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続く因縁
お見合い大作戦
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俺は、お嬢さんサリーと一緒に、伯爵オクトの茶会に参加していた。
「今日は、きちんとした恰好をしているな。いつも、そうしなさい」
そんな俺の前で、説教たれる長兄ライホーン。俺は、こいつを逃がさないためのエサにされているのだ。
もう、周囲は見守り感で、ライホーンを見ている。ライホーンはこの場が、どういう場なのか知らない。表向きは、伯爵オクトと親交を深めるためのお茶会である。見覚えのある、伯爵家の家臣たちもいっぱい参加している。
もっと隠せよ、お前ら!!!
裏では、伯爵ブンガロの養女エリッサとのお見合い会場なので、皆さん、色々な目でライホーンを見ている。
ほら、ガキの頃から見ている奴だっているんだ。ライホーンは、好青年なんだよ。色々と、応援したい奴だっている。中には、養子に欲しかったな、なんて家臣もいるんだ。ライホーン、大人気なんだよ。
こういう妙な空気のせいで、ライホーンが妙に勘付いたら大変だ。俺は、仕方なく、ライホーンの止まらない説教を受けている。俺はライホーンを逃がさないためのエサだ。
「また、どこかの貴族のご令嬢を誑かして。お前は貧民だという自覚を持て」
「すんません」
「学校の成績は、まあまあなんだな。手を抜いてないだろうな。お前なら、もっと上にいけたんじゃないか?」
「次回、頑張ります」
「辺境で怪しい仕事をしていたと聞いたぞ。お前が本気になれば、もっと真っ当な仕事が出来ただろう」
「目立つと、兄貴の迷惑になるかなと思って」
「そんなことくらい、気にしない。お前が元気でいれば、それで十分だ」
「ありがとうございます」
次から次へと吐き出される説教。どうしてこんなに出てくるんだよ!!
ちっくしょー、俺にはこんなに散々、いうくせに、姉貴にも、妹にも、これっぽっちも言わないじゃないか!! 理不尽だ!!!
昔から、俺ばっかり言われてるんだ。次兄はまあ、言いづらいよな。親父の保護があるから。だからって、俺ばっかり狙い撃ちしなくていいのに。
右から左へと聞き流して、俺は返事を間違えないように気を付ける。ここで、間違った返事をしたら、拳がくるから。俺だけだよ、鉄拳制裁されるの!!
俺が説教を受けているのを側で聞いている皇族セキラ。気の毒に、護衛対象だから、道連れに参加させられたんだよ。俺が長兄に延々と説教されているのを口を間抜けに開いて見ている。
サリーは、この場がライホーンとエリッサのお見合い会場になっていることを知っているので、大人しくしている。俺の横でニコニコと上機嫌に笑っている。きっと、邪魔者が一人始末できる、と思っているんだろうな。サリーの悪運が、きっと、ここで発揮されるな。サリーは容赦ないから。
俺がもう憔悴する頃に、やっと伯爵ブンガロが養女エリッサを連れてやってきた。
「ロイドくん、久しぶりだね!!」
ブンガロ、俺の手を握って、無茶苦茶嬉しそうに挨拶するよ。ブンガロは、どうしても俺を婿養子にしたいんだよな。そんなブンガロの隣りでは、エリッサは戸惑った笑顔を見せる。改めて、悟っちゃったんだな。エリッサ、俺は見た目はいいんだが、性格は好みじゃないというのに。だけど、義父のために俺を好きになろう、と決めている感じだ。
俺はやんわりとブンガロの手を剥がして、長兄ロイドを隣りに無理矢理、立たせた。
「兄貴、紹介するよ。伯爵ブンガロ様と、ブンガロ様の養女エリッサお嬢さんだ」
「発言の許可をとれ!!」
早速、俺はライホーンに頭を叩かれた。まさか、茶会の場で暴力が振るわれるとは、初めてのことに、エリッサが驚いた。それを見て、ライホーンは慌てて頭を下げる。
「大変、失礼した。こんな、か弱いお嬢さんの前で手をあげるなんて。以後、しないように気を付けよう」
「い、いえ、大丈夫、です。驚いただけです、ロイド様のお兄様」
「俺はライホーンと言います。俺もロイドも貧民です。呼び捨てでいいですよ」
優しい笑顔をライホーンはエリッサに向ける。それを見たエリッサは、頬を染めた。
「ロイドから聞いています。辺境で活動していると。ここは、王都中心の貴族が集まっているだけですから、心細いでしょう。俺が紹介しましょう。俺の側にいれば、悪さをする者はいません」
「は、はい!」
