魔王の娘

5

　この領地に住む人は、領主の孫が可愛いし大好きだ！

カランッカランッ
「にぃにっお勉強教え……」

黒い髪に赤い眼……そこには魔族の特徴そのままの奴がいた
魔族は人々を傷付ける！ここにいる人を助けなくては！
「貴様魔族だな！なぜここにいる！この俺がお前を成敗する！！！」
剣を抜き、エリルに斬りかかる！！



カランッカランッ
「にぃにっお勉強教え……」

エリルが来た。可愛いエリル。
「貴様魔族だな！なぜここにいる！この俺がお前を成敗する！！！」

何を言っている！
持っていた皿が落ちる！
ガチャンッ！！
やめてくれ！エリルが！！



この日俺は領主館にいなかった
それが悪かった！魔国の入り口がある知らずの森へ来ていた！
「領主様、領内に外から冒険者が入ったようです！」
「何！」
冒険者は、とにかく武功を上げたがる。コレがもし魔族に会ったら……
紅い瞳のエリルに会ったら………
「ブラウム来い！！！エリルが！！！」
魔国の入り口がブワッと膨らみ弾けブラウムが飛び出て来る
「エリルがどうした！！」
「まだ分からん！だが冒険者が入ったらしい！！エリルの元に行く！！」
「分かった！！」
と、ブラウムは魔馬に姿を変える！
俺はその魔馬に跨り走らせる。立髪を掴み体勢を低くしブラウムの邪魔にならないようにする！
ブラウムは、障害物のない空を駆ける、エリルの気配を探りながら走った！
そして着いたロイの店
「貴様魔族だな！なぜここにいる！この俺がお前を成敗する！！！」
間に合え！！
エリルに振り下ろされる剣！！
ガキ～～～ン！！
エリルの前に出て、冒険者の剣を受ける！
「貴様、このような店の中、剣を振り回すとは何事か！！」
「何を言っている！！それは魔族だ！！」
「ふざけるな！コレは俺の、領主の孫だ！！」
剣を弾き返し怒鳴りつける！
「紅い目の魔族だった！」
「じぃじ？」
と言って顔を出すエリルは銀髪に紫の目をしていた……
「えっっ紅い……えっ！！」
ウルフの後から、こちらも姿を変えたブラウムが冒険者の肩を叩いて店の奥へ行く
「ここに、紅い目を持つものはいないよ。もう、帰った方が良いのでは無いかな？」
「そう……ですね……」
冒険者は肩を叩かれた一瞬、記憶を変えられていた。ただ、ここを通りすがっただけだと……
「そうですね、次の所へ行かないと！」
と、店を出て行く。
あの冒険者は、この領地でるとこの場所を忘れる。彼の見る地図にはヴァル領はどこに無い、どんな地図を見ても………