あなたが嫌われ者でも好きなんです

らいち

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からまわり

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お姉ちゃんからエールを貰った翌日、頑張ろうって私なりに意気込んでいた。
というか、後から思うと意気込み過ぎていたんだと思う。

いつもよりちょっぴり緊張しながら登校し、校内に入ったところで少し前を友達と話しながら歩いている伶英くんを発見した。

今日は頑張って伶英くんの顔を見ながら話すんだ。
こっちから話すことが出来そうになかったら、せめて伶英くんの顔だけはしっかり見て、楽しそうに相槌を打つだけでもちゃんとしなくては!

汗でベタベタになった掌を握りながら、緊張しながらギクシャクと歩く。すると、笑いながら隣の友達に顔を向けた伶英くんが、後ろを歩いている私に気が付いた。

「お早う、妃愛梨ちゃん」

凄く爽やかな優しい笑顔で挨拶をされて、私の心臓がまたドクンと大きく鳴り響いた。
瞬時に顔まで熱くなってしまった。

ドキドキと煩い心臓。

だけど今日は、今日こそはちゃんと笑って……! 
だけどそう思えば思うほど、言葉が上手く発せなくなってしまって焦ってしまう。

「お、おは……はよっ!」

言葉が詰まって変な風になってしまった。

挨拶すら満足に出来なくなるほどテンパってしまっている自分が、情けないやら恥ずかしいやら……。


気が付いた時には、私はペコリと頭を下げて、すごい勢いでその場から走り去ってしまっていた。

人の居ない所まで走って行った私は、そのまましゃがみ込んで自己嫌悪に陥る。


何でこうなんだろう私。頑張ろうって決めたのに……。
もっとちゃんと笑顔で挨拶したかったのに……。


気が付いたらその日は、登校時以外で伶英くんに出会う事は無かった。


結局、朝の自分の行動で軽く落ち込んでいた私はクラスに馴染もうとチャレンジすることも出来なくて、そのまま放課後を迎えてしまった。


帰り支度を済ませて教室を出る。
友達と楽しそうに話しながら、部活や家へと向かう人たちを少し羨ましく感じながら階段を下りていると、小さく広美さんの声が聞こえて来た。

「伶英ったらなんで妃愛梨なんかに構うのよ? 妃愛梨なんかと遊んでも面白くもなんともないのに。あんな退屈な子、一体どこがいいって言うの?」

ズキン。

胸をえぐるような広美さんの言葉に、掌から冷たい汗が滲み出る。そして、嫌な感じで心臓が騒ぎ始めた。

「なに言ってんだよ」

凛とした、静かで低い伶英くんの声にハッとする。
私は手すりをキュッと握って、2人の会話に耳をそばだてた。
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