すっかり、エリッサはライホーンの真面目な対応に心惹かれていた。ライホーンは、母サツキの教育のせいで、貴族のお嬢さんには、随分と丁寧に対応するのだ。
しかも、ライホーンは親父寄りではあるが、母サツキの綺麗な部分も引き継いでいる。いい所をいい感じに受け継いでいるから、むちゃくちゃ美男子なんだよな。真面目過ぎて、女を近寄らせなかったけど。
ライホーンのエスコートでエリッサは会場を案内される。それを見送る伯爵ブンガロは、驚いていた。
「これはまた、随分な好青年だね。似ているから兄弟とはわかるけど、性格が真逆だ」
「兄貴は母親に育てられ、教育を受けたんだ。俺は、次兄に育てられ、教育を受けた。だから、育ちも教育も違う」
「私としては、ロイドくんがいいんだけど、エリッサは、ライホーンくんがいいんだな」
「俺と兄貴は両極端だ。見た目が同じ感じなら、あとは性格だな。エリッサお嬢さん、いつも肩肘はってばかりだろう」
「………そうかもしれないな」
「そういう女は、ああいう、守ってくれる男に弱いよ。俺は残念ながら、優しくないからなー」
「そう見せているだけでしょう」
「いやいや、平気で見捨てるから。兄貴は昔から、弱いガキどもの面倒とか見てたからな。外には優しいんだ。逆に、身内には厳しい」
「そうか」
「兄貴は両親を見てるからな。いい夫になるし、いい父親になろうとするだろう」
長兄ライホーンは、いい夫婦の姿を知っている。きっと、両親の関係が一番だと思っているだろう。そして、いい父親は、親父と逆だ。親父にはならないようにするだろう。
エリッサにとっては、ライホーンがいいだろう。だが、長兄ライホーンは過去に囚われすぎている。
この後、ライホーンに種明かしである。どんな反応をするのやら。
お茶会がお開き近くになった時に、筆頭魔法使いハガルがやってきた。遅れたのではなく、もともと、終わり頃に来ることとなっていたのだ。
「お久しぶりですね、ライホーン。元気にしていますか?」
「お陰様で、元気です、ハガル様」
同じ長男同士だから、この二人は仲がいいんだ。
だが、その距離が、今、開くかもしれない。
誰が、この場で、ライホーンに本当のことを話すか、揉めに揉めたのだ。誰も彼も、ライホーンに嫌われたくない。真っ先に、俺にその役をやらせよう、なんて意見も出てきたが、俺が一番ダメなので、ハガルが却下したのだ。
結局、今回の企みの主催者であるハガルが、ライホーンに真実を語ることとなったのだが。
なのに、ハガル、ライホーンと世間話を続けている。さすがのハガルも、言い出しにくいんだな。俺だってイヤだよ。俺は殴られるからな。
皆、ハガルが言い出すのを待っていた。ほら、さっさと言って、俺たちを解放してくれ!!!
さて、今回、ライホーンのお見合い相手である伯爵ブンガロの養女エリッサちゃんは、実は、これが内緒のお見合いだと知っている。知らないのは、ライホーンだけなのだ。
エリッサは、ライホーンに期待していなかった。ほら、俺の兄だから。エリッサは、どっちでもいいな、なんて思っていただろう。
しかし、ライホーンは俺とは真逆な生真面目な紳士なんだ。そう、母サツキに教育されたんだ。だから、エリッサはライホーンがいいのだ。
「あ、あの、ライホーン様!!」
エリッサ、我慢出来なくて、ハガルとライホーンの世間話に口を出してしまった。
これは、筆頭魔法使いハガルに対して、とても失礼なことである。だが、ハガルは優しく笑って、それを許す。いやいや、許すとかじゃないよな。お前がさっさと種明かししないから、エリッサちゃんが行動に出ちゃったんだよ。
「すみません、彼女はまだ幼いので、ハガル様のことがわからないのでしょう。許してあげてください」
「かまいません。それで、エリッサ嬢、ライホーンのことは気に入りましたか?」
「はい! ぜひ、ライホーン様と結婚を前提にお付き合いしたいです!!」
「………は?」
呆然となるライホーン。そして、周囲の生暖かい視線に気づいた。
最後に俺を見て、怒りの形相となる。
「ロイド、俺を騙したのか!!」
「主催者はハガル様です」
胸倉までつかまれた俺は、されるがままだけど、きちんと否定しておく。騙したのは、俺だけじゃないよ。
「子どもの戯言に付き合う趣味はない。帰る。お前はこれから話がある」
「えー」
怒ったライホーンは、俺を引きずって退場しようとする。
「待ってください!!」
かなり恐ろしい形相となっているライホーンの前に出るエリッサ。相手はか弱い婦女子である。ライホーン、力づくが出来ないのだ。
