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甘い苦しみ
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「妃愛梨、もうご飯の時間だから、降りてきなさい」
お母さんが台所から呼ぶ声が聞こえたので下に降りていくと、既にお父さんも帰って来ていた。
「お帰りなさい」
「ああ、ただいま」
テーブルの上には、私の大好きなかぼちゃのスープとトマトサラダにチキンのから揚げといんげんの胡麻和えが並んでいる。
普段なら、嬉しくてご飯が進むはずなんだけど……。
何故だか今日は、胸がいっぱいでご飯が喉を通らない。
どうしたの私?
今日はおやつも食べてないし、お腹は空いているはずなのに。
一生懸命ご飯を口に運んでも、ため息が零れてしまう。
「妃愛梨、どうした? 熱でもあるのか?」
普段から食べるスピードは早く無いんだけど、それでもいつもよりも遅いノロノロとした食べ方に、お父さんが不思議に思ったようで心配そうに私を見ていた。
そのお父さんの言葉にお母さんも心配そうに私を見て、額に手を伸ばしてくる。
「熱は無いようねえ。お腹、痛いの?」
「う、ううん。そんなこと無いよ。あ、えっと、チョコ食べ過ぎちゃったかも」
本当は何も食べてはいないのだけど、お母さんたちを心配させたくなくて、とっさに嘘を吐いた。2人ともその言葉を信じてくれて、ヤレヤレと言った表情になりホッとする。
それにしても、いったいどうしちゃったんだろう。
食欲は無いけれど、とりあえずと、私は目の前にあるご飯を頑張って完食した。
部屋に戻って明日の支度をしながら、また伶英くんの顔が脳裏に浮かんだ。
綺麗な瞳でじっと見つめられたことを思い出すだけで、胸がきゅうっとなる。しかも私、抱きしめられて転がって、伶英くんの上に乗っかっちゃったんだよね。
ドキドキドキドキ、ドキドキドキドキ。
ど、どうしよう……。
また心臓が煩く鳴り始めた。
もうどうしていいのか分からなくて、私はベッドの上で正座したままコロンと横に転がった。
心臓がきゅうってなるなんて、まるで病気見たい…。
狭心症?
でもそれって、おじいちゃんやおばあちゃんが罹る病気だよね。
まさか、そんな事無いよね。
寝転がったまま、ため息をまた一つ吐いたところで、机の上に乗っかっていたスマホからLINEの通知音が聞こえて来た。
莉乃お姉ちゃんだ。
ディスプレイを見なくても分かる。
だって私に、LINEに限らず連絡をくれるのは家族以外には従姉の莉乃お姉ちゃんだけだから。
起き上がって携帯を取り、メッセージを見る。
パンダサンの可愛いスタンプの後に、『妃愛梨~、この前は風邪で会えなくてごめんね。今度こそ時間作って会いたいな~』と書かれている。
莉乃お姉ちゃんとはこうやってLINEでやり取りは良くするのだけど、頻繁に会っている訳では無い。
だから前回の約束が果たされなかった時は、かなり寂しいと思っていた。だからお姉ちゃんのこの呼びかけが嬉しくって、『もちろんオッケーだよ』とソッコーで返信した。
その後、美味しいケーキ屋さんの話とか、お姉ちゃんのハマっているゲームの話をしたりして、次の待ち合わせの場所と時間を決めてから、LINEを終了した。
莉乃お姉ちゃんとのおしゃべりに没頭している時は忘れていたドキドキが、また胸の奥から沸き起こってくる。
「お姉ちゃんと会った時に、相談してみようかな……」
苦しいような甘い胸の締め付けに、私はそのまま布団に潜り込んで目を閉じた。
お母さんが台所から呼ぶ声が聞こえたので下に降りていくと、既にお父さんも帰って来ていた。
「お帰りなさい」
「ああ、ただいま」
テーブルの上には、私の大好きなかぼちゃのスープとトマトサラダにチキンのから揚げといんげんの胡麻和えが並んでいる。
普段なら、嬉しくてご飯が進むはずなんだけど……。
何故だか今日は、胸がいっぱいでご飯が喉を通らない。
どうしたの私?
今日はおやつも食べてないし、お腹は空いているはずなのに。
一生懸命ご飯を口に運んでも、ため息が零れてしまう。
「妃愛梨、どうした? 熱でもあるのか?」
普段から食べるスピードは早く無いんだけど、それでもいつもよりも遅いノロノロとした食べ方に、お父さんが不思議に思ったようで心配そうに私を見ていた。
そのお父さんの言葉にお母さんも心配そうに私を見て、額に手を伸ばしてくる。
「熱は無いようねえ。お腹、痛いの?」
「う、ううん。そんなこと無いよ。あ、えっと、チョコ食べ過ぎちゃったかも」
本当は何も食べてはいないのだけど、お母さんたちを心配させたくなくて、とっさに嘘を吐いた。2人ともその言葉を信じてくれて、ヤレヤレと言った表情になりホッとする。
それにしても、いったいどうしちゃったんだろう。
食欲は無いけれど、とりあえずと、私は目の前にあるご飯を頑張って完食した。
部屋に戻って明日の支度をしながら、また伶英くんの顔が脳裏に浮かんだ。
綺麗な瞳でじっと見つめられたことを思い出すだけで、胸がきゅうっとなる。しかも私、抱きしめられて転がって、伶英くんの上に乗っかっちゃったんだよね。
ドキドキドキドキ、ドキドキドキドキ。
ど、どうしよう……。
また心臓が煩く鳴り始めた。
もうどうしていいのか分からなくて、私はベッドの上で正座したままコロンと横に転がった。
心臓がきゅうってなるなんて、まるで病気見たい…。
狭心症?
でもそれって、おじいちゃんやおばあちゃんが罹る病気だよね。
まさか、そんな事無いよね。
寝転がったまま、ため息をまた一つ吐いたところで、机の上に乗っかっていたスマホからLINEの通知音が聞こえて来た。
莉乃お姉ちゃんだ。
ディスプレイを見なくても分かる。
だって私に、LINEに限らず連絡をくれるのは家族以外には従姉の莉乃お姉ちゃんだけだから。
起き上がって携帯を取り、メッセージを見る。
パンダサンの可愛いスタンプの後に、『妃愛梨~、この前は風邪で会えなくてごめんね。今度こそ時間作って会いたいな~』と書かれている。
莉乃お姉ちゃんとはこうやってLINEでやり取りは良くするのだけど、頻繁に会っている訳では無い。
だから前回の約束が果たされなかった時は、かなり寂しいと思っていた。だからお姉ちゃんのこの呼びかけが嬉しくって、『もちろんオッケーだよ』とソッコーで返信した。
その後、美味しいケーキ屋さんの話とか、お姉ちゃんのハマっているゲームの話をしたりして、次の待ち合わせの場所と時間を決めてから、LINEを終了した。
莉乃お姉ちゃんとのおしゃべりに没頭している時は忘れていたドキドキが、また胸の奥から沸き起こってくる。
「お姉ちゃんと会った時に、相談してみようかな……」
苦しいような甘い胸の締め付けに、私はそのまま布団に潜り込んで目を閉じた。
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