13 / 52
戦争準備
呪われた布地
しおりを挟む
お目出度い結婚式をちょっとお茶を濁しはしましたが、どうにか、笑顔で解散となりました。
「お待ちください、シーア様!!」
帰ろうとすると、今日の主役である新郎ナックルの兄が、慌てて、わたくしを呼び止めました。
「お久しぶりです!! 今日は、顔色がいいですね」
いつも、色々と苦労している感じのナックルの兄なんだけど、今日はとっても顔色がいい。
ナックルの兄は、わたくしの前で膝をついた。あー、またかー。
「この度は、我が家の凶事をお救いくださり、ありがとうございます。この御恩、我が家の微力でもってお返しいたします」
「そんな、気にしないでいいですよ。今回のこと、わたくしの都合で利用しただけです。あなたも、また、利用されたのですよ」
「あなた様に、このように利用されるなら、いくらでも利用してください!!」
「もう、詐欺には気をつけてくださいね。それこそが、本当の恩返しです」
「は、はい」
これ以上、お涙頂戴のご恩返しはされたくないので、わたくしは誤魔化した。これ、本当にわたくし都合で利用しただけだから。恩返しされては困る。
わたくしは、話を別の方向へと慌てて反らした。
「良かったですね。これで、ナックル先輩は、家のために、戦争に行く必要はなくなりましたよ」
「いえ、ナックルは、そのまま組織に残ると言ってましたよ」
「………えええええーーーーーーー!!!」
わたくしは、筆頭魔法使いナインに叱られるのもかまわず、新郎ナックルに突進していく。
「ナックル先輩、どういうことですか!?」
「い、いきなり、なんだ。僕は、君にそんなことを言われるようなことはしていない」
「戦争に行くと聞きました」
「だから、会議に参加しているだろう」
「それは、結婚式の招待状をナインに内緒で受け取るための手段としてお願いしただけです」
「僕たちは、君の手下になると誓ったんだ。どこまでも君の力になる」
「バカですか!! わたくしは、どこに行ったって、安全なんですよ!!! わたくしには、妖精の守護がついているから、戦場に立ったって、かすり傷一つつきません。毒殺だって、出来ないのですから」
「皇族同士は、殺しあえるだろう」
「その時は、まあ、卑怯な手段で相手を殺すだけです。これでも、わたくしは、シオンに手ほどきを受けているのですから。そこら辺の淑女とは違います」
「君は、嘘ばっかりだな」
「本当です!!」
「君との付き合いは、それなりに長いんだ。嘘か本当か、見分けられる。僕は盾になろう」
「せっかく、結婚して、これから、幸せになるのですよ。そんなバカなこと、言わないでください」
「君には、生き残ってもらわないとな。君が死んだら、我が家はきっと、大変なことになる。これは、我が家のためだ。わかっているだろう。あんなに大々的に帝国中に我が家のことが広まったんだ。皇族の中には、君を恨んでいる者が多いと聞く。君が死んだ時、真っ先に狙われるのは我が家だ」
「………」
うーん、隙がないことを言われた。
ナックルがいう通りにはならない。何故なら、わたくしのことを真の意味で恨んでいる人たちは処刑したからだ。
わたくし、そこまで甘くない。たくさんの皇族を処刑したのは、わたくしが万が一、死んだ後のことを考えてだ。若いから、という理由で失格紋の処理にするべき、と言われた皇族でさえ、処刑したのだ。
皇族の生死なんて、世間は知らない。それは、城の奥の皇族間で語られるだけである。表には、わたくしの命令で処刑された皇族のことは出ない。表に出たのは、先帝シオンの死に様だけである。
色々と後ろ暗い事情を貴族の学校の先輩に話せるはずがない。
「勝手に俺様の役割をとるな!!」
いい時に、横から割り込んでくれる筆頭魔法使いナインは、わたくしの前に立ってくれた。
「皇帝の盾であり鉾であるのは、俺様のみだ。お前ごときが名乗るんじゃない」
「し、失礼いたしました!!」
さすがに筆頭魔法使いナイン相手には、ナックルも強くは出られない。やっぱ、本物は違うわ。わたくしは、所詮、張りぼて皇族よ。
それよりも、わたくしは、この場で絶対に否定しなければいけない事に気づいた。
「いえいえ、わたくし、絶対に戦場には行きませんよ!!」
この場で、なんとなーく、そんな流れになりそうだから、わたくしは、そこの所、きっちりと否定しておく。
「いや、俺様の皇帝はシーアのみだ。皇帝は絶対、戦争に出征だ」
「そんなことしたら、正真正銘、女帝にされちゃうじゃないですか!! 暫定として女帝しているだけなんだから、それなりにいい感じの皇族がいたら、さっさと譲位します」
