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第一章
線目の須和君
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放課後の教室。
部活には入っていないのでノンビリとしていると、美代ちゃんが楽しそうに話しかけてきた。
「ねえねえ、須和ってさ、絶対変態だよね?」
「ええっ? 何、急に」
須和君が陰気なのは認めるけど、美代ちゃんのあんまりな言い方に、そこに居た私以外の3人も何言ってんのという顔をした。
「だって! あの目、あれ絶対わざと目を細めてるよ。見ないふりしてきっと好みの女子の事、ガン見してるに違いないよ。あ~、気色悪っ!」
美代ちゃんは大げさにブルッと震えて、両手で腕を摩った。
確かに須和君のあの異常に細い眼はあり得ないとみんなが思っているに違いない。
現に私だって、1ミリかそこらしか開いていないあの目には違和感しかない。
「でも、だからといって変態は無いんじゃないの?」
「じゃあ千秋は、どんな理由で目を細めてるって思ってるの?」
「う~ん、紫外線に敏感で……眩しいから?」
「はあ!? それこそ無いわ~」
どうやら本当に美代ちゃんは須和のことが嫌いらしい。私も、あの暗い雰囲気は苦手だけれど嫌いというわけでは無いので、苦笑いで返した。
「私、そろそろ帰るね。ちょっと本屋さんに寄って行きたいから」
これ以上の会話は、ちょっと面倒くさいなと思ったので適当な言い訳をして席を立った。
「うん。じゃあね、千秋」
「バイバイ」
みんなと手を振って別れてから、やっぱり本屋に行こうかなと思ったので、まっすぐ家には帰らず駅前の本屋へと脚を向けた。
何か面白い本、あるかなあ。
今週のお薦めの新刊のコーナーに足を向けると、噂の須和君が本を手に取り立ち読みをしていた。
……美代ちゃんじゃないけど、確かに須和君には関わり合いたく無いって感じだよね。
無口なせいもあって、何考えてるのかも分からないし。
……それにしても。
あの1ミリ開いているかいないかの線目で、どうやって読んでるんだろう。
他人事だけど、かなり興味深い。
湧き上がる好奇心に逆らえず、私はそろそろと須和君に近づいて、ちらっと須和君を窺った。
驚愕!!
な、なにアレ!
大きな瞳がちゃんと開いてる!
しかも、しかも白目の部分が薄っすらと金色がかって、すごく綺麗!!
想像もつかない、余りにも綺麗なその瞳に、私はただただ立ち尽くしてぼーっと須和君を見つめ続けた。
部活には入っていないのでノンビリとしていると、美代ちゃんが楽しそうに話しかけてきた。
「ねえねえ、須和ってさ、絶対変態だよね?」
「ええっ? 何、急に」
須和君が陰気なのは認めるけど、美代ちゃんのあんまりな言い方に、そこに居た私以外の3人も何言ってんのという顔をした。
「だって! あの目、あれ絶対わざと目を細めてるよ。見ないふりしてきっと好みの女子の事、ガン見してるに違いないよ。あ~、気色悪っ!」
美代ちゃんは大げさにブルッと震えて、両手で腕を摩った。
確かに須和君のあの異常に細い眼はあり得ないとみんなが思っているに違いない。
現に私だって、1ミリかそこらしか開いていないあの目には違和感しかない。
「でも、だからといって変態は無いんじゃないの?」
「じゃあ千秋は、どんな理由で目を細めてるって思ってるの?」
「う~ん、紫外線に敏感で……眩しいから?」
「はあ!? それこそ無いわ~」
どうやら本当に美代ちゃんは須和のことが嫌いらしい。私も、あの暗い雰囲気は苦手だけれど嫌いというわけでは無いので、苦笑いで返した。
「私、そろそろ帰るね。ちょっと本屋さんに寄って行きたいから」
これ以上の会話は、ちょっと面倒くさいなと思ったので適当な言い訳をして席を立った。
「うん。じゃあね、千秋」
「バイバイ」
みんなと手を振って別れてから、やっぱり本屋に行こうかなと思ったので、まっすぐ家には帰らず駅前の本屋へと脚を向けた。
何か面白い本、あるかなあ。
今週のお薦めの新刊のコーナーに足を向けると、噂の須和君が本を手に取り立ち読みをしていた。
……美代ちゃんじゃないけど、確かに須和君には関わり合いたく無いって感じだよね。
無口なせいもあって、何考えてるのかも分からないし。
……それにしても。
あの1ミリ開いているかいないかの線目で、どうやって読んでるんだろう。
他人事だけど、かなり興味深い。
湧き上がる好奇心に逆らえず、私はそろそろと須和君に近づいて、ちらっと須和君を窺った。
驚愕!!
な、なにアレ!
大きな瞳がちゃんと開いてる!
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