43 / 52
思い上がりの皇族
婚約
しおりを挟む
シーアのことが本格的に嫌った僕は、仲間を引き連れ、シーアを虐めた。
「あんな卑怯な方法で盤上遊戯に勝ったからって、いい気になるなよ!!」
結局、僕は、盤上遊戯でも、シーアに負けた。シーアは、卑怯とも言われる方法で、ほとんど全滅の状態でありながら、僕から皇帝の駒を奪ったのだ。
だが、これは負け惜しみだ。シーアと同じ戦術はどうあがいても、僕には無理だから、シーアと同じように駒を全て使ったのだ。
だけど、駒の多さに、僕は翻弄された。それを嘲笑うかのように、シーアは、あえて、全滅に近い駒の消耗を見せたのだ。
対戦してわかった。シーアは、あえて、全滅に近い駒の消耗をしているのだ。そうして、相手から皇帝の駒を奪う。
絶対に、盤上には、魔法使いと皇帝を出さない。それが、シーアの盤上遊戯だ。
「こいつ、魔法使いを真っ先に攻撃して」
「奪った魔法使いの駒も処刑するなんて、最低だ!!」
「皇族の恥め!!」
一方的な暴力に、シーアは顔を庇ったりするだけで、抵抗しない。
「頭ばっかりで、体のほうはこれっぽっちも鍛えてない」
「女でも、体術剣術はするってのにな!!」
実際、シーアは、実技は一方的に受けるだけだ。別に、皇族は、戦争に出なければならないわけではない。体術剣術を学ぶのは、皇族同士の殺し合いに対抗するためである。
皇族は、筆頭魔法使いの妖精に守られているため、戦場に出ても、死ぬことはない。だが、皇族同士の戦いには、筆頭魔法使いの妖精は動かない。だから、戦い方を身に着けて、皇族同士の戦いでも生き残れるようにするのだ。
だが、シーアは、体術剣術では木偶の棒だった。同じ女同士でも、シーアは一方的に打ちのめされていた。
僕が仲間を連れて来なくても、僕一人で、シーアを痛めつけられる。だけど、シーアのことを嫌う仲間が多いので、声をかけたら、我も我もと集まっただけだ。
そうして、シーアは一方的にやられていった。
「何をしてるんだ!!」
そこに、皇帝シオンが筆頭魔法使いナインを連れてやってきた。
すぐに逃げようとしたが、逃げ道の先に、苦い表情をする皇族エッセンと数名の皇族が立ちはだかっていた。
「お祖父様、どういてください!!」
「この、バカものめ」
しかし、孫バカと言われる皇族エッセンは、皇帝の前で、僕を逃がしてくれなかった。
「シーア、また、傷だらけになって」
「痛くないので、大丈夫ですよ」
筆頭魔法使いナインが抱き上げると、シーアは綺麗な笑顔を向ける。
「シオン、見てみろ。青あざがこんなに」
「擦り傷も、服だって破れて、なんてことだ」
「痛くないです。服は、着替えればいいだけです」
ナインとシオン、二人がかりで心配しているというのに、シーアは平然としている。顔にだって、傷があるというのに、シーアは痛がっていない。
「頭は、大丈夫か?」
ナインが真っ青になって、シーアの頭を撫でて心配する。髪で隠れた傷をナインは触れて、探した。
「頭はきちんと庇いました」
「こんな目にあわないように、逃げろよ!!」
「走るのも苦手で」
「お前たち、男のくせに、たった一人の女に暴力なんて、恥ずかしいことするな!!」
シーアがこれっぽっちも気にしていないことが、ナインの怒りを強くする。
僕たちは、大人たちに無理矢理、土下座させられた。僕を土下座させたのは、祖父である皇族エッセンだ。
「申し訳ない」
「孫には随分と甘いな」
「ワシが甘やかしたせいじゃ」
僕が悪いのに、エッセンが皇帝シオンの責めを受けた。エッセンまで、深く頭を下げた。
僕はエッセンがこんなふうに頭を下げたところを見たことがない。皇族でエッセンに逆らえる者はいない。そんな偉大な祖父の頭を下げさせたのは、僕だ。
「ご、ごめんなさいぃ」
僕は泣いて、謝った。全て、僕が悪い。
「謝罪すれば許されるなんて、甘いな。戦争では、失敗は負けだ。皇族は、失敗が許されないんだ」
「ワシの失敗じゃ。ワシが悪い!!」
「お前が受けたって、どうせ、甘やかしてるんだから、同じことを繰り返す。罰は当事者が受けるべきだ。見せしめには丁度いい」
