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第二章
労ってくれるの? 2
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「ご飯も食べ終わっちゃったんだね。全然気が付かなかった」
二階に上がり、高科さんの部屋の前まで行った。ドアのすき間から漏れる光で、高科さんがまだ起きていることが分かる。軽くノックをして、様子を窺う。それほど持つこともなく、高科さんが顔を出した。
「あ、あの。毛布有難うございました。それに食器まで片付けてもらって……」
「いや。疲れているんだろう? 考えてみたら、君は仕事が終わってから家事に勤しんでくれてたんだよな。俺もずいぶん甘えてた」
「いえ、そんなこと気になさらないで下さい。ここに来る前の状況と、さほど変わりませんから」
「無理してないのか?」
「はい、大丈夫です」
「そうか」
ホッとしたように優しく笑う高科さんに、キュウンと心臓に甘い痛みが走る。しかも表情が見える分、以前感じたその痛みよりも甘い部分が倍増しているようにも思えた。
ふと視線を下に落とすと、高科さんの大きな掌が目に入る。
……あ。もしかしたら、さっき寝てる時に感じたあの懐かしく優しい感触は……、高科さん?
そう気が付いた途端、ぶわっと身体の中が温かくなって、甘い幸せに満ちた思いが溢れてくる。
「どうした?」
「あ、いいえっ。何でもないです。遅くにすみませんでした。お休みなさい」
ちょっと挙動不審になってしまったかもしれない。変に意識しちゃった事を悟られたくなくて、忙しなく両手を振り慌てて挨拶をした。
「ああ、お休み。……あっ、白山さん」
「はい?」
ホッとしてそそくさと自室に戻ろうとしたところを呼び止められて、すっとんきょうな声が出た。
あー、もう何だこのひっくり返った声。
恥ずかしいなと思いながら振り向いたら、何故か高科さんが困ったような戸惑ったような妙な素振りをしていた。
どうしたんだろう?
二階に上がり、高科さんの部屋の前まで行った。ドアのすき間から漏れる光で、高科さんがまだ起きていることが分かる。軽くノックをして、様子を窺う。それほど持つこともなく、高科さんが顔を出した。
「あ、あの。毛布有難うございました。それに食器まで片付けてもらって……」
「いや。疲れているんだろう? 考えてみたら、君は仕事が終わってから家事に勤しんでくれてたんだよな。俺もずいぶん甘えてた」
「いえ、そんなこと気になさらないで下さい。ここに来る前の状況と、さほど変わりませんから」
「無理してないのか?」
「はい、大丈夫です」
「そうか」
ホッとしたように優しく笑う高科さんに、キュウンと心臓に甘い痛みが走る。しかも表情が見える分、以前感じたその痛みよりも甘い部分が倍増しているようにも思えた。
ふと視線を下に落とすと、高科さんの大きな掌が目に入る。
……あ。もしかしたら、さっき寝てる時に感じたあの懐かしく優しい感触は……、高科さん?
そう気が付いた途端、ぶわっと身体の中が温かくなって、甘い幸せに満ちた思いが溢れてくる。
「どうした?」
「あ、いいえっ。何でもないです。遅くにすみませんでした。お休みなさい」
ちょっと挙動不審になってしまったかもしれない。変に意識しちゃった事を悟られたくなくて、忙しなく両手を振り慌てて挨拶をした。
「ああ、お休み。……あっ、白山さん」
「はい?」
ホッとしてそそくさと自室に戻ろうとしたところを呼び止められて、すっとんきょうな声が出た。
あー、もう何だこのひっくり返った声。
恥ずかしいなと思いながら振り向いたら、何故か高科さんが困ったような戸惑ったような妙な素振りをしていた。
どうしたんだろう?
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