「今のところ、俺様を満足させる皇族は、お前だけだ」
「帝国のために、我慢してください!!」
「お前を守ると、シオンに誓ったんだ。だったら、お前を女帝として側に置くしかない」
「それ、わたくしの存在はどうでもいいみたいじゃないですか!!」
「いくら俺様でも、シオンに誓ったからといって、気に入らない皇族を側に置いて守るわけがないだろう。シーアだからだ。お前は、俺様の妹だ」
「………兄、姉には、あまり、いい思い出がなくて」
「………」
呆れる筆頭魔法使いナイン。そんな顔しないでください。わたくしの身の上は、家族すら、信じられないほど、不幸なのだ。
わたくしは、それでもナインを盾にして、ナックルと向き合う。ナックルったら、年上だから、余裕の顔を見せる。こいつ、学生の時は、情けない姿ばっかり晒していたくせに。
「ナックル先輩、わたくしの死後なんて、気にしないでください。万が一の時は、筆頭魔法使いが、皇族を止めてくれます。そう、言い聞かせておきますから。力の強い妖精憑きは、嫉妬深いんですよ。気をつけないと、勘違いで、ナックル先輩が消し炭にされます」
「いや、そういう嫉妬はしないぞ」
「妹だって言ったじゃないですか!! わたくしの理想の兄は、妹と結婚したら決闘するようなこじれた妹愛を持つ人です!!!」
「俺様は俺様の妹愛を貫く。そんな、曲がったのじゃない、一般的なのだ」
「それじゃあ、わたくしの根性が曲がってるみたいじゃないですか!!」
「そうだ。自覚しろ」
「そんなぁ」
酷いこと言われた!! わたくしは、筆頭魔法使いナインの背中をどんどんと叩いてやった。
「お前、背中はやめろ!! そこは、ある意味、俺様の弱点だぞ!!!」
「だったら、こうしてやる!!」
わたくしは、ナインの胸を叩いてやった。うーん、わたくしの力では、ナインを痛い目にはあわせられないな。
「君のその腕前では、人一人殺せないな」
結局、わたくしの腕前をナックルに晒すこととなり、わたくしの嘘が露見することとなった。
筆頭魔法使いの屋敷の地下に保管されていた、曰くつきの布地は、影も形もなくなったことを確認して、筆頭魔法使いナインは歯がみした。
「ちくしょー、あいつ、全部、持っていきやがったな!!」
「ねえ、エンジって、何者なんですか? どう見ても、ただの野良の妖精憑きではありませんよね」
さすがに、常にバカなことを考えているわたくしでも、辺境の貧民街の支配者エンジが、ただ物ではない、と気づく。
あの呪われた布地をわざわざ、筆頭魔法使いの地下に保管したのは、城でも、どこでも、保管不可能と判断したからだ。
妖精の呪いというものは、物にも人にも降り掛かる。妖精の呪いを受けた場合、最初は神殿行きとなる。神殿には、それ専用の牢があるのだ。そこに収容され、呪いが外に漏れないように、時間をかけて呪いを浄化していくのだ。
だけど、神殿でも手に負えない呪いというものは存在する。そこまでの呪いは、筆頭魔法使いの屋敷の地下に行くしかない。筆頭魔法使いの屋敷は、城と同じ邸宅型魔法具である。支配は筆頭魔法使いが行い、地下は、筆頭魔法使いの力によって変化すると言われている。
帝国中の妖精憑きを支配下に置ける筆頭魔法使いの力に制御された筆頭魔法使いの屋敷であれば、どんな呪いも制御出来るという。
あの呪われた布地が誕生した経緯は不明である。調査してみれば、ある日、倉庫の奥深くで見つかった、という話だ。どうして、そこにあったのか、記録すら残っていなかったという。
わたくしは、この曰くのある呪われた布地を勘だけで危険と判断し、筆頭魔法使いの屋敷の地下に保管することにしたのだ。筆頭魔法使いナインでさえ、あの呪いを排除出来ないと言ったのだから、その判断は正しい。
帝国最強の妖精憑きであるナインが排除出来なかった呪いを野良の妖精憑きでもあるエンジが綺麗に排除したのだ。布の一部は、今、わたくしの手元にある。驚きの白さだ。
ここまで怪しいとわかるエンジのこと、いつもの通り、ナインは黙り込んだ。
「ナイン、教えてください!!」
「俺様はいくつか知ってるか?」
「わたくしよりもうんと年上ということはわかります」
わたくしが物心ついたころからずっと姿が変わらないナイン。わたくしの倍以上は生きているのは確かだ。
「俺様を拾って育てたエンジも、ずっとあの姿だ。俺のガキの頃から、ずっとだぞ」
「それは、まあ、力の強い妖精憑きのあるあるでしょう。まさか、エンジは百年に一人の才能持ち?」
「だったら、俺様は勝てる!!」
「年の功ですよ。ナインの経験が足りないだけです」
「エンジは、たぶん、凶星の申し子だ」
