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第一章
現れた男
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そして翌朝、カーテン越しに入り込んできた日差しで目を覚ました。今日もとってもいい天気だ。
時計を確認すると、いつもより十五分も早く目覚めたことに気が付いた。おまけに凄く気分もいい。
「そう言えば今日、雅乃とお弁当持っていこうって話になってるんだよね。秋永君のお裾分け、今日はお礼の意味もかねてちゃんとしたお弁当にしてみようかな……」
何気に浮かんだ言葉を口にすると、それが最善のことに思えてくるから不思議だ。私はそのままベッドから降りて、さっそく顔を洗いに向かった。
支度を終えて台所に顔を出すと、お母さんが私のお弁当を作ってくれている真っ最中だった。秋永君用の小さなランチボックスも傍に置かれている。私がお弁当を持っていく時は、秋永君へのお裾分けも持っていくということはもうお母さんの中でも恒例になっていた。
「お母さん、あの……」
「あら未花、早いわね」
支度が済んでやってきた私を見て、お母さんがちょっと驚いた表情になった。
「うん、ちょっと早く起きたから。……あの、さ」
「なあに?」
「今日だけでいいんだけど、秋永君へのお裾分け、お弁当にしてもらっていいかな?」
「お弁当? ああ、じゃあおかず増やしておにぎりも詰めてあげる?」
「うん! お願い。あ、おにぎり作るの私やるから!」
「じゃあ、そのお茶碗にご飯を入れて、真ん中あたりになるようにそこの焼たらこ入れてくれる? で、上手にお茶碗の中で適当に転がしてからラップに落として握ってね」
「分かった」
「あ、握り終えたらラップ外して、軽く塩をまいてね」
「了解」
おにぎりを握ってから朝食を済ませた。時間に余裕があると思っていたのに、食べ終えた頃にはもう家を出なきゃいけない時間が迫っていた。慌ててお母さんからランチバッグを受け取って、スクールバックを肩に引っ掛け玄関を出る。
私は今すごく機嫌がいい。だって、きっともうストーカーのことで悩む必要なんて無いんだもの。私の手元では、ランチバッグがぶらぶらと揺れている。この中には、いつもよりグレードアップした秋永君へのお弁当も入っているんだ。
……これ渡したら、秋永君どんな顔するだろう。いつも以上に嬉しそうに笑ってくれるのかな……?
あー、もうなんだろう。このまま駅までスキップしていきたいくらい心が舞い踊ってるよ。
……そういえば今日からの帰り道、秋永君に送り続けてもらって本当に良いのかな? どう考えても、もうあの私の後をつけていた人も諦めてくれたっぽいのに。
『悪くなんて無いから! 俺には未花ちゃんのボディガードとしての誇りがあるんだからな!』
『明日も明後日もこれからも、俺、未花ちゃんのこと送り続けるからな』
「…………」
変。顔が緩んでるよ?
多分今鏡を見たら、私の顔、絶対ににやけているに違いない。
どういうわけだか秋永君の言葉を思い出したらうれしくて、おまけに恥ずかしくて駆けだしたくなる。その気持ちをなんだか胡麻化したくて、私は速足で駅へと向かった。
「随分機嫌がいいんだね」
「え!?」
突然私の目の前に、男の人が立ちふさがったのでびっくりした。一歩引いて顔を見ても、誰だか分からない。
「誰……?」
あ、……えっと、ちょっと待って。確かここ、この場所って……!
「ああ、気が付いてくれた? そうだよ、俺だよ」
そう言って男は、目を細めてうれしそうに笑った。
時計を確認すると、いつもより十五分も早く目覚めたことに気が付いた。おまけに凄く気分もいい。
「そう言えば今日、雅乃とお弁当持っていこうって話になってるんだよね。秋永君のお裾分け、今日はお礼の意味もかねてちゃんとしたお弁当にしてみようかな……」
何気に浮かんだ言葉を口にすると、それが最善のことに思えてくるから不思議だ。私はそのままベッドから降りて、さっそく顔を洗いに向かった。
支度を終えて台所に顔を出すと、お母さんが私のお弁当を作ってくれている真っ最中だった。秋永君用の小さなランチボックスも傍に置かれている。私がお弁当を持っていく時は、秋永君へのお裾分けも持っていくということはもうお母さんの中でも恒例になっていた。
「お母さん、あの……」
「あら未花、早いわね」
支度が済んでやってきた私を見て、お母さんがちょっと驚いた表情になった。
「うん、ちょっと早く起きたから。……あの、さ」
「なあに?」
「今日だけでいいんだけど、秋永君へのお裾分け、お弁当にしてもらっていいかな?」
「お弁当? ああ、じゃあおかず増やしておにぎりも詰めてあげる?」
「うん! お願い。あ、おにぎり作るの私やるから!」
「じゃあ、そのお茶碗にご飯を入れて、真ん中あたりになるようにそこの焼たらこ入れてくれる? で、上手にお茶碗の中で適当に転がしてからラップに落として握ってね」
「分かった」
「あ、握り終えたらラップ外して、軽く塩をまいてね」
「了解」
おにぎりを握ってから朝食を済ませた。時間に余裕があると思っていたのに、食べ終えた頃にはもう家を出なきゃいけない時間が迫っていた。慌ててお母さんからランチバッグを受け取って、スクールバックを肩に引っ掛け玄関を出る。
私は今すごく機嫌がいい。だって、きっともうストーカーのことで悩む必要なんて無いんだもの。私の手元では、ランチバッグがぶらぶらと揺れている。この中には、いつもよりグレードアップした秋永君へのお弁当も入っているんだ。
……これ渡したら、秋永君どんな顔するだろう。いつも以上に嬉しそうに笑ってくれるのかな……?
あー、もうなんだろう。このまま駅までスキップしていきたいくらい心が舞い踊ってるよ。
……そういえば今日からの帰り道、秋永君に送り続けてもらって本当に良いのかな? どう考えても、もうあの私の後をつけていた人も諦めてくれたっぽいのに。
『悪くなんて無いから! 俺には未花ちゃんのボディガードとしての誇りがあるんだからな!』
『明日も明後日もこれからも、俺、未花ちゃんのこと送り続けるからな』
「…………」
変。顔が緩んでるよ?
多分今鏡を見たら、私の顔、絶対ににやけているに違いない。
どういうわけだか秋永君の言葉を思い出したらうれしくて、おまけに恥ずかしくて駆けだしたくなる。その気持ちをなんだか胡麻化したくて、私は速足で駅へと向かった。
「随分機嫌がいいんだね」
「え!?」
突然私の目の前に、男の人が立ちふさがったのでびっくりした。一歩引いて顔を見ても、誰だか分からない。
「誰……?」
あ、……えっと、ちょっと待って。確かここ、この場所って……!
「ああ、気が付いてくれた? そうだよ、俺だよ」
そう言って男は、目を細めてうれしそうに笑った。
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