
舞踏会でのサリーの推論は見事だった。一見すると、リーゼは被害者である。果実水が入っていたグラスは割られ、リーゼが汚れているのだ。グラスが割れてしまっているが、その破片はリーゼとリコットの間にある。リコットがやったように見えただろう。
「グラスの割れ方を見れば、リーゼが壊したのは、俺はわかるが、皆がそうじゃないだろうな」
割れた時のグラスは、リーゼから投げないとおかしい割れ方をしていた。偶然だろう、なんて言われたら、どうしようもないが。
サリーは、誰もが認める推論を真実と証明したのだ。サリーは妖精の力をよく知っていたわけではない。現場を見て、不自然な部分を妖精の仕業と推理したのだ。試してみて、推論が正しい、とその場で証明出来た。そうやって、誰もが納得する説明をして、リコットを助けた。
「サリーを誘拐した者たちも、暴漢も皆、今は生きていない。サリーを保護する時は、全滅している」
「あんたの手勢がやったんじゃないのか?」
「同士うちだ。サリーは、口上だけで、仲間割れを起こし、最後、同士うちに持っていったんだ。サリーがそう、私に話した」
リコットのお家騒動など、サリーにとっては、大したことではない。命のやり取りを過去に幾度も行っているサリーには、児戯なのだ。
ぞっとした。俺はまだ、そういうものに巻き込まれていない。まず、俺がサリーの護衛となってから、そういうものは全て、未然に防いでいる。
たまたま、運が良かったとしか言いようがない。さすが、孤独の悪運を持つ女だ。敵もまた、破滅させてくれる。
「それで、何が言いたい」
「どうか、サリーの側に、もうしばらく、ついてほしい!!」
マイツナイトもわかっている。俺が逃げたがっていることを。だから、今、ここに来て、全てをさらけ出して、頭を下げているのだ。
「ハガルに言われた。お嬢さんは孤独の強運の持ち主だと。俺はどうせ、子を残すことなく死ぬつもりだった。だから、お嬢さんとの関わりは、丁度いいんだ。ただ、未だにわからない。どうして、俺なんだ?」
サリーは俺を選んだ。それがわからない。
王子様、なんて呼ばれたって、俺は寒気がするだけだ。そんな夢みたいな存在じゃない。ただ、死に場所を求めていて、たまたま、サリーの側が一番、死にやすいと言われたから、そこにいるだけである。
俺は、サリーと暖かい家庭を持つ気なんて、これっぽっちもない。いつか来るだろう呼び寄せられた悪運で、俺は死ぬこととなるだろう。それを待っているだけだ。
顔をあげたマイツナイトは苦笑する。
「サリーの純粋な恋心だ」
「そこがわからないんだよ!!」
「理由を知りたいのなら、サリーに聞けばいい。サリーは喜んで答えてくれる。サリーは君だけは心を許している」
「そんなことないだろう。あんたのこと、親として、慕ってる」
「私は、酷い親だ。侯爵家のために、サリーを男爵家に縛り付けたんだ」
言われてみれば、サリーだけ、男爵家なのはおかしい。貴族として、それなりの立場を持っていたほうが有利だ。サリーを男爵の娘ではなく、侯爵の妹として世に出したほうが、サリーのためにはいい事だ。
遅くに出来た可愛い娘だから、と俺は思っていた。ほら、実際、マイツナイトはサリーを可愛がって、サリーのために、俺みたいな貧民を護衛につけて、大金を支払っている。
「本来、サリーは侯爵家の者として生きていくべきなんだ。しかし、サリーは私と同じ、悪運の持ち主だ。侯爵家に災いを及ぼす。だから、侯爵家との縁を切り、潰れてもいい男爵家の跡継ぎにしたんだ。そのせいで、サリーは幾度となく、危険な目にあった」
暗く笑うマイツナイト。実の娘を危険な場所に置いて育てたことに、自虐的になっている。
「けど、あんたの手元に置いておけば、守れると思ったんだろう。侯爵じゃなー、腕っぷしがないからなー」
腕っぷしやその頭脳の点から、サリーの兄である侯爵マキラオは不安だ。サリーを側に置いておいたら、きっと、侯爵家はとんでもない災いで傾くだろう。そんな気がする。
驚いたように顔をあげるマイツナイト。
「私がやったこと、責めないのか?」
「あんた、ガキがいっぱいいるだろう。その全てを守るための最適解を出したにすぎない。他のガキは立派に成人して、大人として独り立ちしている。だけど、サリーを守るには、力不足だ。だから、もう引退してもいいアンタがサリーを命がけで守ると決めたんだろう」
「だが、サリーは幾度も、危険な目にあっている」
「サリーのこと、ハガルから聞いたんだ。ほら、黒猫が見える、という奴」
「何か憑いていると思ったんだが」
「そうじゃない。サリーは、不運の流れを見る力があるだけだ」
まれに、そういうものが見える人がいるという。
人には、妙な予感というものがある。だいたいは、長年、培った経験を元に、人は予感として、危険を回避するのだ。だいたいは、そうなのだ。
サリーは、経験していないが、知識が化け物だ。目の前の情報を分析して、不運の流れを視覚的に見れるのだ。
「そういう人には、親しみの湧くような何かが導いているように見えるらしい。サリーはそれを黒猫として頭の中で勝手に変換しているだけだ」
「そ、そうなのか………」
サリーの力の正体を知って、マイツナイトは呆然となる。
「サリーのことをハガルに視てもらおうとしたんだけどな、ちょっと話したら、そう説明された。ハガルにとっては、大した能力じゃない。不運の流れをたどってしまうのも、サリーはその不運を取り除こうと無意識に行動しているだけだ。それもこれも、家族のためだろう」
「っ!?」
男爵マイツナイトは口をおさえて、何かを堪えた。泣きそうになったんだな。
酷い父親だ、とマイツナイトは思っていた。だけど、サリーはそうではない。今、置かれている現状をサリーがわからないはずがないのだ。
あの幼い言動で、皆、サリーに騙されているのだ。実際は、誰よりも賢く、愛情深い。家族が大好きなんだろう。だから、怖い目にあったって、サリーは家族を責めない。俺から見ても、サリーは家族のことを愛している。
家族に囲まれているサリーは、本当に幸せそうに笑っている。そして、家族に叱られれば、泣いて、反省する。サリーにとって、家族は絶対の存在なのだ。
マイツナイトを男爵の邸宅に送った帰りに、俺は中央都市の貧民街に立ち寄った。ほら、一応は、俺、支配者だし。
俺があの頑強な建物に入れば、手下の貧民たちは、何故かひれ伏した。一体、どんな教育をしたんだ?
気持ち悪い歓待を受けて、最上階に行けば、もう知らせを受けたリリーベルたちがいた。皆、俺がガキの頃から育て、鍛えた奴らだ。
「ロイド様、お待ちしておりましたー!!」
中央都市の貧民街は、リリーベル担当である。何せ、リリーベルが俺の命令で潜伏していたのだ。リリーベルが俺の側近として側にやってくる。
「どうですか、今日の服?」
「あ、うん、似合うんじゃなかなー」
「サリーちゃんにもお揃いのを作りました!!」
「わかった、今度、着せて、ここに連れて来るよ」
「連絡いれてくださいね!!」
「う、うん」
見た目はいかつい男だが、心は乙女のリリーベル。もう、見た目と中身の差があまりにもあるので、俺はいつも困っている。いつまでも馴れないな、これ。
「貧民街はどうだ?」
適当な椅子に座って、最近の様子を報告させる。
「王都は相変わらずです。帝国の保護が入っていますので、妖精憑きの力も弾かれています」
王都の貧民街は、裏では帝国と繋がっている。だから、どっかの勢力が野良の妖精憑きを使って攻め込んできても、すぐに魔法使いに捕縛されてしまう。腕っぷしの武力では、王都の貧民街の支配者が鍛えた軍勢には、どこの組織も勝てない。
「海も変わらずです。ルキエル様が目覚めているようで、道具の修理が進んでいます」
海の貧民街では、次兄ルキエルが引きこもっている。道具の修理はルキエルしか出来ないため、帝国中の貧民街は、海の貧民街に手を出さないという契約を結んでいる。俺が中央都市の貧民街の支配者となった時も、改めて、その契約を結び直した。
「山は、あれです、平和ですよ。ほら、夫婦ですから」
山の貧民街の支配者は女であるが、夫が厄介だ。元は中央都市の貧民街の支配者であったのだが、山の貧民街の支配者のことを惚れこみ、中央都市の貧民街を放棄したのだ。そのため、山の貧民街は、腕っぷしだけでなく、中央都市の貧民街の元支配者の頭脳によって守られている。
「辺境は、あれです、まだ、安定していません」
「オクトもなー、どうしてやっちゃうかなー」
一昔というほど前ではないのだが、辺境の貧民街の支配者はいたのだ。名をヤイハーンという。とんでもない女好きで、なんと、十人以上の女を囲っていたという。
その中に、一時期、俺の姉がいたんだ。
妖精殺しの伯爵と裏で恐れられているオクトは、俺の姉が大好きだ。大好きすぎて、まあ、色々としたんだろう。俺は姉は死んだ、と報告を受けている。それでいい。
オクト、俺の姉に手を出した全てを許さなかった。俺の姉には散々貢いで、いい顔をしているが、姉と関係を持った過去の男は全て、オクトが殺したんだ。
そして、とうとう、辺境の貧民街の支配者であったヤイハーンをオクトは惨殺した。
最初、これは軽く考えられていた。ほら、支配者なんて、そのうち、勝手に生まれるよ。これまでもそうだったから。
ところが、辺境の貧民街の勢力は、見事に三分割されてしまった。今だに、辺境の貧民街の支配者は決まっておらず、三人の暫定の支配者が偉そうにふんぞり返っているだけである。
ちなみに、辺境の貧民街の支配者が支配するという建物は、未だに支配者が誰か、とは認めていないため、邸宅型魔法具としては休止している。
今になって、オクトもとんでもないことしてくれたなー、なんて責められているが、オクト、反省なんかしない。あいつは、殺したいから殺したんだ。
「リリーベル、ここはどうなんだ?」
さて、俺が支配者となっている中央都市の貧民街は何か起きたかなー? ちょっと楽しみだった。もしかしたら、この建物の支配者、変わってるかもなー。
「ご心配いりません!! ロイド様は絶対、と布教活動しておりますから!!!」
「ふ、布教?」
「そうです!! ロイド様は我々にとって絶対です!!!」
「ロイド様のご尊顔をそこらの貧民が見るなど、許されることではありません!!」
「常にひれ伏すように、ロイド様の顔を周知しております!!!」
「お前ら、何やってくれてんだ!?」
だから、俺の顔を見た途端、貧民どもがひれ伏したのかよ!!!
「そんな、俺の顔が知れ渡ったら、命、狙われちゃうだろう!!」
「………は!?」
「そうでした!!」
この事の欠点を指摘して、やっと、リリーベルたちはやらかしてしまった事に気づいた。
俺がまだ無事なのは、たまたまだろう。まさか、貴族の学校に通ってるなんて、誰も思わない。
リリーベル、気持ち悪い品をつくって舌なんか出した。
「失敗しちゃった」
「やっちまったことは、仕方がないな。どうせ、貧民なんて、すぐに入れ替わるし、いなくなるからな。もうやるなよ」
「はーい」
「次からは、俺と相談な!!」
「わかりましたー」
可愛くもない品を作って返事をするリリーベル。真剣味がこれっぽっちも感じられないんだが、心が乙女のリリーベルにとっては、これが真剣なんだと、俺は信じたい!!
「もうわかった、解散解散。あ、リリーベルとはちょっと話したい」
「やっだー、密会ですね」
「密談だ、密談」
同じようなやり取り、最近もしたな。
すぐに俺とリリーベル、二人だけになった。リリーベルは色々と飲み物やら食べ物やら出してくれるが、俺は手をつけない。妖精の目が発動して、野良の妖精どもが、ニヤニヤと笑って俺を見ている。絶対に、何か薬が盛られているな。
「お前は、お嬢さんとは、随分と仲がいいな」
最初はサリーとリリーベル、俺を取り合うように喧嘩していたが、今ではお揃いの服を着るほど仲良しだ。サリーも、リリーベルには心を許して、色々と話している感じだ。
「同じロイド様をお慕いする者同士ですもの。アタシは、この通り、男ですから、ロイド様の子は産めません。だから、アタシはロイド様のために戦って、サリーには、ロイド様の癒しとなってもらいます」
「そういう話、したんだな」
なんか、俺は、二人の女を囲っている感じだ。一人は心が乙女で性別は男だけどな!!
「リリーベルたちが、俺を慕うのはわかる。俺はお前たちが一番苦しい時に救った、いわば、大恩人だからな。俺の邪な企みをわかっていても、お前らはついてきてくれて、今は感謝している」
「我々は、ロイド様の全てに惚れこんでいます!! そんな、恩程度では従ったりしません」
「お嬢さんはどうなんだ? 一目惚れといったって、おかしいだろう」
心底、そこが不思議だった。
世の中を見回せば、それなりにいい男はたくさんいる。俺みたいな年上の親父よりも、歳が近い異性のほうがいいだろう。俺はそう思っている。
だけど、サリーは余所見をしない。俺から、余所見させるのだが、サリーは見向きもしないのだ。
一応、将来は男爵の爵位を継ぐことになっているサリーの元には、お見合いの手紙はいっぱいきている。中には、断れなくて、実際にお見合いをしたことも幾度となくあった。それをぶち壊したサリーが、何故、俺に拘るのか、わからない。
それを聞いたリリーベルは優しい笑みを浮かべる。
「ロイド様はわかっていませんわね。そういう所です。助けて当然、と言ったそうですね」
「まあ、俺は実力はあるし、そこで暮らしていたから、妙な騒ぎとなると、また、移動しないといけなかったからな」
それだけだ。俺は、隠すことなく、そのことをサリーにも、男爵マイツナイトにも話した。
金が欲しかったわけでもない。静かに暮らせる場所を守っただけだ。サリーの誘拐は、俺が静かに暮らしているその場所を騒がしくする、そんな予感を感じた。
「アタシたちのこと、サリーちゃんに話しました。下心あっての救済だ、なんて聞いて、サリーちゃん、笑っていました。同じだ、と」
「そうだな」
「ですが、受けた側はそうではありません。サリーちゃん、過去にたくさん、酷い思いをしたのですね。聞きました。誘拐されたり、暴漢にあったり、時には、売られそうになったこともあったそうです」
えー、そんなことまでなってるなんて、俺、知らなかったよー。マイツナイト、サリーを自由にし過ぎだ。
さすがに俺は、顔を強張らせる。その内容は、平然と話すようなことではない。だけど、サリーにとっては、大した事ではなかったのだろう。
「最初、助けて、と叫ぶんです。アタシたちだって、助けて、と叫びました。でも、誰も助けてくれない。だから、自力でどうにかするしかない、と持っている力を使って、サリーちゃんも頑張るしかなかったと言っていました。目の前で殺し合いをさせてしまった、とアタシの前では泣いていました」
本当は、サリー、人が目の前で死ぬとこなど、見たくなかったのだ。だけど、そうするしか、サリーが生き残る道はない。だから、サリーは甘言を弄し、仲間割れを起こして、共倒れにさせたのだ。
「でも、助けて、と叫んで、ロイド様が助けてくれました。ロイド様にとっては、大したことではないでしょう。ですが、たくさん、裏切られ、見捨てられたアタシたちには、大したことです。何の見返りもなく、助けてくれたロイド様を慕わないわけがありません!!」
「い、いや、俺は都合のいい手下にしようと」
「だったら、どうして、王都の貧民街から追い出したのですか?」
「それは、まあ、いつまでも世間知らずなのは良くないと思ってな。ほら、任務で出しただろう」
「皇帝襲撃の手勢として、我々はいい戦力になりましたよ」
「………」
次兄の復讐に、リリーベルたちは確かにいい戦力になった。
だが、俺はリリーベルたちを外に出した。
「あれだ、失敗した時の、その、保険だ、保険!!」
「もう、帝国に復讐しないのですか?」
「もうしない。終わったんだ」
失敗したが、あれは、次兄にとって、成功だ。皇帝襲撃は成功しようと失敗しようと、次兄にとってはどうでも良かったのだ。
何を言ったって、リリーベルの忠誠心で俺の所業はいいように受け止められてしまう。
俺はリリーベルたちに言い聞かせるのを諦めた。
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