「………そうかもしれませんね!!」
「信じるのかよ!!」
「さすがナイン。わたくし、思いつきもしませんでした。でも、それは由々しき問題ですね。ナイン、負けてしまってるじゃないですか。このままでは、帝国はエンジに滅ぼされてしまいますよ」
「言い方が軽い!!」
「得体の知れない敵ほど、対処に困ることはありません。エンジの正体が凶星の申し子だというのなら、それなりの方法で対処するだけですよ」
「………お前は、運命だと思ったエンジを殺せるのか?」
「殺すのは皇帝です。わたくしではありませんよ。わたくしは、絶対にただの皇族になって、エンジと辺境に逃げます」
「は?」
「ナイン、覚悟してくださいね。わたくしはいつか、帝国の敵になります」
「お前、なんてことを!!」
「だって、わたくし、皇族には散々なこと言われてますもの。味方する理由、ありませんよ」
どちらかを選べ、と言われたら、わたくしは迷わず、エンジを選ぶ。皇族なんて、滅んでしまえばいい。
「ナイン、その時は、手加減してはいけませんよ」
「お前は永遠に、女帝にしてやる!!」
「じゃあ、本気を出さないと。いくら、エンジのこと、兄と慕っているからと、手加減はいけません」
「手加減なんかしてない!!」
「無意識に、しているのですよ」
「そ、そんなこと、ない」
ちょっと揺さぶってやれば、ナイン、言葉に力がなくなる。こういう所が、妖精憑きの弱い部分だ。
ナインが、どうしても、エンジを遠ざけたい理由は、これでわかりました。ナインなりに、エンジには情があるので、敵対したくないのでしょう。
凶星の申し子とは、一万年に一人誕生するかどうかの、神が与えた帝国の試練です。凶星の申し子もまた、妖精を憑けて誕生するのですが、その妖精は種類が違うため、帝国が行う儀式では判別が出来ません。一応、普通の妖精も憑けていますが、力が弱いため、凶星の申し子は一見すると、平凡な妖精憑きだとか。ですが、生まれもった特殊な妖精は千年の化け物並に強く、また、凶星の申し子自身もまた、帝国中の妖精憑きを支配出来るほどの力を持っていると言われています。
厄介なのは、凶星の申し子は、悪事をすることで、その力を強めていきます。そのため、悪行に手を染め、帝国の災い振り撒きます。しかも、凶星の申し子は、ただ、そこにいるだけで、運命を不幸へと捻じ曲げていくため、あらゆる災いが降り掛かってくるとか。
エンジが辺境の貧民街の支配者となったというのも、凶星の申し子らしい話ですね。
「聞いてるのか、シーア!!」
「聞いてません」
ナインは念仏みたいな皇族の心得を語っているのだが、わたくしは聞いてない。そんなの、皇族教育で聞き飽きました。
皇帝の私室に帰れば、辺境の貧民街の支配者エンジがいました。
「どこでも出入りできるなんて、すごいですね」
「いくら俺様でも、ここには入れない。ここに俺様が入れるように、シーアが許可を出しただろう」
「わたくしの運命ですもの、つい」
わたくしはエンジを歓待しようと、茶器を探す。でも、これをやるのは、筆頭魔法使いナインだ。まず、場所すら知らない。
エンジは、まるで全て悟っているように、茶器を出して、綺麗な動作で、お茶を淹れてくれた。
「エンジも、やっぱり、妖精憑きですね」
「あいつから、俺様のこと、聞いたんだろう」
「ナインったら、もう、エンジに告げ口するなんて」
「シーアの側に、俺様の妖精をつけてる。エンジでは見えない」
「盗み聞きされても困るような話ではありませんよ」
「俺様の運命は、とても、用心深いない。それを予想して、話してるだろう」
エンジのわたくしに対する優しい感じがすっと消えた。わたくしは、危険を肌で感じた。
いつもの好意的な態度はなく、エンジは、適当な椅子にどっかりと座り、わたくしを鋭く見上げた。
「いくら俺様の運命といえども、俺様を裏切るようなことをするなら、容赦しない」
「がっかりです」
「なんだと!?」
「その程度の気持ちで、運命だなんて、がっかりです」
「俺様の気持ちを弄ぶようなことをしておいて!!」
「こっちに来てください」
わたくしは、昔、先帝シオンの私室だった部屋へと入っていく。
エンジは、迷いながらも、わたくしの後に、部屋に入って、驚いた。
そこは、本当に何もない部屋だ。先帝シオンの亡くなり方がひど過ぎて、家具等を全て処分するしかなかった。
そして、わずかに残ったのが、備え付けの衣装室の中身だ。きちんと扉が閉じられていたので、中は綺麗なものだった。
わたくしは、衣装室の扉を開けて、中に残されたものをエンジに見せた。
「なんだ、何も残してないなんて、嘘ついて、あるじゃないか」
