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第二章
三輪さん再び
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お昼休み、いつものように四人でお弁当を食べた後、私と雅乃はトイレへと立った。ちょっぴり混んでいたので、トイレから出てきたときは五分くらい経っていたかもしれない。
教室に戻ってみるとヒロくんの姿がなかった。
「あれ? ヒロくんは?」
「ん? んー、さっき 三輪さんに呼ばれて出てったよ」
ガタッ!
三輪さんという名前に、私は反射的に席を立ってヒロくんを捜しに走った。廊下をざっと見てみたけど、ヒロくんの姿は無い。
階段を駆け下りて外に出ようとしたとき、聞き覚えのある声が聞こえてきた。ヒロくんだ!
「その……、犬の散歩の付き合いってのは、ちょっと無理です」
犬の散歩? そう言えば、ヒロくんが三輪さんと知り合ったのって、それが切っ掛けだったっけ。
「どうして? ニコも秋永君に懐いてるみたいだし、暴走するニコをコントロールしてくれると凄く助かるんだけど。それに……」
変な所で言い淀む三輪さんに、嫌な予感がした。ヒロくんのことを好きだからとか言って、告白するつもりなんじゃないでしょうね!
「何ですか?」
顔までは見えないけれど、ヒロくんの声は平坦だった。どうやら三輪さんの気持ちには、気付いていないようだ。
「最近ニコを利用して、私に近づいて来ようとする感じの悪い男の人がいるの」
「え?」
告白ではなかったけれど、嫌な方向に流れて行っている。これってヒロくんが、私を心配してボディガードになってあげるって言ったくだりに似てるじゃないの。
気が気じゃなくなって、ヒロくん達の様子を見ようと校舎を出て彼らの様子を窺った。
美輪さんは、心細げな表情でヒロくんを上目使いに見ている。女の私でさえ庇護欲をそそるその表情に、三輪さんの計算が見えるような気がして面白くなかった。
……オッケーしたりしないよね。ヒロくん優しいから、かなり心配。
ざわざわしながら見ていると、ヒロくんが徐に顔を上げた。その表情は困ったというか、申し訳ないというかそんな微妙なものだった。
「すみません。心配だとは思いますけど、俺、三輪さんの役に立つことは出来ません。家族の方とか、誰かと一緒に……」
「私は秋永君がいいの。信頼できるし、それに……!」
「え?」
「好きなの私、秋永君のことが……!」
切羽詰まった表情の三輪さんが、感極まったのかありえない距離でヒロくんに近づき、彼の両腕に手を掛けた。
ヒロくんにとっては、三輪さんが自分のことを好きだなんて、思いも寄らない事だったんだろう。しかも急に積極的になった彼女に驚き、フリーズしている。
「秋永君」
「三輪さん……」
ちょっと待って。なに、あれ! ここはハッキリ拒否すべきでしょう? なに、顔を赤くしてるのよ!
どう見てもあり得ない距離間、しかも優しすぎるというよりも優柔不断なヒロくんに、だんだん怒りがこみ上げてきた。
気が付いた時には、私は一歩を踏み出していた。怒りのまま足音荒く二人に近づくと、ヒロくんはハッとしたように振り向いて、私の顔を見た途端瞬時に顔色を変える。
「み……、未花ちゃん」
目の前であたふたと狼狽するヒロくんにカチンと来た。来たと同時に反射的に私はその場を走り出す。
なに、あれ。なに、あの態度!! あれじゃどう見ても、疚しいことがあるって言ってるようなものじゃない。あり得ないでしょ!
教室に戻ってみるとヒロくんの姿がなかった。
「あれ? ヒロくんは?」
「ん? んー、さっき 三輪さんに呼ばれて出てったよ」
ガタッ!
三輪さんという名前に、私は反射的に席を立ってヒロくんを捜しに走った。廊下をざっと見てみたけど、ヒロくんの姿は無い。
階段を駆け下りて外に出ようとしたとき、聞き覚えのある声が聞こえてきた。ヒロくんだ!
「その……、犬の散歩の付き合いってのは、ちょっと無理です」
犬の散歩? そう言えば、ヒロくんが三輪さんと知り合ったのって、それが切っ掛けだったっけ。
「どうして? ニコも秋永君に懐いてるみたいだし、暴走するニコをコントロールしてくれると凄く助かるんだけど。それに……」
変な所で言い淀む三輪さんに、嫌な予感がした。ヒロくんのことを好きだからとか言って、告白するつもりなんじゃないでしょうね!
「何ですか?」
顔までは見えないけれど、ヒロくんの声は平坦だった。どうやら三輪さんの気持ちには、気付いていないようだ。
「最近ニコを利用して、私に近づいて来ようとする感じの悪い男の人がいるの」
「え?」
告白ではなかったけれど、嫌な方向に流れて行っている。これってヒロくんが、私を心配してボディガードになってあげるって言ったくだりに似てるじゃないの。
気が気じゃなくなって、ヒロくん達の様子を見ようと校舎を出て彼らの様子を窺った。
美輪さんは、心細げな表情でヒロくんを上目使いに見ている。女の私でさえ庇護欲をそそるその表情に、三輪さんの計算が見えるような気がして面白くなかった。
……オッケーしたりしないよね。ヒロくん優しいから、かなり心配。
ざわざわしながら見ていると、ヒロくんが徐に顔を上げた。その表情は困ったというか、申し訳ないというかそんな微妙なものだった。
「すみません。心配だとは思いますけど、俺、三輪さんの役に立つことは出来ません。家族の方とか、誰かと一緒に……」
「私は秋永君がいいの。信頼できるし、それに……!」
「え?」
「好きなの私、秋永君のことが……!」
切羽詰まった表情の三輪さんが、感極まったのかありえない距離でヒロくんに近づき、彼の両腕に手を掛けた。
ヒロくんにとっては、三輪さんが自分のことを好きだなんて、思いも寄らない事だったんだろう。しかも急に積極的になった彼女に驚き、フリーズしている。
「秋永君」
「三輪さん……」
ちょっと待って。なに、あれ! ここはハッキリ拒否すべきでしょう? なに、顔を赤くしてるのよ!
どう見てもあり得ない距離間、しかも優しすぎるというよりも優柔不断なヒロくんに、だんだん怒りがこみ上げてきた。
気が付いた時には、私は一歩を踏み出していた。怒りのまま足音荒く二人に近づくと、ヒロくんはハッとしたように振り向いて、私の顔を見た途端瞬時に顔色を変える。
「み……、未花ちゃん」
目の前であたふたと狼狽するヒロくんにカチンと来た。来たと同時に反射的に私はその場を走り出す。
なに、あれ。なに、あの態度!! あれじゃどう見ても、疚しいことがあるって言ってるようなものじゃない。あり得ないでしょ!
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