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第一章
子供のころの思い出
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「いいもの見る?」
「えっ、なんですか?」
有理奈さんが尋ねると、優作お兄さんはおどけた感じで「じゃーん」と、アルバムを私たちの前に出した。
「えっ? これ……?」
「そう、神の小さい頃の写真」
「ええ~っ? もしかしてそれ、神の赤ちゃんの写真? 見る、見る」
「見たいです!」
私たちの前のめりの返事に、お兄さんは持っていたアルバムを差し出そうとした。そこへ神の、不機嫌な声が飛ぶ。
「ちょっと、兄さん! 何を勝手に……」
「え~? 減るもんじゃないし、いいじゃない。見たい、見たいよね有理奈さん」
「うん、見たい!」
こういう時は、たとえ敵同士でもタッグを組むものだ。私達は二人でジーッと、睨めっこでもするくらいの勢いで神を見つめた。
「おいっ……」
「…………」
無言で只々見つめ続ける私達に、とうとう彼も折れた。はあっと軽くため息を吐いて、お兄さんの方を向く。
「どうぞ」
観念した神を見て、お兄さんは笑いながら私達の目の前でアルバムを広げてくれた。
「可愛い~!」
今と同じ軽いつり目で、くりくりとした愛らしい瞳がこちらを見ている。思わずこぼれた感嘆の声は、二人同時に発せられた。これに関して異論はない。有理奈さんも私も、嬉々として頁をめくっていく。
「あ、これこれ。神がおしゃぶりしてる」
「可愛いねー」
さっきまでのいがみ合いは何処へやら、私と有理奈さんはまるで友達のように楽しんでいる。
「じゃあ俺はこれで。ゆっくりしてってな」
「はい、ありがとうございます」
私たちの返事に優作お兄さんは、にっこりと笑って部屋を出て行った。
「なあ、もういいだろう?」
よほど焦れていたのか、神の手がアルバムにニョキッと伸びてきた。
「ダメ!」
これも二人同時だ。信じられないくらい息が合っている。そんな私達を見て神もしょうがないと思ったのか、わざとらしくソファにボスンと音を立てて座り直した。
「うわあ、これ懐かしい」
「えっ? 何これ、もしかして加代子さん?」
「そう! 多分これ、私が神と初めて会った時に写した写真だよ。ねえ、神?」
「えっ?」
急に私に言葉を振られて、神はぽかんとした顔をした。
「ほら、パーティーで初めて会った時の!」
「あ? ああ、そんな写真もあったな」
懐かしいと思ったのか興味を惹かれたようで、神も身を乗り出して写真を見に来た。
「懐かしいな。すっかり忘れてた。……そう言えば初めて会った時の加代子って、人見知りしてたよな」
「そうだったっけ?」
「そうだよ。だから僕がエスコートしてあげたんじゃないか」
つい気恥ずかしくて恍けちゃったけど、本当は覚えている。初めて来たお家でのクリスマスパーティーに、人見知りをしている私の手を取って、神がケーキを渡してくれたんだ。
「先、捲るわよ」
「えっ、ちょっと待ってよ」
せっかく神との思い出に浸っているっていうのに、有理奈さんが割り込んできた。しかもニュッと手が伸びて来て勝手にページを捲りだし、私と一緒に写っている写真を見つけては、容赦なくそれを捲っていく。
「ちょっと~。もう少しゆっくり堪能させてよ」
「あら? 自分が写っている写真でしょう? 加代子さんも持っているんじゃないの?」
「それはそうだけど……」
「えっ、なんですか?」
有理奈さんが尋ねると、優作お兄さんはおどけた感じで「じゃーん」と、アルバムを私たちの前に出した。
「えっ? これ……?」
「そう、神の小さい頃の写真」
「ええ~っ? もしかしてそれ、神の赤ちゃんの写真? 見る、見る」
「見たいです!」
私たちの前のめりの返事に、お兄さんは持っていたアルバムを差し出そうとした。そこへ神の、不機嫌な声が飛ぶ。
「ちょっと、兄さん! 何を勝手に……」
「え~? 減るもんじゃないし、いいじゃない。見たい、見たいよね有理奈さん」
「うん、見たい!」
こういう時は、たとえ敵同士でもタッグを組むものだ。私達は二人でジーッと、睨めっこでもするくらいの勢いで神を見つめた。
「おいっ……」
「…………」
無言で只々見つめ続ける私達に、とうとう彼も折れた。はあっと軽くため息を吐いて、お兄さんの方を向く。
「どうぞ」
観念した神を見て、お兄さんは笑いながら私達の目の前でアルバムを広げてくれた。
「可愛い~!」
今と同じ軽いつり目で、くりくりとした愛らしい瞳がこちらを見ている。思わずこぼれた感嘆の声は、二人同時に発せられた。これに関して異論はない。有理奈さんも私も、嬉々として頁をめくっていく。
「あ、これこれ。神がおしゃぶりしてる」
「可愛いねー」
さっきまでのいがみ合いは何処へやら、私と有理奈さんはまるで友達のように楽しんでいる。
「じゃあ俺はこれで。ゆっくりしてってな」
「はい、ありがとうございます」
私たちの返事に優作お兄さんは、にっこりと笑って部屋を出て行った。
「なあ、もういいだろう?」
よほど焦れていたのか、神の手がアルバムにニョキッと伸びてきた。
「ダメ!」
これも二人同時だ。信じられないくらい息が合っている。そんな私達を見て神もしょうがないと思ったのか、わざとらしくソファにボスンと音を立てて座り直した。
「うわあ、これ懐かしい」
「えっ? 何これ、もしかして加代子さん?」
「そう! 多分これ、私が神と初めて会った時に写した写真だよ。ねえ、神?」
「えっ?」
急に私に言葉を振られて、神はぽかんとした顔をした。
「ほら、パーティーで初めて会った時の!」
「あ? ああ、そんな写真もあったな」
懐かしいと思ったのか興味を惹かれたようで、神も身を乗り出して写真を見に来た。
「懐かしいな。すっかり忘れてた。……そう言えば初めて会った時の加代子って、人見知りしてたよな」
「そうだったっけ?」
「そうだよ。だから僕がエスコートしてあげたんじゃないか」
つい気恥ずかしくて恍けちゃったけど、本当は覚えている。初めて来たお家でのクリスマスパーティーに、人見知りをしている私の手を取って、神がケーキを渡してくれたんだ。
「先、捲るわよ」
「えっ、ちょっと待ってよ」
せっかく神との思い出に浸っているっていうのに、有理奈さんが割り込んできた。しかもニュッと手が伸びて来て勝手にページを捲りだし、私と一緒に写っている写真を見つけては、容赦なくそれを捲っていく。
「ちょっと~。もう少しゆっくり堪能させてよ」
「あら? 自分が写っている写真でしょう? 加代子さんも持っているんじゃないの?」
「それはそうだけど……」
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