唯一、残ったのは、純白の花嫁衣裳だ。それを見て、エンジは笑う。
「よく見てください。これ、わたくしには大きすぎます」
「そう成長すると、予想したんだろう」
「これ、わたくしの産みの母用に、シオンが作ったんです。そう、教えてくれました」
シオンは、本当に、わたくしに、何も残していない。
「シオンは、また、母に会えると思って、今度こそは、と花嫁衣裳を作って、待っていました。私の産みの母の生家は、ともかく人が良く、騙されて、借金を抱えてばかりだという話です。また、同じようなことになって、母が城に職を求めて戻ってくる、とシオンは甘く見ていました。でも、母は、わたくしを産んで、シオンに情念を持つ皇族に殺されました。冷血無敵な皇帝と呼ばれたシオンも、色恋については、頭はお花畑でした」
シオンは、ただ、待っていただけ。行動したのは、花嫁衣裳を作っただけである。
「これは、シオンの後悔です。もっと行動すれば良かった、皇帝なんてやめれば良かった、あの皇族を処刑してしまえば良かった、そう、わたくしに話しました」
「………」
「シオンがわたくしに残したのは、後悔と憎悪です。最後まで、帝国のために尽くしたシオンは、わたくしに言いました。こんなふうになるな、と。なのに、わたくしを女帝にした。本当に、死んだ後まで、皇帝です」
「………」
「エンジ、一緒に、皇族を滅ぼしましょう。あなたは、本当に、わたくしの運命です」
わたくしは笑うしかない。こんな所に、わたくしの復讐の手段がやってきた。まさしく、運命だ。
それまで、強者であったエンジは、わたくしに憐憫の目を向けた。わたくしの身の上を思い出したのだろう。
「こんな、無力な小娘に、酷い奴らだ」
「そうです、わたくしは、皇族というだけで、大した力なんてありません。だから、エンジ、協力してください」
「それは出来ない」
「どうして!! だって、あなたは、凶星の申し子なんでしょう!!!」
「俺様は別に、帝国を滅ぼしたいわけではない。ただ、平穏に過ごして、平穏に滅びたい、それだけだ」
「肝が小さい男なんですね」
思った通りにいかないから、ついつい、口が悪くなる。
でも、エンジはいつもの通り、優しくわたくしに笑いかけてくれた。わたくしの頭を優しく撫でて、抱きしめてくれる。
「俺様が悪かった。ちょっと言われたからって、俺様の運命を疑うなんて、確かに、小さい男だな」
「だったら、手伝ってください。復讐しましょう」
「お前は、いい女だな。皇族を滅ぼすと言って、帝国を滅ぼすとは言わない」
「別に、帝国には恨みがありませんから」
「俺様の運命が幸せになることをしよう」
「それじゃあ、まずは、女帝をやめることです。協力してください」
「それは、なかなか難しいなー」
無理難題に、エンジは苦笑した。さすがの凶星の申し子でも、人の世の決まり事を捻じ曲げられないか。
「お待ちください、シーア様!!」
帰ろうとすると、今日の主役である新郎ナックルの兄が、慌てて、わたくしを呼び止めました。
「お久しぶりです!! 今日は、顔色がいいですね」
いつも、色々と苦労している感じのナックルの兄なんだけど、今日はとっても顔色がいい。
ナックルの兄は、わたくしの前で膝をついた。あー、またかー。
「この度は、我が家の凶事をお救いくださり、ありがとうございます。この御恩、我が家の微力でもってお返しいたします」
「そんな、気にしないでいいですよ。今回のこと、わたくしの都合で利用しただけです。あなたも、また、利用されたのですよ」
「あなた様に、このように利用されるなら、いくらでも利用してください!!」
「もう、詐欺には気をつけてくださいね。それこそが、本当の恩返しです」
「は、はい」
これ以上、お涙頂戴のご恩返しはされたくないので、わたくしは誤魔化した。これ、本当にわたくし都合で利用しただけだから。恩返しされては困る。
わたくしは、話を別の方向へと慌てて反らした。
「良かったですね。これで、ナックル先輩は、家のために、戦争に行く必要はなくなりましたよ」
「いえ、ナックルは、そのまま組織に残ると言ってましたよ」
「………えええええーーーーーーー!!!」
わたくしは、筆頭魔法使いナインに叱られるのもかまわず、新郎ナックルに突進していく。
「ナックル先輩、どういうことですか!?」
「い、いきなり、なんだ。僕は、君にそんなことを言われるようなことはしていない」
「戦争に行くと聞きました」
「だから、会議に参加しているだろう」
「それは、結婚式の招待状をナインに内緒で受け取るための手段としてお願いしただけです」