「どきなさい。俺は、こんな冗談に付き合うつもりはない」
「ひ、酷い! 本気なのに!!!」
「っ!?」
大変なことになった。エリッサ、大粒の涙をボロボロと流して泣き出したのだ。それには、ライホーンは慌てた。
「す、すまない、きつく言い過ぎた」
紳士だから、ハンカチだって持っているよ。エリッサの顔を丁寧に拭いてやる。その隙に、俺はさっさとライホーンから離れた。しばらく、ライホーンとは会わないようにしよう。
俺と入れ替わりに、ハガルがライホーンの側に立つ。
「子どもといえども、女ですよ。女の情熱を甘く見てはいけません」
「しかし」
「私の初恋は五歳です。その頃からずっと、彼女のことを思い続けました。何度も諦めようと、彼女によく似た女性を身請けしましたが、結局、彼女のことは忘れられませんでした。子どもだからと、バカにしてはいけません。情熱は、簡単に捨てられるものではありませんよ」
「し、しかし、俺は貧民で」
「相手はそれでも構わない、と言っています。彼女の義父も、それでいいと了承していますよ。何か問題がありますか?」
「だいたい、どうして、こんな茶番をしたのですか?」
「あなたの父親も、これくらいの頃に、あなたの母親に一目惚れしたそうですよ。年齢差は、これくらいですね」
「そ、そうなんだ」
ハガル、上手に誤魔化したなー。全員が、ハガルの嘘ではないが、真実を言わない技術に、呆れた。本当に、ハガルの言葉をそのまま鵜呑みにしちゃいけない。俺ももっと気を付けよう。
まだ、迷っているライホーン。どうせ、くだらないことだろうな。
エリッサは泣き止んでいた。挑むようにライホーンを見上げた。
「泣いてすみませんでした。もう、泣きません。わたくしの気持ちを信じてもらえるように、頑張ります。諦めませんから。わたくしは、王都の貴族の学校に通います。会いに行きます」
「い、いや、俺は貧民街の奥で暮らしている。危ない」
「会いに行きます!!」
「………危ないから、俺から会いに行こう」
「では」
「お試しだ。俺は貧民だ。貴族のようなことは出来ない」
「わたくし、虫の串焼きも食べられますよ」
にっこりと笑って、エリッサはとんでもない発言をした。それを聞いて、ライホーンは諦めたように笑った。
お茶会は、どうにか終わった。その後、俺は筆頭魔法使いの屋敷に逃げ込んだ。ライホーンが俺を探しているのが見えたからだ。今、見つかったら、説教の上、暴力だよ。
「お疲れ様でした、ロイド。どうにか、円満に終わりましたね」
「俺だけ円満じゃないよ!! 見つかったら、絶対、兄貴に殴られるよ」
「愛の鞭ですよ」
「そんなのいらないよ!!」
もう、お互い、大人なんだ。いつまでたっても、ライホーンは長兄で、俺は末の弟扱いなんだ。
「ちっくしょー、俺だけ、いっつも、暴力だよ。親父も、俺のこと殴ったしな」
「ルキエルはどうだったのですか?」
「………優しかったよ。俺が親父に殴られると、泣いて助けてくれた。兄貴が俺に説教していると、間に入って、止めてくれた。そういえば、勉学に関しては、おかしなやり方してたな」
過去を思い出して、妙なことを俺がされていたことを思い出した。
「あなたに貴族の教育を施したのは、ルキエルでしたね」
「そう。貴族の教育、最初は俺なんだ。そして、俺から兄貴に教育するように指示された。兄貴が終わると、次は姉貴だ。妹はルキエル兄がやったけどな」
「効率を選んだのでしょう。あなたはルキエルのいう事を素直に聞き入れています。だから、あなたに教育を施す。そうすると、教育をする者が二人に増えます。それから、二手に分かれて、教育を広げていたのです。あなたは、あなた自身が思っているよりも、優秀なんですよ」
「そんなことないって。俺が兄貴と姉貴に教えた時は、もう、大変だったから。人に教える、ということがわかっていなかったから、兄貴に怒られてばかりだったよ」
「そういうものです。勉強というものは、まず、学習し、人に伝達することで復習です。二人の人間に教えたことで、ロイドの知識は固定化したのでしょう。ルキエルは、弟だから、より、完璧にしたかったのでしょうね」
「………そっか」
わけがわからないままにさせられたことだが、それには、意味があった。
当時は、無駄なことを、と怒ったりもした。不機嫌になる俺を次兄はご機嫌とりに色々としてくれた。
思えば、俺は随分と次兄に甘やかされ、守られていた。だから、未だに、俺は次兄離れが出来ないでいた。
