そんな目で見ないでくれ!!

chii

文字の大きさ
上 下
2 / 11

2

しおりを挟む
 「父上、戻りました…」
驚いた顔の父と目が合う……
そりゃ そうだろう……気分が悪いと出て行った息子が小さな子を抱いて帰って来たのだ

「リュウゼイン、その子は?」
「父上、彼女を僕の婚約者にします」
驚く父……そして、驚く腕の中のハイドレンジア
「えっ!!」
「決めたから!」

侍従が僕に近づいてきて
「お席をご用意しますか?」
「いや、構わない」
そう言って、僕は自分の席に座り、ハイドレンジアを膝に乗せる
侍従に温めのミルクティーとお菓子を頼む

「あの、どうしてですの?婚約者候補はわたくし達ですのよ!」
「君は?あぁ、サウス侯爵の……」
ハイドレンジアの前にお菓子が運ばれてくる
彼女が手を出そうとしてやめるので手を見ると、少し汚れていた
手拭きをもらい、僕が彼女の手を拭く
「痛くない?」
「うん」
綺麗になった手にマドレーヌを持たせる
もくもくと小さな口で食べている
可愛い……

「君たちの事は少し調べさせてもらったよ…」
ここにいるのは侯爵令嬢か2人と伯爵令嬢が1人
「今ここで、陛下の前で話しても良いのかな?」
そう言うと、3人は少し青褪めた……

全く、信じられないよね、1人は加虐趣味があって、1人は派手好きで金遣いが荒くて、
1人は、男にだらし無く、先日中絶をしたと言う………

「僕の調べた事は、後ほど陛下に報告はさせてもらうけど、どうする?」
令嬢達はそれぞれ、理由をつけ席を立って行った

「どう言う事だ?」
「部屋を移りましょう」
「そうだな」
公式の場から、私室に移る事にする
「あぁ、ゴーゴン伯爵に、ハイドレンジアは僕の所にいるからって、連絡しておいて」
「はい、畏まりました」

僕が、ハイドレンジアを抱き上げると
「あっ!」
「ふふっ 大丈夫 向こうに運ばせるから」
父と母 そして僕とハイドレンジアで移動する
しおりを挟む

処理中です...