「僕たちは、君の手下になると誓ったんだ。どこまでも君の力になる」
「バカですか!! わたくしは、どこに行ったって、安全なんですよ!!! わたくしには、妖精の守護がついているから、戦場に立ったって、かすり傷一つつきません。毒殺だって、出来ないのですから」
「皇族同士は、殺しあえるだろう」
「その時は、まあ、卑怯な手段で相手を殺すだけです。これでも、わたくしは、シオンに手ほどきを受けているのですから。そこら辺の淑女とは違います」
「君は、嘘ばっかりだな」
「本当です!!」
「君との付き合いは、それなりに長いんだ。嘘か本当か、見分けられる。僕は盾になろう」
「せっかく、結婚して、これから、幸せになるのですよ。そんなバカなこと、言わないでください」
「君には、生き残ってもらわないとな。君が死んだら、我が家はきっと、大変なことになる。これは、我が家のためだ。わかっているだろう。あんなに大々的に帝国中に我が家のことが広まったんだ。皇族の中には、君を恨んでいる者が多いと聞く。君が死んだ時、真っ先に狙われるのは我が家だ」
「………」
うーん、隙がないことを言われた。
ナックルがいう通りにはならない。何故なら、わたくしのことを真の意味で恨んでいる人たちは処刑したからだ。
わたくし、そこまで甘くない。たくさんの皇族を処刑したのは、わたくしが万が一、死んだ後のことを考えてだ。若いから、という理由で失格紋の処理にするべき、と言われた皇族でさえ、処刑したのだ。
皇族の生死なんて、世間は知らない。それは、城の奥の皇族間で語られるだけである。表には、わたくしの命令で処刑された皇族のことは出ない。表に出たのは、先帝シオンの死に様だけである。
色々と後ろ暗い事情を貴族の学校の先輩に話せるはずがない。
「勝手に俺様の役割をとるな!!」
いい時に、横から割り込んでくれる筆頭魔法使いナインは、わたくしの前に立ってくれた。
「皇帝の盾であり鉾であるのは、俺様のみだ。お前ごときが名乗るんじゃない」
「し、失礼いたしました!!」
さすがに筆頭魔法使いナイン相手には、ナックルも強くは出られない。やっぱ、本物は違うわ。わたくしは、所詮、張りぼて皇族よ。
それよりも、わたくしは、この場で絶対に否定しなければいけない事に気づいた。
「いえいえ、わたくし、絶対に戦場には行きませんよ!!」
この場で、なんとなーく、そんな流れになりそうだから、わたくしは、そこの所、きっちりと否定しておく。
「いや、俺様の皇帝はシーアのみだ。皇帝は絶対、戦争に出征だ」
「そんなことしたら、正真正銘、女帝にされちゃうじゃないですか!! 暫定として女帝しているだけなんだから、それなりにいい感じの皇族がいたら、さっさと譲位します」
「今のところ、俺様を満足させる皇族は、お前だけだ」
「帝国のために、我慢してください!!」
「お前を守ると、シオンに誓ったんだ。だったら、お前を女帝として側に置くしかない」
「それ、わたくしの存在はどうでもいいみたいじゃないですか!!」
「いくら俺様でも、シオンに誓ったからといって、気に入らない皇族を側に置いて守るわけがないだろう。シーアだからだ。お前は、俺様の妹だ」
「………兄、姉には、あまり、いい思い出がなくて」
「………」
呆れる筆頭魔法使いナイン。そんな顔しないでください。わたくしの身の上は、家族すら、信じられないほど、不幸なのだ。
わたくしは、それでもナインを盾にして、ナックルと向き合う。ナックルったら、年上だから、余裕の顔を見せる。こいつ、学生の時は、情けない姿ばっかり晒していたくせに。
「ナックル先輩、わたくしの死後なんて、気にしないでください。万が一の時は、筆頭魔法使いが、皇族を止めてくれます。そう、言い聞かせておきますから。力の強い妖精憑きは、嫉妬深いんですよ。気をつけないと、勘違いで、ナックル先輩が消し炭にされます」
「いや、そういう嫉妬はしないぞ」
「妹だって言ったじゃないですか!! わたくしの理想の兄は、妹と結婚したら決闘するようなこじれた妹愛を持つ人です!!!」
「俺様は俺様の妹愛を貫く。そんな、曲がったのじゃない、一般的なのだ」
「それじゃあ、わたくしの根性が曲がってるみたいじゃないですか!!」
「そうだ。自覚しろ」
「そんなぁ」
酷いこと言われた!! わたくしは、筆頭魔法使いナインの背中をどんどんと叩いてやった。
「お前、背中はやめろ!! そこは、ある意味、俺様の弱点だぞ!!!」
「だったら、こうしてやる!!」
わたくしは、ナインの胸を叩いてやった。うーん、わたくしの力では、ナインを痛い目にはあわせられないな。
「君のその腕前では、人一人殺せないな」
