もふもふ妖は、金の守り人

らいち

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第二章

多分ヤキモチ

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須和君は、鈍いのかもしれない。
野田さんの熱い瞳に気が付くふうもなく、膝立ちして私を促した。

「八木、そろそろ行こうか」
「えっ。あ、うん」
ああ、やだな。
異物が入り込むような感覚って、やっぱ今一慣れないんだよね。

「え?」

野田さんが戸惑った表情をしたけれど、あえて無視して須和君を体に隠すための、気持ちの準備を整える。
吸ってー、吐いてー。吸ってー、吐いてー。
気持ちの準備をとりあえず整えて、ついでに須和君に軽口をたたいてリラックスしなくては。

「ねえ、家に帰ったら宿題手伝ってね」
「ええ? うーん、しょうが無いなあ」

そう言いながら、須和君は私の背後に回って後ろから抱き着いてきた。それを見た野田さんの表情が、嫉妬にゆがんだような気がした。
だけど当の須和君はちっとも気が付かないようで、私がリラックスしたのを見て取ったのか体をぴったりと密着させて、"入るぞ"ってオーラを放った。

「ま、待って!」

突然大声で叫んだ野田さんに、須和君も驚いて動きを止める。

「え?」
「わ、私やっぱり須和君の言う通り、みつ姫の生まれ変わりだと思う。金色の瞳の妖とか魔神とか聞いても、全然違和感ないし信じられるもの! 今の須和君の姿も、何となく懐かしい気持ちがするの。これってやっぱり私がみつ姫の生まれ変わりだからだと思う」

え~?
さっき野田さん、私が説明した時は、可哀そうな人を見るような目で私を見てたくせに……。

「ほんと……、ですか?」
ええ~っ!?
須和君なに信じちゃってるの?
嘘に決まってるじゃない!

「ほ……、本当よっ。だから……、だから」

ドンッ!!
須和君に抱き着かれている私を突き飛ばして、野田さんが須和君に抱き着いた。

「八木さんのところになんて行かないでっ。私の傍で私を守って!」

はいー!?
なに、この人!

「不安なお気持ちは分かりますが、私がここに寝泊まりする訳にはいきませんし。姫に何かあってもすぐに分かるように、私の髪の毛を探知機代わりに置いておきましたから」

探知機?
髪の毛って、あのモフモフにそんな力まであるんだ。凄いなー。

「そんなんじゃ嫌。そんなんじゃダメ! その姿で身動きが取れないのなら、私の中に入ってもいいから」
「姫……?」

とんでもないことを言い出す野田さんに須和君も驚いていたけど、私も何故かムッとしてしまった。
須和君が野田さんの体に隠れてくれれば、気持ち悪い思いをする必要もないのに、須和君に迫る野田さんに、ムカムカが治まらなかった。
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