天使なんかと上手くやれるわけがない

らいち

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放っておけない

女の子との出会い 2

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ストーカー?
ストーカーってあれだよな。ユウマみたいな奴の事を言うんだろ?

「大丈夫?  家まで送ろうか?」
「え…?」

俺の申し出を困惑したように、また視線を彷徨わせた。

ああ、初めて会った人にこんな事言われたら、誰でも警戒するか。

「ごめん。踏み込んだよな。誰かに連絡して迎えに来てもらったらいいよ」
「あ、いえ! もし良ければ、お願いします」

彼女は慌てて、ぺこりと頭を下げてきた。

「あの、私、夏目里奈って言います」
「里奈ちゃん? 俺は紫温」
「で、お家はどこ?」
「あ、あっちです」

俺は里奈ちゃんの後を、さっきのストーカーが辺りをうろついていないか注意しながら付いて行った。

「…なんか、悪いです。紫温さん、彼女とかいたりするんでしょ?」
「え? はは…、残念ながらいないよ」
「本当ですか? こんなに格好良いのに」
「え?」

びっくりした俺の声に、里奈ちゃんも驚いたように俺を見た。

「あ、だから、格好良いのにって」
「あはは、ありがと。初めて言われた」
「そうなんですか?」

優しい子だなあ。本当に驚いた顔をしてくれる。可愛いうえに優しいなんて、完璧じゃないか。
「そうなんです」と、おどけたように返したら、里奈ちゃんは可愛く笑ってくれた。

「ところで、ストーカーの事なんだけど」

先ほどから気になっていた事を思い切って聞いてみようと思い、俺は里奈ちゃんの顔を見る。すると怖い思いをしているのか、ビクッと肩が揺れ、顔色も変わった。

「大丈夫? えーっと、警察だっけ? そう言うところには相談したの?」
「え、でも…まだ、そこまでは…」
「…そうかあ。大事にはしたくないって感じ?」
「…はい」

こういう事は、きっと慎重に事を運ばないといけないんだろうな。俺の時は否も応もなく、芙蓉が退治してくれたんだけど…。

「そうだよ!」
「え、え?」

突然叫んだものだから、里奈ちゃんがびっくりして俺を見た。

「俺の知り合いにな、そう言うゴタゴタを冷静に解決してくれる奴がいるんだよ。もし良かったら、そいつに相談してみないか」

そうだよ!
芙蓉なら絶対、冷酷に(冷静ともいう)対処してくれる!

これは良い案だと嬉々としている俺とは逆に、里奈ちゃんは困惑をさらに深めた顔をしていた。

「里奈ちゃん?」
「あ、有難う。でも、やっぱり事を荒立てたくないんです」
「そう…か」

揉め事は嫌いなのかもしれないな。

嫌だという事を無理に押し通すわけにもいかず、俺は引き下がる事にした。


「ここで良いです。家、すぐそこなので」
「そっか。じゃあ、気を付けて」

そう言って立ち去ろうと思ったのだけど、なぜか里奈ちゃんは動こうとしなかった。それどころか何かを言いたげで、どうしようかと迷っているようだった。

「…里奈ちゃん?」

呼びかけると、意を決したように俺を見た。

「もし良かったら、時々相談に乗っていただけませんか?」
「え」

驚いて呆けた顔を見せてしまう俺に、里奈ちゃんは慌てて続けた。

「あ、ごめんなさい、ご迷惑ですよね」
「いや、迷惑なんかじゃないよ!」

迷惑どころか!
可愛いうえに優しい里奈ちゃんとお近づきになりたいと思っていた俺は、思わず意気込んで大きな声を出してしまった。
里奈ちゃんも驚き顔だ。失敗した…。

だけど里奈ちゃんは、すぐに柔らかくふわりと笑ってくれた。

「有難う。心強いです」

それから俺たちは連絡先を交換して、俺は芙蓉と同居するマンションへと向かった。
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