結局、わたくしの腕前をナックルに晒すこととなり、わたくしの嘘が露見することとなった。
筆頭魔法使いの屋敷の地下に保管されていた、曰くつきの布地は、影も形もなくなったことを確認して、筆頭魔法使いナインは歯がみした。
「ちくしょー、あいつ、全部、持っていきやがったな!!」
「ねえ、エンジって、何者なんですか? どう見ても、ただの野良の妖精憑きではありませんよね」
さすがに、常にバカなことを考えているわたくしでも、辺境の貧民街の支配者エンジが、ただ物ではない、と気づく。
あの呪われた布地をわざわざ、筆頭魔法使いの地下に保管したのは、城でも、どこでも、保管不可能と判断したからだ。
妖精の呪いというものは、物にも人にも降り掛かる。妖精の呪いを受けた場合、最初は神殿行きとなる。神殿には、それ専用の牢があるのだ。そこに収容され、呪いが外に漏れないように、時間をかけて呪いを浄化していくのだ。
だけど、神殿でも手に負えない呪いというものは存在する。そこまでの呪いは、筆頭魔法使いの屋敷の地下に行くしかない。筆頭魔法使いの屋敷は、城と同じ邸宅型魔法具である。支配は筆頭魔法使いが行い、地下は、筆頭魔法使いの力によって変化すると言われている。
帝国中の妖精憑きを支配下に置ける筆頭魔法使いの力に制御された筆頭魔法使いの屋敷であれば、どんな呪いも制御出来るという。
あの呪われた布地が誕生した経緯は不明である。調査してみれば、ある日、倉庫の奥深くで見つかった、という話だ。どうして、そこにあったのか、記録すら残っていなかったという。
わたくしは、この曰くのある呪われた布地を勘だけで危険と判断し、筆頭魔法使いの屋敷の地下に保管することにしたのだ。筆頭魔法使いナインでさえ、あの呪いを排除出来ないと言ったのだから、その判断は正しい。
帝国最強の妖精憑きであるナインが排除出来なかった呪いを野良の妖精憑きでもあるエンジが綺麗に排除したのだ。布の一部は、今、わたくしの手元にある。驚きの白さだ。
ここまで怪しいとわかるエンジのこと、いつもの通り、ナインは黙り込んだ。
「ナイン、教えてください!!」
「俺様はいくつか知ってるか?」
「わたくしよりもうんと年上ということはわかります」
わたくしが物心ついたころからずっと姿が変わらないナイン。わたくしの倍以上は生きているのは確かだ。
「俺様を拾って育てたエンジも、ずっとあの姿だ。俺のガキの頃から、ずっとだぞ」
「それは、まあ、力の強い妖精憑きのあるあるでしょう。まさか、エンジは百年に一人の才能持ち?」
「だったら、俺様は勝てる!!」
「年の功ですよ。ナインの経験が足りないだけです」
「エンジは、たぶん、凶星の申し子だ」
「………そうかもしれませんね!!」
「信じるのかよ!!」
「さすがナイン。わたくし、思いつきもしませんでした。でも、それは由々しき問題ですね。ナイン、負けてしまってるじゃないですか。このままでは、帝国はエンジに滅ぼされてしまいますよ」
「言い方が軽い!!」
「得体の知れない敵ほど、対処に困ることはありません。エンジの正体が凶星の申し子だというのなら、それなりの方法で対処するだけですよ」
「………お前は、運命だと思ったエンジを殺せるのか?」
「殺すのは皇帝です。わたくしではありませんよ。わたくしは、絶対にただの皇族になって、エンジと辺境に逃げます」
「は?」
「ナイン、覚悟してくださいね。わたくしはいつか、帝国の敵になります」
「お前、なんてことを!!」
「だって、わたくし、皇族には散々なこと言われてますもの。味方する理由、ありませんよ」
どちらかを選べ、と言われたら、わたくしは迷わず、エンジを選ぶ。皇族なんて、滅んでしまえばいい。
「ナイン、その時は、手加減してはいけませんよ」
「お前は永遠に、女帝にしてやる!!」
「じゃあ、本気を出さないと。いくら、エンジのこと、兄と慕っているからと、手加減はいけません」
「手加減なんかしてない!!」
「無意識に、しているのですよ」
「そ、そんなこと、ない」
ちょっと揺さぶってやれば、ナイン、言葉に力がなくなる。こういう所が、妖精憑きの弱い部分だ。
ナインが、どうしても、エンジを遠ざけたい理由は、これでわかりました。ナインなりに、エンジには情があるので、敵対したくないのでしょう。
凶星の申し子とは、一万年に一人誕生するかどうかの、神が与えた帝国の試練です。凶星の申し子もまた、妖精を憑けて誕生するのですが、その妖精は種類が違うため、帝国が行う儀式では判別が出来ません。一応、普通の妖精も憑けていますが、力が弱いため、凶星の申し子は一見すると、平凡な妖精憑きだとか。ですが、生まれもった特殊な妖精は千年の化け物並に強く、また、凶星の申し子自身もまた、帝国中の妖精憑きを支配出来るほどの力を持っていると言われています。
