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頼れるお姉ちゃん
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それから、伶英くんとお話しする機会も無いまま、莉乃お姉ちゃんと会う日がやって来た。
「妃愛梨―」
約束の時間よりも10分は早く着いたのに、莉乃お姉ちゃんは既に来ていた。
私と違ってなんでもテキパキと出来るお姉ちゃんはせっかちだから、恐らく私の支度に掛ける時間の半分も掛からない時間で支度を済ませているんだろう。
私の目に映る莉乃お姉ちゃんは完璧で、内緒だけれど私の憧れの存在だったりするんだ。
「久しぶり、莉乃お姉ちゃん」
「ホントだねー。なかなか会えないもんなあ」
そう言いながら、莉乃お姉ちゃんがお勧めだというカフェに案内してくれた。
お姉ちゃん曰く、フォンダンショコラが絶品なんだって。
一応それを頭に入れて、どれにしようかとショーケースの前に立った。
中には、目移りするほどのたくさんのケーキたち。
オペラにピスタチオにベリータルト……。シンプルなレアチーズケーキにも目が行っちゃう。
こういう時にも優柔不断な性格が災いして、なかなか決められないのが私の悪いところだ。
莉乃お姉ちゃんを待たせてしまっているのに気が付いて、せっかくだからとお姉ちゃんお勧めのフォンダンショコラを注文することにした。
私もお姉ちゃんも2人してフォンダンショコラ。そして飲み物は私がレモンティーで、お姉ちゃんはアイスコーヒーを選んだ。
空いている席に着いてケーキをつつきながら、お姉ちゃんがお友達との楽しい話で盛り上げてくれた。おかげで久しぶりにお腹が痛くなるほど大笑いして、私はとても楽しい時間を過ごしていた。
一通り話が済んだ後、お姉ちゃんが私をじっと見る。
「何か、相談したいこととかあるんじゃない?」
「え?」
思わず両手を口元に持って行ってしまった。
凄い、莉乃お姉ちゃん!
それとも私の顔に書いてあったんだろうか……。
「妃愛梨―」
約束の時間よりも10分は早く着いたのに、莉乃お姉ちゃんは既に来ていた。
私と違ってなんでもテキパキと出来るお姉ちゃんはせっかちだから、恐らく私の支度に掛ける時間の半分も掛からない時間で支度を済ませているんだろう。
私の目に映る莉乃お姉ちゃんは完璧で、内緒だけれど私の憧れの存在だったりするんだ。
「久しぶり、莉乃お姉ちゃん」
「ホントだねー。なかなか会えないもんなあ」
そう言いながら、莉乃お姉ちゃんがお勧めだというカフェに案内してくれた。
お姉ちゃん曰く、フォンダンショコラが絶品なんだって。
一応それを頭に入れて、どれにしようかとショーケースの前に立った。
中には、目移りするほどのたくさんのケーキたち。
オペラにピスタチオにベリータルト……。シンプルなレアチーズケーキにも目が行っちゃう。
こういう時にも優柔不断な性格が災いして、なかなか決められないのが私の悪いところだ。
莉乃お姉ちゃんを待たせてしまっているのに気が付いて、せっかくだからとお姉ちゃんお勧めのフォンダンショコラを注文することにした。
私もお姉ちゃんも2人してフォンダンショコラ。そして飲み物は私がレモンティーで、お姉ちゃんはアイスコーヒーを選んだ。
空いている席に着いてケーキをつつきながら、お姉ちゃんがお友達との楽しい話で盛り上げてくれた。おかげで久しぶりにお腹が痛くなるほど大笑いして、私はとても楽しい時間を過ごしていた。
一通り話が済んだ後、お姉ちゃんが私をじっと見る。
「何か、相談したいこととかあるんじゃない?」
「え?」
思わず両手を口元に持って行ってしまった。
凄い、莉乃お姉ちゃん!
それとも私の顔に書いてあったんだろうか……。
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