過去の思い出を振り払った。いい加減、兄離れをしないといけない。
「それで、辺境の貧民街の支配者三人から、きっちり、契約はとれたのか?」
元々、それが条件で、今回の茶番のようなお見合いをしたのである。
辺境の貧民街の支配者三人の仲介役となっているのは、伯爵ブンガロである。ブンガロは、支配者からの契約を分捕る代わりに、不幸な伯爵令嬢サツキの息子をエリッサの婿に望んだのだ。
俺は断固、拒否である。エリッサだって、俺の性格がイヤだろう。
次兄ルキエルは、海の貧民街からは出てこない。それ以前に、次兄はもう、一人の女性を囲っている。
残るは長兄ライホーンである。見た感じ、良さそうである。何より、エリッサは、ライホーンがいいだろう。
「とりあえず、私はきちんと仲立ちをしましたから、きちんとサインいりの契約書を持ってきてくれましたよ」
伯爵ブンガロ、あんな茶番で良かったのか。優しいなー。
「ブンガロは、兄貴でも良かったんだな」
「残念がってましたよ。ロイドが良かったのに、と」
「おいおい、それ、エリッサお嬢さんの前ではいうなよ」
「言ってましたよ!! けど、こういう時の女は強いですよ。既成事実を作ってでも、ライホーンと結婚する、と宣言していました」
「あー、俺も気を付けよう」
同じようなことをしようとしているのが、側に一人いるよ。俺は絶対に隙を見せない。見てろ。
「兄貴はなー、かったいからなー。そう簡単に既成事実は作れないぞ。そういう女、過去にいっぱいいたんだ。全部、失敗に終わった」
「そうなんですか!?」
「知らないだろう。兄貴の堅物ぶりを。貧民だから、と皆、思うんだ。けど、皆、挫折したんだ。兄貴の堅物ぶりは、もう、岩だよ、岩!!」
俺には、エリッサが兄ライホーンと既成事実を作る、ということが想像出来ない。兄貴の徹底ぶりはすごいのだ。
「過去に、薬とか香とかで、どうにか兄貴をその気にさせようとした女もいたんだ。結局、効果出る前に、兄貴は逃げたんだ。たぶん、親父のことがあって、そういうのの警戒心が人一倍高いんだ。だから、忠告しておく。正攻法で行け」
「わかりました。そのことは、ブンガロを通して伝えておきます。他には、何かありますか?」
「そうだな。たぶん、兄貴は、お袋みたいなか弱い女に弱いな」
「か弱い?」
ハガルは首を傾げる。あれだ、義体に憑いた母サツキを思い出したのだろう。よく笑ってるからな。
「俺がお袋のことを兄貴から聞くと、か弱い人だった、と言ってた。妄想入っているが、そうなんだろう。常に、屋敷に閉じ込められ、親父に大事に囲われていた。大事な女は、閉じ込めて、囲うもんだと思ってるだろうな。だから、これまで兄貴に近づいてきた女はダメだったんだ。元気で、閉じ込められない、強い女だったから」
「じゃあ、エリッサ嬢は無理ですね。彼女は、強いですから」
「実際、お袋は強い女だ。だけど、貴族だから、弱い女だと親父には思われていた。同じなんだよ。エリッサお嬢さんは確かに強い女だが、貴族だから弱い、と兄貴は思っている。それに、行動が可愛い。だから、そのままでいい。下手なことはしなくていいんだ」
下手に、作るほうが逆効果だ。エリッサは、そのまま、長兄ライホーンに体当たりしていけばいいのだ。どうせ、ライホーンは王都から離れられない。逃げられないから、正攻法で向かっていけば、簡単に陥落される。
「そういうロイドは、どうなんですか? サリー嬢を利用してばかりで、酷い男ですね」
「俺は生涯、独り身でいいんだよ!! これでいいの」
「女は怖いですよ。いざとなると、とんでもない行動に出ますから。ルキエルだって、寝込みを襲われて、気づいたら、一児の父親になっていたんですから」
「………そうだな」
俺は身震いした。次兄ルキエルが囲っている女は、気が強く、腕っぷしもある、強い女なんだ。次兄には散々、拒否されたというのに、最後、力づくで次兄を物にした。そんな女の見た目は、清楚華憐な野花のようだった。とても、寝込みを襲うような人には見えなかった。
「今日は、きちんとした恰好をしているな。いつも、そうしなさい」
そんな俺の前で、説教たれる長兄ライホーン。俺は、こいつを逃がさないためのエサにされているのだ。
もう、周囲は見守り感で、ライホーンを見ている。ライホーンはこの場が、どういう場なのか知らない。表向きは、伯爵オクトと親交を深めるためのお茶会である。見覚えのある、伯爵家の家臣たちもいっぱい参加している。
もっと隠せよ、お前ら!!!
