天使なんかと上手くやれるわけがない

らいち

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千年に一人の逸材

とんでもない要請

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「嘘じゃない。そう言ったんだよ、あの芙蓉が! だから私はここしばらくお前を監視し続けた。なのに…、全く芙蓉がお前の何を気に入ったのか、さっぱり分からない」

本人を目の前にしながら、よくまあそれだけはっきり物を言えるもんだ。
そう言う点では芙蓉と似ていると言えなくもない。天界人って、俺とはきっと相性が悪いのだろう。まあ、出来は悪くても一応悪魔だし。

「とにかく天界に来い。お前なんて、そう言う特別な事でもなければ天界になんて来れないだろう」
「はあ? アンタ俺の事バカにしてんの? 俺が天界になんか行くわけないだろ」
「じゃあ聞くけど、芙蓉がここに居続けるのが妥当だとお前は思うのか?」
「…」

芙蓉は元天使候補生だ。
それは恐らく、芙蓉が天使としての仕事を望んでいるという事だ。
そんな芙蓉なら、それよりもはるか上の大天使になる事を、本気で拒むとは思えない。
それどころか、あの力は天界に居てこそ発揮できるものなんじゃないのか?

「私の言いたいことが分かったようだな」
「…芙蓉が決める事だ」
「だけどお前、芙蓉に憧れているんだろう?」

突然、変な角度から切り込まれて俺は動揺した。

「な、何言って…」

「天界人と魔界人が惹かれあっているって事自体がおかしな話ではあるが、そんな事はどうでもいい。お前が天界に来さえすれば、芙蓉も踏ん切りが付くだろう。芙蓉は千年に一人の逸材なんだそうだ。埋もれさせるのは惜しい存在なんだよ」

俺は、この天使のなりふり構わない態度に何かが違うと思った。
だって、そうだろう? 芙蓉を天界に戻すために、まったく関係の無い俺を天界に連れて行くなんて馬鹿げた話だ。
大体あの芙蓉が、俺がここに居るからという理由だけで大天使昇格を蹴るとも思えない。
芙蓉がそんな甘っちょろい性格だとは、俺には到底思えなかった。

「断る。だいたい俺は天界になんて何の興味もない」

俺はきっぱりとその天使の目を見て答えた。天使はかなり不服だったようで、俺を鋭い目で睨みつけた。

「麗紗様」

背後からの声に振り向くと、そこには天界人と思しき奴が、新たに二人立っていた。
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