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第一章
ぺったり
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「加代子?」
あっ、み……見惚れてた。
「じ……神は食べてて! 私は好きにくっついてるから!」
食べる邪魔にならないようにと脇腹に腕を回して抱き着いた。それを見た有理奈さんが、目を見開く。
「ちょっと、何してるのよ!」
「何してるって、抱き着いてるだけー」
「加代子……」
「なに?」
「何って……食べにくいんだけど」
「ええっ? 邪魔なんかしないよ。手はちゃんと動くでしょう?」
抱き着いたまま顔だけ上げると、神とぱちりと目が合う。何だか普段よりも居心地の悪そうな表情だ。私よく神にくっついてるのにね。
あっ、でもこんなに密着したのは初めてか。
あれ? どうしよう。意識したら何だか急激に恥ずかしくなってきたよ。
「あっ? もしかして……さっき夢中で食べてたのって……」
「ん? 何?」
「いや、なんでもないよ」
やんわりと私の疑問を交わした神は、楽しそうにくすりと笑った。
さっきまで何となく不機嫌さを感じていただけに、不意打ちの神の笑顔にまたドキドキした。
あ~、もうこれだから。神になかなか振り向いてもらえなくても、絶対頑張るって思っちゃうんだよね。
「加代子さん、いい加減にしなさいよね!」
せっかく二人の世界に浸っていたのに、邪魔な声のせいでぶち壊しだ。
「何が?」
「何がって……そんなにくっついていたら神君が食べられないじゃないの」
「そんなことないよ。神、食べてるし。ね?」
「……まあ、食べれないことはないな。ちょっと不自然だけど」
神のその一言に、ちょっと得意気に有理奈さんを見た。
まあ確かにね、動かす腕の邪魔にならないように左側にいるし、その左腕の微妙な動きにも差し障りないように気をつけてはいるんだよ。斜め背後からピッタリくっついて、頭も神の背中に預けているけど。
私の態度に明らかにムッとした有理奈さんは、座り直してお皿を手に取りチーズケーキを黙々と食べ出した。
ふふーん。今さら慌てても遅いのよね。早い者勝ちだもん。
してやったりで気分が良くなった私は、さらに調子に乗って神にひっついた。神のちょっと熱めの体温が気持ちいい。
「……加代子、そこまで密着するな」
「ヤダ、気持ちいいもん」
「っ、気持ちいいって……」
「神の体温熱くて気持ち良いよ?」
「おま……っ」
「ごちそうさま!」
大きな声で叫ぶようにそう言った後、有理奈さんがこちらに向かって歩いてきた。そして神の腕に絡んでいる私の手を掴み、強引に引っ張り始める。
「ちょっと、何するのよ」
「離れなさいって言ってるの! 神君の邪魔じゃないの」
「邪魔じゃないもん!」
「邪魔なのよ! 離れて、離れなさいよ!」
梃子でも動かない私に業を煮やした有理奈さんは、今度は両手で持って私の腕を離そうと必死になった。
「嫌だー。やーだー!」
「おい、ちょっと二人とも……」
コンコン。
「入ってもいいか?」
「いいよ」
神の返事にお兄さんが入ってきた。私と有理奈さんは慌てて神から離れる。
あー、ビックリした。それにしても今気が付いたんだけど、知らない内にお兄さん出て行っちゃってたんだね。存在そのものを忘れちゃってた。
あっ、み……見惚れてた。
「じ……神は食べてて! 私は好きにくっついてるから!」
食べる邪魔にならないようにと脇腹に腕を回して抱き着いた。それを見た有理奈さんが、目を見開く。
「ちょっと、何してるのよ!」
「何してるって、抱き着いてるだけー」
「加代子……」
「なに?」
「何って……食べにくいんだけど」
「ええっ? 邪魔なんかしないよ。手はちゃんと動くでしょう?」
抱き着いたまま顔だけ上げると、神とぱちりと目が合う。何だか普段よりも居心地の悪そうな表情だ。私よく神にくっついてるのにね。
あっ、でもこんなに密着したのは初めてか。
あれ? どうしよう。意識したら何だか急激に恥ずかしくなってきたよ。
「あっ? もしかして……さっき夢中で食べてたのって……」
「ん? 何?」
「いや、なんでもないよ」
やんわりと私の疑問を交わした神は、楽しそうにくすりと笑った。
さっきまで何となく不機嫌さを感じていただけに、不意打ちの神の笑顔にまたドキドキした。
あ~、もうこれだから。神になかなか振り向いてもらえなくても、絶対頑張るって思っちゃうんだよね。
「加代子さん、いい加減にしなさいよね!」
せっかく二人の世界に浸っていたのに、邪魔な声のせいでぶち壊しだ。
「何が?」
「何がって……そんなにくっついていたら神君が食べられないじゃないの」
「そんなことないよ。神、食べてるし。ね?」
「……まあ、食べれないことはないな。ちょっと不自然だけど」
神のその一言に、ちょっと得意気に有理奈さんを見た。
まあ確かにね、動かす腕の邪魔にならないように左側にいるし、その左腕の微妙な動きにも差し障りないように気をつけてはいるんだよ。斜め背後からピッタリくっついて、頭も神の背中に預けているけど。
私の態度に明らかにムッとした有理奈さんは、座り直してお皿を手に取りチーズケーキを黙々と食べ出した。
ふふーん。今さら慌てても遅いのよね。早い者勝ちだもん。
してやったりで気分が良くなった私は、さらに調子に乗って神にひっついた。神のちょっと熱めの体温が気持ちいい。
「……加代子、そこまで密着するな」
「ヤダ、気持ちいいもん」
「っ、気持ちいいって……」
「神の体温熱くて気持ち良いよ?」
「おま……っ」
「ごちそうさま!」
大きな声で叫ぶようにそう言った後、有理奈さんがこちらに向かって歩いてきた。そして神の腕に絡んでいる私の手を掴み、強引に引っ張り始める。
「ちょっと、何するのよ」
「離れなさいって言ってるの! 神君の邪魔じゃないの」
「邪魔じゃないもん!」
「邪魔なのよ! 離れて、離れなさいよ!」
梃子でも動かない私に業を煮やした有理奈さんは、今度は両手で持って私の腕を離そうと必死になった。
「嫌だー。やーだー!」
「おい、ちょっと二人とも……」
コンコン。
「入ってもいいか?」
「いいよ」
神の返事にお兄さんが入ってきた。私と有理奈さんは慌てて神から離れる。
あー、ビックリした。それにしても今気が付いたんだけど、知らない内にお兄さん出て行っちゃってたんだね。存在そのものを忘れちゃってた。
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