裏では、伯爵ブンガロの養女エリッサとのお見合い会場なので、皆さん、色々な目でライホーンを見ている。
ほら、ガキの頃から見ている奴だっているんだ。ライホーンは、好青年なんだよ。色々と、応援したい奴だっている。中には、養子に欲しかったな、なんて家臣もいるんだ。ライホーン、大人気なんだよ。
こういう妙な空気のせいで、ライホーンが妙に勘付いたら大変だ。俺は、仕方なく、ライホーンの止まらない説教を受けている。俺はライホーンを逃がさないためのエサだ。
「また、どこかの貴族のご令嬢を誑かして。お前は貧民だという自覚を持て」
「すんません」
「学校の成績は、まあまあなんだな。手を抜いてないだろうな。お前なら、もっと上にいけたんじゃないか?」
「次回、頑張ります」
「辺境で怪しい仕事をしていたと聞いたぞ。お前が本気になれば、もっと真っ当な仕事が出来ただろう」
「目立つと、兄貴の迷惑になるかなと思って」
「そんなことくらい、気にしない。お前が元気でいれば、それで十分だ」
「ありがとうございます」
次から次へと吐き出される説教。どうしてこんなに出てくるんだよ!!
ちっくしょー、俺にはこんなに散々、いうくせに、姉貴にも、妹にも、これっぽっちも言わないじゃないか!! 理不尽だ!!!
昔から、俺ばっかり言われてるんだ。次兄はまあ、言いづらいよな。親父の保護があるから。だからって、俺ばっかり狙い撃ちしなくていいのに。
右から左へと聞き流して、俺は返事を間違えないように気を付ける。ここで、間違った返事をしたら、拳がくるから。俺だけだよ、鉄拳制裁されるの!!
俺が説教を受けているのを側で聞いている皇族セキラ。気の毒に、護衛対象だから、道連れに参加させられたんだよ。俺が長兄に延々と説教されているのを口を間抜けに開いて見ている。
サリーは、この場がライホーンとエリッサのお見合い会場になっていることを知っているので、大人しくしている。俺の横でニコニコと上機嫌に笑っている。きっと、邪魔者が一人始末できる、と思っているんだろうな。サリーの悪運が、きっと、ここで発揮されるな。サリーは容赦ないから。
俺がもう憔悴する頃に、やっと伯爵ブンガロが養女エリッサを連れてやってきた。
「ロイドくん、久しぶりだね!!」
ブンガロ、俺の手を握って、無茶苦茶嬉しそうに挨拶するよ。ブンガロは、どうしても俺を婿養子にしたいんだよな。そんなブンガロの隣りでは、エリッサは戸惑った笑顔を見せる。改めて、悟っちゃったんだな。エリッサ、俺は見た目はいいんだが、性格は好みじゃないというのに。だけど、義父のために俺を好きになろう、と決めている感じだ。
俺はやんわりとブンガロの手を剥がして、長兄ロイドを隣りに無理矢理、立たせた。
「兄貴、紹介するよ。伯爵ブンガロ様と、ブンガロ様の養女エリッサお嬢さんだ」
「発言の許可をとれ!!」
早速、俺はライホーンに頭を叩かれた。まさか、茶会の場で暴力が振るわれるとは、初めてのことに、エリッサが驚いた。それを見て、ライホーンは慌てて頭を下げる。
「大変、失礼した。こんな、か弱いお嬢さんの前で手をあげるなんて。以後、しないように気を付けよう」
「い、いえ、大丈夫、です。驚いただけです、ロイド様のお兄様」
「俺はライホーンと言います。俺もロイドも貧民です。呼び捨てでいいですよ」
優しい笑顔をライホーンはエリッサに向ける。それを見たエリッサは、頬を染めた。
「ロイドから聞いています。辺境で活動していると。ここは、王都中心の貴族が集まっているだけですから、心細いでしょう。俺が紹介しましょう。俺の側にいれば、悪さをする者はいません」
「は、はい!」
すっかり、エリッサはライホーンの真面目な対応に心惹かれていた。ライホーンは、母サツキの教育のせいで、貴族のお嬢さんには、随分と丁寧に対応するのだ。
しかも、ライホーンは親父寄りではあるが、母サツキの綺麗な部分も引き継いでいる。いい所をいい感じに受け継いでいるから、むちゃくちゃ美男子なんだよな。真面目過ぎて、女を近寄らせなかったけど。
ライホーンのエスコートでエリッサは会場を案内される。それを見送る伯爵ブンガロは、驚いていた。