「ど、どうか、シオン、頼む!!」
「ナイン、ここにいるガキどもは、次の戦争で出征だ」
エッセンが頭を下げて頼んでも、皇帝シオンは僕たちを許さなかった。
シーアが十歳を過ぎてしばらくの頃。僕とシーアは婚約することとなった。
「戦争に出ればいいことだろう」
「メフノフが間違いを犯したのですから、仕方のないことだというのに」
僕の両親は、とても厳しい人だ。僕のやらかしを聞いて、僕を叱って、戦争への出征も当然といった。僕は、どうせ戦争に行くつもりだったので、これは、大した罰ではなかった。
だが、祖父である皇族エッセンは違う。皇帝シオンが若い頃に戦争に行った経験があることから、戦争の悲惨さを知っていた。
「皇族といえども、生きて戻れるわけではない」
「メフノフが皇族であれば、筆頭魔法使いの妖精が守ってくれます」
「捕虜となった時、帝国には戻ってこれん。実際、そういうことがあったんじゃ」
「それは、仕方がないことですよ。捕虜となった場合、帝国は死んだものと扱う、となっていますから」
「それで、メフノフが戻って来れなかったら、どうするんじゃ!!」
「それは」
「まあ」
「戦争を知らんから、そう言えるんじゃ!!」
両親は、戦争を知らないから、言い返せない。
エッセンは、僕の肩をつかんで、厳しい目を向けた。
「いいか、シーアとは仲良くするんじゃ」
「あんな女と婚約なんてイヤだ!!」
「まあまあ、シーアは皇族失格になる、なんて言われてる」
「皇族失格であれば、婚約の話も流れる」
両親はシーアの噂を信じた。
だが、僕と皇族エッセンは知っている。シーアは皇族だ。
皇族は、十年に一度の皇族の儀式を通った者がなれるものだ。筆頭魔法使いを跪けさせれば、皇族である。
だが、この皇族の儀式をしなくても、筆頭魔法使いであれば、一目で、皇族かどうかわかるのだ。
筆頭魔法使いナインは、シーアが皇族であることを知っている。もちろん、皇帝シオンはナインから報告を受けている。僕も、皇族だと、秘密裡に教えられた。
当のシーアは、皇族だとは知らない。
何か目的があるようで、シーアが皇族であることをシーアの家族でも秘密にしていた。なのに、僕とエッセンには、秘密を打ち明けたのだ。
「いいか、お前は、死ぬまで、シーアを守るんだ」
皇帝シオンは僕にそう命じた。この婚約、シオンが生きている限り、逃げ道はない。
見た目が若いシオン。筆頭魔法使いナインの魔法で、その体は若いままに保たれているが、それなりに高齢だという。シオンの弟は孫までいるのだ。シオンだって、本当は、孫までいるほどの高齢である。
シオンが先に死ねば、僕は自由になれる。
それがいつの事かはわからない。この見た目である。今も、皇位簒奪を防ぐために体を鍛えているという。十歳のシーアを軽々と片腕で抱き上げられるほどだから、余程だろう。
両親には耐えろ、と言われ、祖父である皇族エッセンは頭を抱えられ、僕は落ち込むしかなかった。僕は、これまで、問題らしい問題を起こしたことがない優等生だった。だから、この程度の問題で、家族まで呆れさせるとは、思ってもいなかったのだ。
僕がシーアの婚約することになって、すぐに、異議申し立てが出た。
「勝手に決めないでくれ!!」
よりによって、シーアの両親である。
「エッセンの孫は不満か?」
「エッセンの孫が可哀想だろう!!」
シーアの両親は、娘よりも僕の味方をした。
「そうよ、この欠陥品と婚約だなんて、神童と呼ばれるメフノフの名に傷がつくわ」
「まだ、シーアのことを欠陥品というのか。シーアは、皇族の教育でも、優秀な成績をとっているというのに。お前たちの子の中で、シーアは一番、優秀だぞ」
「きっと、不正をしているのよ」
シーアの両親は、皇帝シオンの後ろに立つ筆頭魔法使いナインを見る。
家族であるからこそ、シーアは不正している、と思うのだ。狂人シーアを生まれた時からずっと育てたのだ。
きっと、シーアを皇族にするため、筆頭魔法使いナインがこっそり不正をしているのだろう、と。
皇帝シオンと筆頭魔法使いナインが、狂人シーアを可愛がっているのは、周知されていた。皇族教育を受ける前まで、シーアが狂人の姿が強かった。だから、シーアが優秀であることを信じない者は多い。
