天使なんかと上手くやれるわけがない

らいち

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千年に一人の逸材

芙蓉が帰らない理由

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「何言ってんだ、アンタ。頭大丈夫?」
「悪かったね。しょうがないだろ? こっちも切羽詰まってんだよ。芙蓉が天界に帰らないってダダこねてるからさ」
「は?」

何だ? 芙蓉を天界に?

だって確か、芙蓉は何だかの試験に落第して追放されたって聞いたぞ?
もちろんそんな事で追放にはならないだろうから、本当は俺に言いたくないだけで、別の理由があるのだろうけど。

「…ダダ捏ねるって何? 芙蓉って、天界を追い出されたんだろ?」

「それは表向きの理由。今まで私も知らなかったんだけど、ここに下ろされた本当の理由は、芙蓉が大天使候補生昇格に値する器があるかどうかの極秘のテストだったそうなんだ」

「大天使候補生…?」

信じられない言葉に、俺は息を飲んだ。

てことは、何? 芙蓉ってそんなに凄い奴って事?

俺は芙蓉の今までを思い出していた。花を生き返らせたり、熱を下げてあげたり、そして、あのユウマを余裕で撃退していた。
天界人には皆そんな力があるのかと思っていたけれど、あれはもしかしたら芙蓉だからこその力なんだろうか。

「…芙蓉は、それに合格したって事?」
「そうだよ。だから私が迎えに来た。それなのにあのバカ、天界にはもう興味が無いから帰らないなんて言いやがった」
「…」

「お前の事をべた褒めしてたよ。自分が今まで見てきた中で、一番純粋で綺麗な生き物なんだってさ」
「…え?」

俺は、耳を疑った。綺麗?俺が?

「それは無い」

俺は眉をしかめた。

そんな事を芙蓉が言うとは思えない。もし言ったとしたらこの天使に本当の事を言いたくなかったか、そうじゃなければ単に理由を説明するのが面倒くさかっただけだろう。

まったく…。
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