「これはまた、随分な好青年だね。似ているから兄弟とはわかるけど、性格が真逆だ」
「兄貴は母親に育てられ、教育を受けたんだ。俺は、次兄に育てられ、教育を受けた。だから、育ちも教育も違う」
「私としては、ロイドくんがいいんだけど、エリッサは、ライホーンくんがいいんだな」
「俺と兄貴は両極端だ。見た目が同じ感じなら、あとは性格だな。エリッサお嬢さん、いつも肩肘はってばかりだろう」
「………そうかもしれないな」
「そういう女は、ああいう、守ってくれる男に弱いよ。俺は残念ながら、優しくないからなー」
「そう見せているだけでしょう」
「いやいや、平気で見捨てるから。兄貴は昔から、弱いガキどもの面倒とか見てたからな。外には優しいんだ。逆に、身内には厳しい」
「そうか」
「兄貴は両親を見てるからな。いい夫になるし、いい父親になろうとするだろう」
長兄ライホーンは、いい夫婦の姿を知っている。きっと、両親の関係が一番だと思っているだろう。そして、いい父親は、親父と逆だ。親父にはならないようにするだろう。
エリッサにとっては、ライホーンがいいだろう。だが、長兄ライホーンは過去に囚われすぎている。
この後、ライホーンに種明かしである。どんな反応をするのやら。
お茶会がお開き近くになった時に、筆頭魔法使いハガルがやってきた。遅れたのではなく、もともと、終わり頃に来ることとなっていたのだ。
「お久しぶりですね、ライホーン。元気にしていますか?」
「お陰様で、元気です、ハガル様」
同じ長男同士だから、この二人は仲がいいんだ。
だが、その距離が、今、開くかもしれない。
誰が、この場で、ライホーンに本当のことを話すか、揉めに揉めたのだ。誰も彼も、ライホーンに嫌われたくない。真っ先に、俺にその役をやらせよう、なんて意見も出てきたが、俺が一番ダメなので、ハガルが却下したのだ。
結局、今回の企みの主催者であるハガルが、ライホーンに真実を語ることとなったのだが。
なのに、ハガル、ライホーンと世間話を続けている。さすがのハガルも、言い出しにくいんだな。俺だってイヤだよ。俺は殴られるからな。
皆、ハガルが言い出すのを待っていた。ほら、さっさと言って、俺たちを解放してくれ!!!
さて、今回、ライホーンのお見合い相手である伯爵ブンガロの養女エリッサちゃんは、実は、これが内緒のお見合いだと知っている。知らないのは、ライホーンだけなのだ。
エリッサは、ライホーンに期待していなかった。ほら、俺の兄だから。エリッサは、どっちでもいいな、なんて思っていただろう。
しかし、ライホーンは俺とは真逆な生真面目な紳士なんだ。そう、母サツキに教育されたんだ。だから、エリッサはライホーンがいいのだ。
「あ、あの、ライホーン様!!」
エリッサ、我慢出来なくて、ハガルとライホーンの世間話に口を出してしまった。
これは、筆頭魔法使いハガルに対して、とても失礼なことである。だが、ハガルは優しく笑って、それを許す。いやいや、許すとかじゃないよな。お前がさっさと種明かししないから、エリッサちゃんが行動に出ちゃったんだよ。
「すみません、彼女はまだ幼いので、ハガル様のことがわからないのでしょう。許してあげてください」
「かまいません。それで、エリッサ嬢、ライホーンのことは気に入りましたか?」
「はい! ぜひ、ライホーン様と結婚を前提にお付き合いしたいです!!」
「………は?」
呆然となるライホーン。そして、周囲の生暖かい視線に気づいた。
最後に俺を見て、怒りの形相となる。
「ロイド、俺を騙したのか!!」
「主催者はハガル様です」
胸倉までつかまれた俺は、されるがままだけど、きちんと否定しておく。騙したのは、俺だけじゃないよ。
「子どもの戯言に付き合う趣味はない。帰る。お前はこれから話がある」
「えー」
怒ったライホーンは、俺を引きずって退場しようとする。
「待ってください!!」
かなり恐ろしい形相となっているライホーンの前に出るエリッサ。相手はか弱い婦女子である。ライホーン、力づくが出来ないのだ。
「どきなさい。俺は、こんな冗談に付き合うつもりはない」
「ひ、酷い! 本気なのに!!!」
「っ!?」
大変なことになった。エリッサ、大粒の涙をボロボロと流して泣き出したのだ。それには、ライホーンは慌てた。