さらに、家族まで、シーアは欠陥品というのだ。シーアは不出来だと、皆、信じていた。
だから、神童と呼ばれる僕がシーアと婚約関係となると、僕を憐れんだ。
「そういうが、お前たちは、シーアの婚約者を決めないじゃないか。他の子どもたちは、シーアの年頃には、婚約者はいたというのにな」
「シーアはイヤだ、と断られているんです」
「シーアの狂った血筋を誰もいれたくないのよ」
「その元は、お前たちだな。ということは、お前たちの血筋は狂っているということだな。僕の甥姪の結婚相手は気の毒に。だったら、血筋を残しては危ないから、離縁させ、増えないようにしよう」
「シーアだけが、狂っているのよ!!」
「生まれてきた子どものせいにするんじゃない。見苦しい女め」
皇帝シオンは、シーアの母ネフティを蔑んだ。
ネフティは、シオンから冷たく見られ、悔しそうに顔を歪める。昔は、とても綺麗な女だったという。孫までいる年齢となっても、ネフティはそれなりの美しさがある。
しかし、ネフティは、居合わせたシーアを見ると、醜い顔となって、シーアにつかみかかった。
「お前がシオンにいらぬことをいうから!!」
「やめろ!!」
首まで絞める勢いのネフティからシーアを助ける皇帝シオン。それでも、ネフティはシーアの手足を掴み、爪をたてて傷つけた。
「お前は、また、その爪で娘を傷つけて!! 首にも傷が!!!」
シオンは人前であろうとも、容赦なく、ネフティの頬を平手で叩いた。
「兄上、ネフティに何をするんだ!!」
「娘が傷だらけになって、いうことはそれか!!」
シオンの弟は、責められても、ネフティを体で庇った。ネフティは、シオンの弟の胸で嗚咽を漏らす。
「ナイン、シーアのことを頼む」
「顔にまで傷つけやがって!!」
「痛くありませんから、大丈夫ですよ」
血まで流れているというのに、シーアは笑顔である。
あれは痛いだろう。よく手入れされた爪でつけられた傷は、見ていても痛そうだ。
シーアがナインによってその場からいなくなると、シオンはシーアの両親に吐き捨てた。
「お前たちが見つけられないというから、僕が決めてやったんだ。これで、シーアの婚約問題は解決だ」
「し、しかし」
「メフノフの家族からは、それでいいと了承の返事を貰っている。良かったな」
「………」
相手側が了承しているので、もう、シーアの両親は婚約について、文句は言えなかった。
シーアと僕は、週に一度、交流を深めるための茶会を強制的に行うこととなった。皇帝シオンが命じたのだ。
「シーアのことをきちんと見るんだ」
ものすごくイヤだった。皇族教育だって同じ時間帯だ。これ以上、シーアのことなんか見たくない。
対するシーアは、いつもの笑顔だ。茶会の場は、筆頭魔法使いナインによって整えられ、最初の頃はナインに監視までされた。
「気の利いた話をしろ」
ただ、茶を飲んでいるだけなのに文句をいうナイン。
「ナインのお茶は、美味しいですね」
「まあな。俺様はそれぞれの好みで淹れるからな」
「皇帝シオンの胃袋をつかんでいますね」
「俺様がいる限り、シオンには男も女も近づけさせない」
「シオンとナインは、男同士ですが、愛し合っているのですね」
「………」
シーアがおかしなことをいうので、筆頭魔法使いナインは黙り込んだ。
これでは、僕とシーアの茶会ではなく、シーアと筆頭魔法使いナインの茶会だな。
僕は沈黙を続けると、ナインは僕の頭を軽くこずいた。
「お前も何か話せ」
「毎日、顔を合わせてるんだ。話すことなんてない」
「盤上遊戯の話題は、聞きたくないですね」
「そんな話してないよ!!」
シーアは、僕のこと、盤上遊戯狂と思い込んでいた。
「でも、メフノフは、エッセンと幼い頃から盤上遊戯をしているのですよね」
「お祖父様は、普段から、盤上遊戯の話ばかりするわけじゃない」
「エッセンはいつも、メフノフは優秀だ、将来は盤上遊戯は強くなる、といつも自慢していますよ」
「どうして、お前がその話をするんだ」
「盤上遊戯をしよう、と誘ってくるから、断るだけでは悪いので、孫自慢を聞いています」
うんざりした顔でいうシーア。
僕は、シーアと祖父エッセンが、仲良く話しているなんて知らない。しかも、シーアは迷惑がっている。
昔は、シーアが迷惑がられる存在だった。気持ち悪い笑みを貼り付けて、誰かれかまわず、近づいてきて、皆、避けたのだ。
それが、今では、皇族の中では頭を下げられるほどの立場の皇族エッセンの孫自慢をシーアが迷惑がっているのだ。
「ナインを前にして、メフノフだって、話しづらいこともあるでしょう。ナインは、場の準備だけでいいので、茶会は、わたくしとメフノフの二人だけにしてください」
「メフノフと二人っきりだなんて、危ないじゃないか!!」
「僕だって、相手を選ぶ!!!」
せっかく、シーアが場を誤魔化してくれたのに、筆頭魔法使いナインは、とんでもない心配を口にする。
シーアを目の前にして、失礼なことを言ったと気づいた時、筆頭魔法使いナインが僕の顔を拳で殴った。
「俺様とシオンが手がけたシーアを悪くいうな」
「や、やめてください!!」
椅子から吹っ飛ぶ僕に駆け寄るシーアが、さらに殴ろうとするナインを止めた。
「わたくしには、メフノフは勿体ない人です!! 人望厚く、神童と呼ばれる聡明さ、将来は皇族エッセンのような立派な皇族になるだろう、と言われています。わたくしには、過ぎた人です!!!」
「シーアは、人の何倍、何十倍も努力して、今では、皇族教育でも、優秀な成績をとっているじゃないか!!」
「そうです、人の何倍も、何十倍も努力して、やっと人並なんです」
何故か、ボロボロと泣き出すシーア。筆頭魔法使いナインは、慌てて、泣き出すシーアを抱きしめた。
「誉めたつもりなのに」
「わかっています。えっと、これは、嬉し泣きです」
ナインの胸から顔をあげたシーアは、引きつった笑顔を見せた。無理している、と僕でもわかる。
「もう、わたくしとメフノフの茶会を邪魔しないでください」
「ご、ごめん」
それから、ナインは、茶会の準備をするだけで、僕とシーアの茶会には顔を出さなくなった。
「あんな卑怯な方法で盤上遊戯に勝ったからって、いい気になるなよ!!」
結局、僕は、盤上遊戯でも、シーアに負けた。シーアは、卑怯とも言われる方法で、ほとんど全滅の状態でありながら、僕から皇帝の駒を奪ったのだ。
だが、これは負け惜しみだ。シーアと同じ戦術はどうあがいても、僕には無理だから、シーアと同じように駒を全て使ったのだ。
だけど、駒の多さに、僕は翻弄された。それを嘲笑うかのように、シーアは、あえて、全滅に近い駒の消耗を見せたのだ。
対戦してわかった。シーアは、あえて、全滅に近い駒の消耗をしているのだ。そうして、相手から皇帝の駒を奪う。
絶対に、盤上には、魔法使いと皇帝を出さない。それが、シーアの盤上遊戯だ。
「こいつ、魔法使いを真っ先に攻撃して」
「奪った魔法使いの駒も処刑するなんて、最低だ!!」
「皇族の恥め!!」
一方的な暴力に、シーアは顔を庇ったりするだけで、抵抗しない。
「頭ばっかりで、体のほうはこれっぽっちも鍛えてない」
「女でも、体術剣術はするってのにな!!」
実際、シーアは、実技は一方的に受けるだけだ。別に、皇族は、戦争に出なければならないわけではない。体術剣術を学ぶのは、皇族同士の殺し合いに対抗するためである。
皇族は、筆頭魔法使いの妖精に守られているため、戦場に出ても、死ぬことはない。だが、皇族同士の戦いには、筆頭魔法使いの妖精は動かない。だから、戦い方を身に着けて、皇族同士の戦いでも生き残れるようにするのだ。
だが、シーアは、体術剣術では木偶の棒だった。同じ女同士でも、シーアは一方的に打ちのめされていた。
僕が仲間を連れて来なくても、僕一人で、シーアを痛めつけられる。だけど、シーアのことを嫌う仲間が多いので、声をかけたら、我も我もと集まっただけだ。
そうして、シーアは一方的にやられていった。
「何をしてるんだ!!」
そこに、皇帝シオンが筆頭魔法使いナインを連れてやってきた。
すぐに逃げようとしたが、逃げ道の先に、苦い表情をする皇族エッセンと数名の皇族が立ちはだかっていた。
「お祖父様、どういてください!!」
「この、バカものめ」
しかし、孫バカと言われる皇族エッセンは、皇帝の前で、僕を逃がしてくれなかった。
「シーア、また、傷だらけになって」
「痛くないので、大丈夫ですよ」
筆頭魔法使いナインが抱き上げると、シーアは綺麗な笑顔を向ける。
「シオン、見てみろ。青あざがこんなに」
「擦り傷も、服だって破れて、なんてことだ」
「痛くないです。服は、着替えればいいだけです」
ナインとシオン、二人がかりで心配しているというのに、シーアは平然としている。顔にだって、傷があるというのに、シーアは痛がっていない。
「頭は、大丈夫か?」
ナインが真っ青になって、シーアの頭を撫でて心配する。髪で隠れた傷をナインは触れて、探した。
「頭はきちんと庇いました」
「こんな目にあわないように、逃げろよ!!」
「走るのも苦手で」
「お前たち、男のくせに、たった一人の女に暴力なんて、恥ずかしいことするな!!」
シーアがこれっぽっちも気にしていないことが、ナインの怒りを強くする。
僕たちは、大人たちに無理矢理、土下座させられた。僕を土下座させたのは、祖父である皇族エッセンだ。
「申し訳ない」
「孫には随分と甘いな」
「ワシが甘やかしたせいじゃ」
僕が悪いのに、エッセンが皇帝シオンの責めを受けた。エッセンまで、深く頭を下げた。
僕はエッセンがこんなふうに頭を下げたところを見たことがない。皇族でエッセンに逆らえる者はいない。そんな偉大な祖父の頭を下げさせたのは、僕だ。
「ご、ごめんなさいぃ」
僕は泣いて、謝った。全て、僕が悪い。
「謝罪すれば許されるなんて、甘いな。戦争では、失敗は負けだ。皇族は、失敗が許されないんだ」
「ワシの失敗じゃ。ワシが悪い!!」
「お前が受けたって、どうせ、甘やかしてるんだから、同じことを繰り返す。罰は当事者が受けるべきだ。見せしめには丁度いい」
「ど、どうか、シオン、頼む!!」
「ナイン、ここにいるガキどもは、次の戦争で出征だ」
エッセンが頭を下げて頼んでも、皇帝シオンは僕たちを許さなかった。
シーアが十歳を過ぎてしばらくの頃。僕とシーアは婚約することとなった。
「戦争に出ればいいことだろう」
「メフノフが間違いを犯したのですから、仕方のないことだというのに」
僕の両親は、とても厳しい人だ。僕のやらかしを聞いて、僕を叱って、戦争への出征も当然といった。僕は、どうせ戦争に行くつもりだったので、これは、大した罰ではなかった。
だが、祖父である皇族エッセンは違う。皇帝シオンが若い頃に戦争に行った経験があることから、戦争の悲惨さを知っていた。
「皇族といえども、生きて戻れるわけではない」
「メフノフが皇族であれば、筆頭魔法使いの妖精が守ってくれます」
「捕虜となった時、帝国には戻ってこれん。実際、そういうことがあったんじゃ」
「それは、仕方がないことですよ。捕虜となった場合、帝国は死んだものと扱う、となっていますから」
「それで、メフノフが戻って来れなかったら、どうするんじゃ!!」
「それは」
「まあ」
「戦争を知らんから、そう言えるんじゃ!!」
両親は、戦争を知らないから、言い返せない。
エッセンは、僕の肩をつかんで、厳しい目を向けた。
「いいか、シーアとは仲良くするんじゃ」
「あんな女と婚約なんてイヤだ!!」
「まあまあ、シーアは皇族失格になる、なんて言われてる」
「皇族失格であれば、婚約の話も流れる」
両親はシーアの噂を信じた。
だが、僕と皇族エッセンは知っている。シーアは皇族だ。
皇族は、十年に一度の皇族の儀式を通った者がなれるものだ。筆頭魔法使いを跪けさせれば、皇族である。
だが、この皇族の儀式をしなくても、筆頭魔法使いであれば、一目で、皇族かどうかわかるのだ。
筆頭魔法使いナインは、シーアが皇族であることを知っている。もちろん、皇帝シオンはナインから報告を受けている。僕も、皇族だと、秘密裡に教えられた。
当のシーアは、皇族だとは知らない。
何か目的があるようで、シーアが皇族であることをシーアの家族でも秘密にしていた。なのに、僕とエッセンには、秘密を打ち明けたのだ。
「いいか、お前は、死ぬまで、シーアを守るんだ」
皇帝シオンは僕にそう命じた。この婚約、シオンが生きている限り、逃げ道はない。
見た目が若いシオン。筆頭魔法使いナインの魔法で、その体は若いままに保たれているが、それなりに高齢だという。シオンの弟は孫までいるのだ。シオンだって、本当は、孫までいるほどの高齢である。
シオンが先に死ねば、僕は自由になれる。
それがいつの事かはわからない。この見た目である。今も、皇位簒奪を防ぐために体を鍛えているという。十歳のシーアを軽々と片腕で抱き上げられるほどだから、余程だろう。
両親には耐えろ、と言われ、祖父である皇族エッセンは頭を抱えられ、僕は落ち込むしかなかった。僕は、これまで、問題らしい問題を起こしたことがない優等生だった。だから、この程度の問題で、家族まで呆れさせるとは、思ってもいなかったのだ。
僕がシーアの婚約することになって、すぐに、異議申し立てが出た。
「勝手に決めないでくれ!!」
よりによって、シーアの両親である。
「エッセンの孫は不満か?」
「エッセンの孫が可哀想だろう!!」
シーアの両親は、娘よりも僕の味方をした。
「そうよ、この欠陥品と婚約だなんて、神童と呼ばれるメフノフの名に傷がつくわ」
「まだ、シーアのことを欠陥品というのか。シーアは、皇族の教育でも、優秀な成績をとっているというのに。お前たちの子の中で、シーアは一番、優秀だぞ」
「きっと、不正をしているのよ」
シーアの両親は、皇帝シオンの後ろに立つ筆頭魔法使いナインを見る。
家族であるからこそ、シーアは不正している、と思うのだ。狂人シーアを生まれた時からずっと育てたのだ。
きっと、シーアを皇族にするため、筆頭魔法使いナインがこっそり不正をしているのだろう、と。
皇帝シオンと筆頭魔法使いナインが、狂人シーアを可愛がっているのは、周知されていた。皇族教育を受ける前まで、シーアが狂人の姿が強かった。だから、シーアが優秀であることを信じない者は多い。
さらに、家族まで、シーアは欠陥品というのだ。シーアは不出来だと、皆、信じていた。
だから、神童と呼ばれる僕がシーアと婚約関係となると、僕を憐れんだ。
「そういうが、お前たちは、シーアの婚約者を決めないじゃないか。他の子どもたちは、シーアの年頃には、婚約者はいたというのにな」
「シーアはイヤだ、と断られているんです」
「シーアの狂った血筋を誰もいれたくないのよ」
「その元は、お前たちだな。ということは、お前たちの血筋は狂っているということだな。僕の甥姪の結婚相手は気の毒に。だったら、血筋を残しては危ないから、離縁させ、増えないようにしよう」
「シーアだけが、狂っているのよ!!」
「生まれてきた子どものせいにするんじゃない。見苦しい女め」
皇帝シオンは、シーアの母ネフティを蔑んだ。
ネフティは、シオンから冷たく見られ、悔しそうに顔を歪める。昔は、とても綺麗な女だったという。孫までいる年齢となっても、ネフティはそれなりの美しさがある。
しかし、ネフティは、居合わせたシーアを見ると、醜い顔となって、シーアにつかみかかった。
「お前がシオンにいらぬことをいうから!!」
「やめろ!!」
首まで絞める勢いのネフティからシーアを助ける皇帝シオン。それでも、ネフティはシーアの手足を掴み、爪をたてて傷つけた。
「お前は、また、その爪で娘を傷つけて!! 首にも傷が!!!」
シオンは人前であろうとも、容赦なく、ネフティの頬を平手で叩いた。
「兄上、ネフティに何をするんだ!!」
「娘が傷だらけになって、いうことはそれか!!」
シオンの弟は、責められても、ネフティを体で庇った。ネフティは、シオンの弟の胸で嗚咽を漏らす。
「ナイン、シーアのことを頼む」
「顔にまで傷つけやがって!!」
「痛くありませんから、大丈夫ですよ」
血まで流れているというのに、シーアは笑顔である。
あれは痛いだろう。よく手入れされた爪でつけられた傷は、見ていても痛そうだ。
シーアがナインによってその場からいなくなると、シオンはシーアの両親に吐き捨てた。
「お前たちが見つけられないというから、僕が決めてやったんだ。これで、シーアの婚約問題は解決だ」
「し、しかし」
「メフノフの家族からは、それでいいと了承の返事を貰っている。良かったな」
「………」
相手側が了承しているので、もう、シーアの両親は婚約について、文句は言えなかった。
シーアと僕は、週に一度、交流を深めるための茶会を強制的に行うこととなった。皇帝シオンが命じたのだ。
「シーアのことをきちんと見るんだ」
ものすごくイヤだった。皇族教育だって同じ時間帯だ。これ以上、シーアのことなんか見たくない。
対するシーアは、いつもの笑顔だ。茶会の場は、筆頭魔法使いナインによって整えられ、最初の頃はナインに監視までされた。
「気の利いた話をしろ」
ただ、茶を飲んでいるだけなのに文句をいうナイン。
「ナインのお茶は、美味しいですね」
「まあな。俺様はそれぞれの好みで淹れるからな」
「皇帝シオンの胃袋をつかんでいますね」
「俺様がいる限り、シオンには男も女も近づけさせない」
「シオンとナインは、男同士ですが、愛し合っているのですね」
「………」
シーアがおかしなことをいうので、筆頭魔法使いナインは黙り込んだ。
これでは、僕とシーアの茶会ではなく、シーアと筆頭魔法使いナインの茶会だな。
僕は沈黙を続けると、ナインは僕の頭を軽くこずいた。
「お前も何か話せ」
「毎日、顔を合わせてるんだ。話すことなんてない」
「盤上遊戯の話題は、聞きたくないですね」
「そんな話してないよ!!」
シーアは、僕のこと、盤上遊戯狂と思い込んでいた。
「でも、メフノフは、エッセンと幼い頃から盤上遊戯をしているのですよね」
「お祖父様は、普段から、盤上遊戯の話ばかりするわけじゃない」
「エッセンはいつも、メフノフは優秀だ、将来は盤上遊戯は強くなる、といつも自慢していますよ」
「どうして、お前がその話をするんだ」
「盤上遊戯をしよう、と誘ってくるから、断るだけでは悪いので、孫自慢を聞いています」
うんざりした顔でいうシーア。
僕は、シーアと祖父エッセンが、仲良く話しているなんて知らない。しかも、シーアは迷惑がっている。
昔は、シーアが迷惑がられる存在だった。気持ち悪い笑みを貼り付けて、誰かれかまわず、近づいてきて、皆、避けたのだ。
それが、今では、皇族の中では頭を下げられるほどの立場の皇族エッセンの孫自慢をシーアが迷惑がっているのだ。
「ナインを前にして、メフノフだって、話しづらいこともあるでしょう。ナインは、場の準備だけでいいので、茶会は、わたくしとメフノフの二人だけにしてください」
「メフノフと二人っきりだなんて、危ないじゃないか!!」
「僕だって、相手を選ぶ!!!」
せっかく、シーアが場を誤魔化してくれたのに、筆頭魔法使いナインは、とんでもない心配を口にする。
シーアを目の前にして、失礼なことを言ったと気づいた時、筆頭魔法使いナインが僕の顔を拳で殴った。
「俺様とシオンが手がけたシーアを悪くいうな」
「や、やめてください!!」
椅子から吹っ飛ぶ僕に駆け寄るシーアが、さらに殴ろうとするナインを止めた。
「わたくしには、メフノフは勿体ない人です!! 人望厚く、神童と呼ばれる聡明さ、将来は皇族エッセンのような立派な皇族になるだろう、と言われています。わたくしには、過ぎた人です!!!」
「シーアは、人の何倍、何十倍も努力して、今では、皇族教育でも、優秀な成績をとっているじゃないか!!」
「そうです、人の何倍も、何十倍も努力して、やっと人並なんです」
何故か、ボロボロと泣き出すシーア。筆頭魔法使いナインは、慌てて、泣き出すシーアを抱きしめた。
「誉めたつもりなのに」
「わかっています。えっと、これは、嬉し泣きです」
ナインの胸から顔をあげたシーアは、引きつった笑顔を見せた。無理している、と僕でもわかる。
「もう、わたくしとメフノフの茶会を邪魔しないでください」
「ご、ごめん」
それから、ナインは、茶会の準備をするだけで、僕とシーアの茶会には顔を出さなくなった。
0
あなたにおすすめの小説
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
過労死して転生したので絶対に働かないと決めたのに、何をしても才能がバレる件
やんやんつけバー
ファンタジー
過労死して異世界転生。今度こそ絶対に働かないと決めたのに、何をやっても才能がバレてしまう——。農村で静かに暮らすはずが、魔力、農業、医療……気づけば誰も放っておかない。チートで穏やか系の異世界スローライフ。
イジメられっ子世に憚る。
satomi
ファンタジー
主人公須藤正巳はぼんやりと教室で授業を受けていた。その時、突然教室中に物凄い量の光が…。 正巳が属する2-C全員が異世界転移することとなってしまった。 その世界では今まで正巳が陰キャとして読み漁ったラノベともゲームとも異なり、レベルがカウントダウン制。つまりレベル999よりレベル1の方が強い。という世界だった。 そんな中、クラスのリーダー的陽キャである神谷により全員で教室の外に出ることに。 いきなりドラゴンに出会い、クラスの全員がとった行動が『正巳を囮にして逃げること』だった。 なんとか生き延びた正巳は、まず逃げた連中へ復讐を誓う。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく
タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。
最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。
死に物狂いで支えた公爵家から捨てられたので、回帰後は全財産を盗んで消えてあげます 〜今さら「戻れ」と言われても、私は隣国の皇太子妃ですので〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能、我が公爵家の恥だ!」
公爵家の長女エルゼは、放蕩者の父や無能な弟に代わり、寝る間も惜しんで領地経営と外交を支えてきた。しかし家族は彼女の功績を奪った挙句、政治犯の濡れ衣を着せて彼女を処刑した。
死の間際、エルゼは誓う。 「もし次があるのなら――二度と、あいつらのために働かない」
目覚めると、そこは処刑の二年前。 再び「仕事」を押し付けようとする厚顔無恥な家族に対し、エルゼは優雅に微笑んだ。
「ええ、承知いたしました。ただし、これからは**『代金』**をいただきますわ」
隠し金庫の鍵、領地の権利書、優秀な人材、そして莫大な隠し資産――。 エルゼは公爵家のすべてを自分名義に書き換え、着々と「もぬけの殻」にしていく。
そんな彼女の前に、隣国の冷徹な皇太子シオンが現れ、驚くべき提案を持ちかけてきて……?
「君のような恐ろしい女性を、独り占めしたくなった」
資産を奪い尽くして亡命した令嬢と、彼女を溺愛する皇太子。 一方、すべてを失った公爵家が泣きついてくるが、もう遅い。 あなたの家の金庫も、土地も、働く人間も――すべて私のものですから。
この世界はわたしが創ったんだから、わたしが主人公ってことでいいんだよね!? ~異世界神話創世少女 vs 錯誤世界秩序機能~
儀仗空論・紙一重
ファンタジー
これは、物語を作る物語。
空白のページのような真っ白な世界から錯誤世界へと放り出されたのは、何も知らない、何も持たない少女。
記憶すら持たない少女は、自分が何者であるかを探す中で、“始源拾弐機関”という物語、そして、この世界へと転生者を召喚する神と出会う。
対話と対峙、旅をする中で出会うそれらが、きっと少女を成長させていく。
世界を創ったのは誰で、神話を語るのは誰で、この物語は誰のものなのか。
これは、少女が物語を作る物語。
※随時、加筆修正を行っております。また、誤字脱字、表記ぶれなど、気になるところがあればご報告いただけるとありがたいです。
※少し転生モノをメタっていますが嫌いな訳ではありません、ご了承下さい。勘弁して下さい。
※筆者はボカロが好きです。
※タイトルや章の文字化け黒塗り等は仕様です。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる