天使なんかと上手くやれるわけがない

らいち

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天使と悪魔

医療センターでのボランティア

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…結局、俺は自分のドジのせいで芙蓉に拾われたことになる。なんか、ホント情けないんですけど。

テーブルに突っ伏してため息を吐いていると、芙蓉が声をかけて来た。

「ちょっと出てくる」

この時間に外出?  もしかして!

「もしかして病院?」
「そ」
「俺も行く!」

連れてけ連れてけと目でも訴えていると、芙蓉はしばらく目を丸くして俺を見る。

「変わってるな。お前」

だけどすぐに呆れたような優しい顔で笑うから、こっちも何だか恥ずかしくなる。
「うっせ」と、俺は頬を膨らませた。


俺たちがたどりついたのは、県立子供医療センター。
芙蓉は、俺と出会うだいぶ前からここでボランティアをしているらしい。
そしてこの医療センターに居る時の芙蓉はいつものこいつとは違って優しげで、初めてそれを見た時は、芙蓉もこんな顔をするんだと俺を驚かせた。


☆☆☆☆☆☆☆


「…みんな幸せに暮らしました。おしまい」

俺はいつも紙芝居を持って芙蓉の隣に座る。そして芙蓉は、紙芝居の中身を集まってきた子供たちに読んで聞かせる。だけど芙蓉は、紙芝居の裏に書かれているセリフを一度も見る事は無かった。

「よく覚えてるな」

俺がボソッと言うと、何言ってんだ?って顔をした。

「そんな物、一度で覚えるだろ」
「…ああ、そう」

言った俺がバカだったよ。頭の作りも何もかも、俺とは大違いな奴だよなと、げんなりする。

そこへ子供たちがやってきた。

「お兄ちゃん、遊ぼう」

そう言いながら俺の服を引っ張ったり、手を握ってきたりする。子供って本当に可愛い、癒されるよなー。

「塗り絵でもするか? でかいの持ってきた」

すると、女の子たちがキラキラと目を輝かせて俺の手元を覗き込む。

「わあ、サクラちゃんだー。マルルもいる」と、大はしゃぎだ。

ちなみにサクラとマルルとは、今女の子たちに大人気のアニメのキャラクターらしいのだが、俺はそんなものは見ないので、はっきり言って何のことだかさっぱり分らない。

ただ、おもちゃ売り場の店員さんに薦められたものを買って来ただけだ。

「ちぇー、なんだよ。塗り絵かよお」
「ハハ、男の子は塗り絵なんてしないよな。ほら、俺とトランプしようぜ」

それを聞いて、今度は男の子たちが、おおーっと感嘆の声を上げる。

「ああー、ずるいー。お兄ちゃんがそっちなら、優樹菜もそっち―」

何がずるいのかは分からないけど、結局みんなでババ抜きをする事になった。

ババが回って来る度に、皆で「あー」だの、「うー」だのと騒ぎ立て、結構盛り上がる。みんな楽しんでくれたようで、俺も凄く嬉しかった。
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