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教皇
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王都へ来てから一週間が過ぎた。
教皇から会いたいと連絡が来た。
教皇に会いに行く日、何があるかわからない。今日は俺一人で行く事にした。
「リル、今日、出かける事になった」
「リルも?」
「リルは、留守番だ。早く帰ってくるから、待っててくれ。」
それを聞くと、リルの大きな目に、みるみる涙が溜まる。リルと出会ってから、側を離れた事が無い。
「ゔ~!」
瞬きをすると、ポロポロと流れる涙。リルを抱きあげ優しく指で拭う。
「すまない。今日は、側にいられない。その代わり、ずっとアンナとマークがいる。早く帰ってくるから、いい子で待っててくれ。」
頬に、キスをしてやると、俺の首に抱きつき
「うん、リル待ってる」
と。今日も、俺の乙女は可愛い…。
教会についてみると、そこには黒に銀糸で刺繍されたローブに銀の教帽をかぶった爺さんがいた。
「お待ちしておりました。教皇のジェームスでございます」
と、頭を下げる。
周りを見ても、ジェームス一人
「一人なのか?」
「煩わしい物は、置いてきました。」
と、笑う。このジジイ、いい性格をしている。
「取り敢えず、どうぞ」
と、言うジェームスについて行く。教会の奥、中庭を挟んだ所に離れのような建物がある。
「ここが黒銀の間と呼ばれる、黒銀様と乙女の住う館で御座います。」
周りを見れば、館の周りは目隠しのように高い樹木が植えられ、ある程度人目につかないようになっている。
「ここへは教皇と王族しか来れないようになっています」
「…そうか。」
ここは、気持ちよさそうな場所だ。フェンリルの里にも似ているな。初代が作ったのだろう。微かな記憶がある。
教皇はどうぞ、と、教会の方へ戻って行く。
教会内の奥まった場所にある教皇の間に通される。
「まずは、これまでの数々のご無礼、大変申し訳なく思っております…」
そう、頭を下げる。
「お前は知っていたのか?」
俺に座るようソファーを勧め、教皇も向かいに座る。
「申し訳ありません。ここ一年体調が悪く寝たり起きたりで、先代の黒銀様に最後のご挨拶も出来ませんでした。」
教皇から会いたいと連絡が来た。
教皇に会いに行く日、何があるかわからない。今日は俺一人で行く事にした。
「リル、今日、出かける事になった」
「リルも?」
「リルは、留守番だ。早く帰ってくるから、待っててくれ。」
それを聞くと、リルの大きな目に、みるみる涙が溜まる。リルと出会ってから、側を離れた事が無い。
「ゔ~!」
瞬きをすると、ポロポロと流れる涙。リルを抱きあげ優しく指で拭う。
「すまない。今日は、側にいられない。その代わり、ずっとアンナとマークがいる。早く帰ってくるから、いい子で待っててくれ。」
頬に、キスをしてやると、俺の首に抱きつき
「うん、リル待ってる」
と。今日も、俺の乙女は可愛い…。
教会についてみると、そこには黒に銀糸で刺繍されたローブに銀の教帽をかぶった爺さんがいた。
「お待ちしておりました。教皇のジェームスでございます」
と、頭を下げる。
周りを見ても、ジェームス一人
「一人なのか?」
「煩わしい物は、置いてきました。」
と、笑う。このジジイ、いい性格をしている。
「取り敢えず、どうぞ」
と、言うジェームスについて行く。教会の奥、中庭を挟んだ所に離れのような建物がある。
「ここが黒銀の間と呼ばれる、黒銀様と乙女の住う館で御座います。」
周りを見れば、館の周りは目隠しのように高い樹木が植えられ、ある程度人目につかないようになっている。
「ここへは教皇と王族しか来れないようになっています」
「…そうか。」
ここは、気持ちよさそうな場所だ。フェンリルの里にも似ているな。初代が作ったのだろう。微かな記憶がある。
教皇はどうぞ、と、教会の方へ戻って行く。
教会内の奥まった場所にある教皇の間に通される。
「まずは、これまでの数々のご無礼、大変申し訳なく思っております…」
そう、頭を下げる。
「お前は知っていたのか?」
俺に座るようソファーを勧め、教皇も向かいに座る。
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