厄介なのは、凶星の申し子は、悪事をすることで、その力を強めていきます。そのため、悪行に手を染め、帝国の災い振り撒きます。しかも、凶星の申し子は、ただ、そこにいるだけで、運命を不幸へと捻じ曲げていくため、あらゆる災いが降り掛かってくるとか。
エンジが辺境の貧民街の支配者となったというのも、凶星の申し子らしい話ですね。
「聞いてるのか、シーア!!」
「聞いてません」
ナインは念仏みたいな皇族の心得を語っているのだが、わたくしは聞いてない。そんなの、皇族教育で聞き飽きました。
皇帝の私室に帰れば、辺境の貧民街の支配者エンジがいました。
「どこでも出入りできるなんて、すごいですね」
「いくら俺様でも、ここには入れない。ここに俺様が入れるように、シーアが許可を出しただろう」
「わたくしの運命ですもの、つい」
わたくしはエンジを歓待しようと、茶器を探す。でも、これをやるのは、筆頭魔法使いナインだ。まず、場所すら知らない。
エンジは、まるで全て悟っているように、茶器を出して、綺麗な動作で、お茶を淹れてくれた。
「エンジも、やっぱり、妖精憑きですね」
「あいつから、俺様のこと、聞いたんだろう」
「ナインったら、もう、エンジに告げ口するなんて」
「シーアの側に、俺様の妖精をつけてる。エンジでは見えない」
「盗み聞きされても困るような話ではありませんよ」
「俺様の運命は、とても、用心深いない。それを予想して、話してるだろう」
エンジのわたくしに対する優しい感じがすっと消えた。わたくしは、危険を肌で感じた。
いつもの好意的な態度はなく、エンジは、適当な椅子にどっかりと座り、わたくしを鋭く見上げた。
「いくら俺様の運命といえども、俺様を裏切るようなことをするなら、容赦しない」
「がっかりです」
「なんだと!?」
「その程度の気持ちで、運命だなんて、がっかりです」
「俺様の気持ちを弄ぶようなことをしておいて!!」
「こっちに来てください」
わたくしは、昔、先帝シオンの私室だった部屋へと入っていく。
エンジは、迷いながらも、わたくしの後に、部屋に入って、驚いた。
そこは、本当に何もない部屋だ。先帝シオンの亡くなり方がひど過ぎて、家具等を全て処分するしかなかった。
そして、わずかに残ったのが、備え付けの衣装室の中身だ。きちんと扉が閉じられていたので、中は綺麗なものだった。
わたくしは、衣装室の扉を開けて、中に残されたものをエンジに見せた。
「なんだ、何も残してないなんて、嘘ついて、あるじゃないか」
唯一、残ったのは、純白の花嫁衣裳だ。それを見て、エンジは笑う。
「よく見てください。これ、わたくしには大きすぎます」
「そう成長すると、予想したんだろう」
「これ、わたくしの産みの母用に、シオンが作ったんです。そう、教えてくれました」
シオンは、本当に、わたくしに、何も残していない。
「シオンは、また、母に会えると思って、今度こそは、と花嫁衣裳を作って、待っていました。私の産みの母の生家は、ともかく人が良く、騙されて、借金を抱えてばかりだという話です。また、同じようなことになって、母が城に職を求めて戻ってくる、とシオンは甘く見ていました。でも、母は、わたくしを産んで、シオンに情念を持つ皇族に殺されました。冷血無敵な皇帝と呼ばれたシオンも、色恋については、頭はお花畑でした」
シオンは、ただ、待っていただけ。行動したのは、花嫁衣裳を作っただけである。
「これは、シオンの後悔です。もっと行動すれば良かった、皇帝なんてやめれば良かった、あの皇族を処刑してしまえば良かった、そう、わたくしに話しました」
「………」
「シオンがわたくしに残したのは、後悔と憎悪です。最後まで、帝国のために尽くしたシオンは、わたくしに言いました。こんなふうになるな、と。なのに、わたくしを女帝にした。本当に、死んだ後まで、皇帝です」
「………」
「エンジ、一緒に、皇族を滅ぼしましょう。あなたは、本当に、わたくしの運命です」
わたくしは笑うしかない。こんな所に、わたくしの復讐の手段がやってきた。まさしく、運命だ。
それまで、強者であったエンジは、わたくしに憐憫の目を向けた。わたくしの身の上を思い出したのだろう。
「こんな、無力な小娘に、酷い奴らだ」
「そうです、わたくしは、皇族というだけで、大した力なんてありません。だから、エンジ、協力してください」
「それは出来ない」
