そんな目で見ないでくれ!!

chii

文字の大きさ
1 / 11

1

しおりを挟む
 転生とか生まれ変わりなんて、小説や漫画の世界の話しだと思ってたよ………
まさか 自分がそんな事になるなんて思っても見なかった………


「……聞いているのか?リュウゼイン?」

ハッ 呼ばれて気がついた……

「すみません、少し席を外してもよろしいでしょうか…」
「大丈夫なのか?」
「すみません父上、すぐに戻ります……」

「すみません、少し席を外させてもらいます」

ニコリと笑って席を立つ

まさか、婚約者を決めるお茶会で前世を思い出すなんて………
少し考える時間が欲しいな……
混乱する頭を抱え 庭に出る

~~~♪~~~♪

ん?聞いたことがある……だが、この世界の歌じゃ無い……
前の…日本の歌だ……

あぁ、亜子が好きだったうただな……よく、亜子の隣で聞いたな…
懐かしい……

歌の聞こえる方へ歩いていくと、小さな子が歌っていた

「こんな所でどうした?」

振り返った女の子は、アメジストの瞳に青みがかった綺麗な銀髪をしていた

その綺麗な瞳瞳から、涙が溢れる……

「泣いていたのか?迷子か?」
「お庭…歩いて…たら…分かん…なく………」
そう言って、また泣き出した

慌てて彼女に駆け寄り抱き上げる
4才……5才くらいだろうか……

「スミレのお姫様みたいだな…」
「えっ!」
しまった!この世界にスミレなんて花は無い!
「何で…スミレ?」

スミレを知っている……この子も同じかな?

「名前は?」
「………」

「まずは、こっちの名前だ」
「ハイドレンジア……ハイドレンジア・ゴーゴン」
「ゴーゴン伯爵の令嬢か、年は?」
「5才…」
「うん、分かった。じゃあ、前の名前は?」
そう聞くと、口を閉じてしまった

「大丈夫だよ。僕もスミレを知ってる…」

彼女と目を合わせて言ってみる

「亜子…水島亜子…」

「あ……亜子?亜子なの?」
前世、付き合っていた…結婚もするはずだった
商店街で車の暴走事故に巻き込まれて、僕達は死んだはずだった

「僕だよ、龍騎。中村龍騎だよ…」
「りゅう……?」
「そう…りゅうだよ」
「う…うぅ…」

僕にしがみついて泣き出す亜子…
彼女の小さな体を、ギュッと抱きしめる

「あんまり泣くと、綺麗な目が溶けちゃうよ……」
「……!!」
「ふふっ……さて、亜子…じゃない、ハイドレンジア、お腹空かないか?」
聞いた途端に小さく、くぅ~~っと鳴おなか
「お菓子食べに行こうか」
「うん、りゅうは……えっと」
「あぁ、僕は、今もりゅうだよ。 リュウゼイン・イズ•ワルド」
「リュウゼイン……って、えっと……」
「そう、王太子だよ」

そのまま、彼女を抱いて戻る事にしよう
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

包帯妻の素顔は。

サイコちゃん
恋愛
顔を包帯でぐるぐる巻きにした妻アデラインは夫ベイジルから離縁を突きつける手紙を受け取る。手柄を立てた夫は戦地で出会った聖女見習いのミアと結婚したいらしく、妻の悪評をでっち上げて離縁を突きつけたのだ。一方、アデラインは離縁を受け入れて、包帯を取って見せた。

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

愛していました。待っていました。でもさようなら。

彩柚月
ファンタジー
魔の森を挟んだ先の大きい街に出稼ぎに行った夫。待てども待てども帰らない夫を探しに妻は魔の森に脚を踏み入れた。 やっと辿り着いた先で見たあなたは、幸せそうでした。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...