「す、すまない、きつく言い過ぎた」
紳士だから、ハンカチだって持っているよ。エリッサの顔を丁寧に拭いてやる。その隙に、俺はさっさとライホーンから離れた。しばらく、ライホーンとは会わないようにしよう。
俺と入れ替わりに、ハガルがライホーンの側に立つ。
「子どもといえども、女ですよ。女の情熱を甘く見てはいけません」
「しかし」
「私の初恋は五歳です。その頃からずっと、彼女のことを思い続けました。何度も諦めようと、彼女によく似た女性を身請けしましたが、結局、彼女のことは忘れられませんでした。子どもだからと、バカにしてはいけません。情熱は、簡単に捨てられるものではありませんよ」
「し、しかし、俺は貧民で」
「相手はそれでも構わない、と言っています。彼女の義父も、それでいいと了承していますよ。何か問題がありますか?」
「だいたい、どうして、こんな茶番をしたのですか?」
「あなたの父親も、これくらいの頃に、あなたの母親に一目惚れしたそうですよ。年齢差は、これくらいですね」
「そ、そうなんだ」
ハガル、上手に誤魔化したなー。全員が、ハガルの嘘ではないが、真実を言わない技術に、呆れた。本当に、ハガルの言葉をそのまま鵜呑みにしちゃいけない。俺ももっと気を付けよう。
まだ、迷っているライホーン。どうせ、くだらないことだろうな。
エリッサは泣き止んでいた。挑むようにライホーンを見上げた。
「泣いてすみませんでした。もう、泣きません。わたくしの気持ちを信じてもらえるように、頑張ります。諦めませんから。わたくしは、王都の貴族の学校に通います。会いに行きます」
「い、いや、俺は貧民街の奥で暮らしている。危ない」
「会いに行きます!!」
「………危ないから、俺から会いに行こう」
「では」
「お試しだ。俺は貧民だ。貴族のようなことは出来ない」
「わたくし、虫の串焼きも食べられますよ」
にっこりと笑って、エリッサはとんでもない発言をした。それを聞いて、ライホーンは諦めたように笑った。
お茶会は、どうにか終わった。その後、俺は筆頭魔法使いの屋敷に逃げ込んだ。ライホーンが俺を探しているのが見えたからだ。今、見つかったら、説教の上、暴力だよ。
「お疲れ様でした、ロイド。どうにか、円満に終わりましたね」
「俺だけ円満じゃないよ!! 見つかったら、絶対、兄貴に殴られるよ」
「愛の鞭ですよ」
「そんなのいらないよ!!」
もう、お互い、大人なんだ。いつまでたっても、ライホーンは長兄で、俺は末の弟扱いなんだ。
「ちっくしょー、俺だけ、いっつも、暴力だよ。親父も、俺のこと殴ったしな」
「ルキエルはどうだったのですか?」
「………優しかったよ。俺が親父に殴られると、泣いて助けてくれた。兄貴が俺に説教していると、間に入って、止めてくれた。そういえば、勉学に関しては、おかしなやり方してたな」
過去を思い出して、妙なことを俺がされていたことを思い出した。
「あなたに貴族の教育を施したのは、ルキエルでしたね」
「そう。貴族の教育、最初は俺なんだ。そして、俺から兄貴に教育するように指示された。兄貴が終わると、次は姉貴だ。妹はルキエル兄がやったけどな」
「効率を選んだのでしょう。あなたはルキエルのいう事を素直に聞き入れています。だから、あなたに教育を施す。そうすると、教育をする者が二人に増えます。それから、二手に分かれて、教育を広げていたのです。あなたは、あなた自身が思っているよりも、優秀なんですよ」
「そんなことないって。俺が兄貴と姉貴に教えた時は、もう、大変だったから。人に教える、ということがわかっていなかったから、兄貴に怒られてばかりだったよ」
「そういうものです。勉強というものは、まず、学習し、人に伝達することで復習です。二人の人間に教えたことで、ロイドの知識は固定化したのでしょう。ルキエルは、弟だから、より、完璧にしたかったのでしょうね」
「………そっか」
わけがわからないままにさせられたことだが、それには、意味があった。
当時は、無駄なことを、と怒ったりもした。不機嫌になる俺を次兄はご機嫌とりに色々としてくれた。
思えば、俺は随分と次兄に甘やかされ、守られていた。だから、未だに、俺は次兄離れが出来ないでいた。
過去の思い出を振り払った。いい加減、兄離れをしないといけない。
「それで、辺境の貧民街の支配者三人から、きっちり、契約はとれたのか?」
元々、それが条件で、今回の茶番のようなお見合いをしたのである。
辺境の貧民街の支配者三人の仲介役となっているのは、伯爵ブンガロである。ブンガロは、支配者からの契約を分捕る代わりに、不幸な伯爵令嬢サツキの息子をエリッサの婿に望んだのだ。
俺は断固、拒否である。エリッサだって、俺の性格がイヤだろう。
次兄ルキエルは、海の貧民街からは出てこない。それ以前に、次兄はもう、一人の女性を囲っている。
残るは長兄ライホーンである。見た感じ、良さそうである。何より、エリッサは、ライホーンがいいだろう。
「とりあえず、私はきちんと仲立ちをしましたから、きちんとサインいりの契約書を持ってきてくれましたよ」
伯爵ブンガロ、あんな茶番で良かったのか。優しいなー。
「ブンガロは、兄貴でも良かったんだな」
「残念がってましたよ。ロイドが良かったのに、と」
「おいおい、それ、エリッサお嬢さんの前ではいうなよ」
「言ってましたよ!! けど、こういう時の女は強いですよ。既成事実を作ってでも、ライホーンと結婚する、と宣言していました」
「あー、俺も気を付けよう」
同じようなことをしようとしているのが、側に一人いるよ。俺は絶対に隙を見せない。見てろ。
「兄貴はなー、かったいからなー。そう簡単に既成事実は作れないぞ。そういう女、過去にいっぱいいたんだ。全部、失敗に終わった」
「そうなんですか!?」
「知らないだろう。兄貴の堅物ぶりを。貧民だから、と皆、思うんだ。けど、皆、挫折したんだ。兄貴の堅物ぶりは、もう、岩だよ、岩!!」
俺には、エリッサが兄ライホーンと既成事実を作る、ということが想像出来ない。兄貴の徹底ぶりはすごいのだ。
「過去に、薬とか香とかで、どうにか兄貴をその気にさせようとした女もいたんだ。結局、効果出る前に、兄貴は逃げたんだ。たぶん、親父のことがあって、そういうのの警戒心が人一倍高いんだ。だから、忠告しておく。正攻法で行け」
「わかりました。そのことは、ブンガロを通して伝えておきます。他には、何かありますか?」
「そうだな。たぶん、兄貴は、お袋みたいなか弱い女に弱いな」
「か弱い?」
ハガルは首を傾げる。あれだ、義体に憑いた母サツキを思い出したのだろう。よく笑ってるからな。
「俺がお袋のことを兄貴から聞くと、か弱い人だった、と言ってた。妄想入っているが、そうなんだろう。常に、屋敷に閉じ込められ、親父に大事に囲われていた。大事な女は、閉じ込めて、囲うもんだと思ってるだろうな。だから、これまで兄貴に近づいてきた女はダメだったんだ。元気で、閉じ込められない、強い女だったから」
「じゃあ、エリッサ嬢は無理ですね。彼女は、強いですから」
「実際、お袋は強い女だ。だけど、貴族だから、弱い女だと親父には思われていた。同じなんだよ。エリッサお嬢さんは確かに強い女だが、貴族だから弱い、と兄貴は思っている。それに、行動が可愛い。だから、そのままでいい。下手なことはしなくていいんだ」
下手に、作るほうが逆効果だ。エリッサは、そのまま、長兄ライホーンに体当たりしていけばいいのだ。どうせ、ライホーンは王都から離れられない。逃げられないから、正攻法で向かっていけば、簡単に陥落される。
「そういうロイドは、どうなんですか? サリー嬢を利用してばかりで、酷い男ですね」
「俺は生涯、独り身でいいんだよ!! これでいいの」
「女は怖いですよ。いざとなると、とんでもない行動に出ますから。ルキエルだって、寝込みを襲われて、気づいたら、一児の父親になっていたんですから」
「………そうだな」
俺は身震いした。次兄ルキエルが囲っている女は、気が強く、腕っぷしもある、強い女なんだ。次兄には散々、拒否されたというのに、最後、力づくで次兄を物にした。そんな女の見た目は、清楚華憐な野花のようだった。とても、寝込みを襲うような人には見えなかった。
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