「どうして!! だって、あなたは、凶星の申し子なんでしょう!!!」
「俺様は別に、帝国を滅ぼしたいわけではない。ただ、平穏に過ごして、平穏に滅びたい、それだけだ」
「肝が小さい男なんですね」
思った通りにいかないから、ついつい、口が悪くなる。
でも、エンジはいつもの通り、優しくわたくしに笑いかけてくれた。わたくしの頭を優しく撫でて、抱きしめてくれる。
「俺様が悪かった。ちょっと言われたからって、俺様の運命を疑うなんて、確かに、小さい男だな」
「だったら、手伝ってください。復讐しましょう」
「お前は、いい女だな。皇族を滅ぼすと言って、帝国を滅ぼすとは言わない」
「別に、帝国には恨みがありませんから」
「俺様の運命が幸せになることをしよう」
「それじゃあ、まずは、女帝をやめることです。協力してください」
「それは、なかなか難しいなー」
無理難題に、エンジは苦笑した。さすがの凶星の申し子でも、人の世の決まり事を捻じ曲げられないか。
0
あなたにおすすめの小説
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
過労死して転生したので絶対に働かないと決めたのに、何をしても才能がバレる件
やんやんつけバー
ファンタジー
過労死して異世界転生。今度こそ絶対に働かないと決めたのに、何をやっても才能がバレてしまう——。農村で静かに暮らすはずが、魔力、農業、医療……気づけば誰も放っておかない。チートで穏やか系の異世界スローライフ。
イジメられっ子世に憚る。
satomi
ファンタジー
主人公須藤正巳はぼんやりと教室で授業を受けていた。その時、突然教室中に物凄い量の光が…。 正巳が属する2-C全員が異世界転移することとなってしまった。 その世界では今まで正巳が陰キャとして読み漁ったラノベともゲームとも異なり、レベルがカウントダウン制。つまりレベル999よりレベル1の方が強い。という世界だった。 そんな中、クラスのリーダー的陽キャである神谷により全員で教室の外に出ることに。 いきなりドラゴンに出会い、クラスの全員がとった行動が『正巳を囮にして逃げること』だった。 なんとか生き延びた正巳は、まず逃げた連中へ復讐を誓う。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
追放された公爵令息、神竜と共に辺境スローライフを満喫する〜無敵領主のまったり改革記〜
たまごころ
ファンタジー
無実の罪で辺境に追放された公爵令息アレン。
だが、その地では神竜アルディネアが眠っていた。
契約によって最強の力を得た彼は、戦いよりも「穏やかな暮らし」を選ぶ。
農地改革、温泉開発、魔導具づくり──次々と繁栄する辺境領。
そして、かつて彼を貶めた貴族たちが、その繁栄にひれ伏す時が来る。
戦わずとも勝つ、まったりざまぁ無双ファンタジー!
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
生きるために逃げだした。幸せになりたい。
白水緑
ファンタジー
屋敷内に軟禁状態だったリリアは、宝物を取り戻したことをきっかけに屋敷から逃げ出した。幸せになるために。体力も力もない。成り行きに身を任せる結果になっても、自分の道は自分で選びたい。
2020/9/19 第一章終了
続きが書け次第また連載再開します。
2021/2/14 第二章開幕
2021/2/28 完結
この世界はわたしが創ったんだから、わたしが主人公ってことでいいんだよね!? ~異世界神話創世少女 vs 錯誤世界秩序機能~
儀仗空論・紙一重
ファンタジー
これは、物語を作る物語。
空白のページのような真っ白な世界から錯誤世界へと放り出されたのは、何も知らない、何も持たない少女。
記憶すら持たない少女は、自分が何者であるかを探す中で、“始源拾弐機関”という物語、そして、この世界へと転生者を召喚する神と出会う。
対話と対峙、旅をする中で出会うそれらが、きっと少女を成長させていく。
世界を創ったのは誰で、神話を語るのは誰で、この物語は誰のものなのか。
これは、少女が物語を作る物語。
※随時、加筆修正を行っております。また、誤字脱字、表記ぶれなど、気になるところがあればご報告いただけるとありがたいです。
※少し転生モノをメタっていますが嫌いな訳ではありません、ご了承下さい。勘弁して下さい。
※筆者はボカロが好きです。
※タイトルや章の文字化け黒塗り等は仕様です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる