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第二章
デートの約束2
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閉会式が済んで、今は帰り道。
三人で並んで歩いている。
「明日からゴールデンウイークだね。みんな何か予定あるの?」
「へへっ。まどかはダーリンと旅行に行くんだー。二日の夜に出てね、五日の夜に戻ってくる予定」
「あー、良いな。彼氏のいる奴はー」
「梓だったら、その気になれば彼氏の一人や二人くらい出来ると思うけど…。彼の友達とか紹介する?」
僕はその言葉に大いに焦ってしまった。
まどかの言うとおり、その気になれば彼氏くらい簡単に出来そうな気がする。
態度こそ男っぽいけど梓の中身はその辺の女子なんかよりずっと綺麗だ。顔だって美人系だし…。
僕は梓がなんて返事をするのか心配で、梓の顔を見ていると、それに気づいた梓が困ったように小さく笑った。
…?
「ありがと。気持ちだけもらっておくわ。今のところは要らないかも」
「んー? そうなの? じゃあ、その気になったら言って。由紀ちゃんもね」
「うん」
「ハハ…ありがと」
「じゃあ、まどかこっちからだから」
交差点に差し掛かったところでまどかが右を指差した。
「うん、じゃあね。気を付けて」
「バイバイ」
まどかは振り返りながら手を振って、やがて前を向いて歩いて行った。
遠くになりつつあるまどかを見ながら、僕は思い切って梓に声をかけた。
「梓はGW、本当に用事とか無いのか?」
「うん。特には」
「…じゃあ、一緒に出掛けない?」
「…え?」
「あ、えっと。か、買い物でも映画でも良いし…。梓の行きたいとこで良いから…」
言っている内に何だか照れくさくなってきて、僕は頭をガシガシと掻く。
ちらりと梓を見ると、頬がほんのりと赤い。
「い、良いよ…。あ、あたしも暇だし…。由紀にも会いたいだろうし…」
何ともあやふやな言い回しだけど、あたふたした感じが可愛く思えて、僕は嬉しくなってしまう。
「ありがとう。4日の月曜日とかどうかな。その日一日は、稽古が休みだから。梓は大丈夫?」
「うん。大丈夫」
どことなく嬉しそうな返事に僕は満足して、梓と別れて帰路に着く。
頑張って梓ともっと距離を近づけるぞと誓いながら。
三人で並んで歩いている。
「明日からゴールデンウイークだね。みんな何か予定あるの?」
「へへっ。まどかはダーリンと旅行に行くんだー。二日の夜に出てね、五日の夜に戻ってくる予定」
「あー、良いな。彼氏のいる奴はー」
「梓だったら、その気になれば彼氏の一人や二人くらい出来ると思うけど…。彼の友達とか紹介する?」
僕はその言葉に大いに焦ってしまった。
まどかの言うとおり、その気になれば彼氏くらい簡単に出来そうな気がする。
態度こそ男っぽいけど梓の中身はその辺の女子なんかよりずっと綺麗だ。顔だって美人系だし…。
僕は梓がなんて返事をするのか心配で、梓の顔を見ていると、それに気づいた梓が困ったように小さく笑った。
…?
「ありがと。気持ちだけもらっておくわ。今のところは要らないかも」
「んー? そうなの? じゃあ、その気になったら言って。由紀ちゃんもね」
「うん」
「ハハ…ありがと」
「じゃあ、まどかこっちからだから」
交差点に差し掛かったところでまどかが右を指差した。
「うん、じゃあね。気を付けて」
「バイバイ」
まどかは振り返りながら手を振って、やがて前を向いて歩いて行った。
遠くになりつつあるまどかを見ながら、僕は思い切って梓に声をかけた。
「梓はGW、本当に用事とか無いのか?」
「うん。特には」
「…じゃあ、一緒に出掛けない?」
「…え?」
「あ、えっと。か、買い物でも映画でも良いし…。梓の行きたいとこで良いから…」
言っている内に何だか照れくさくなってきて、僕は頭をガシガシと掻く。
ちらりと梓を見ると、頬がほんのりと赤い。
「い、良いよ…。あ、あたしも暇だし…。由紀にも会いたいだろうし…」
何ともあやふやな言い回しだけど、あたふたした感じが可愛く思えて、僕は嬉しくなってしまう。
「ありがとう。4日の月曜日とかどうかな。その日一日は、稽古が休みだから。梓は大丈夫?」
「うん。大丈夫」
どことなく嬉しそうな返事に僕は満足して、梓と別れて帰路に着く。
頑張って梓ともっと距離を近づけるぞと誓いながら。
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