13 / 25
第二章
多分ヤキモチ
しおりを挟む
須和君は、鈍いのかもしれない。
野田さんの熱い瞳に気が付くふうもなく、膝立ちして私を促した。
「八木、そろそろ行こうか」
「えっ。あ、うん」
ああ、やだな。
異物が入り込むような感覚って、やっぱ今一慣れないんだよね。
「え?」
野田さんが戸惑った表情をしたけれど、あえて無視して須和君を体に隠すための、気持ちの準備を整える。
吸ってー、吐いてー。吸ってー、吐いてー。
気持ちの準備をとりあえず整えて、ついでに須和君に軽口をたたいてリラックスしなくては。
「ねえ、家に帰ったら宿題手伝ってね」
「ええ? うーん、しょうが無いなあ」
そう言いながら、須和君は私の背後に回って後ろから抱き着いてきた。それを見た野田さんの表情が、嫉妬にゆがんだような気がした。
だけど当の須和君はちっとも気が付かないようで、私がリラックスしたのを見て取ったのか体をぴったりと密着させて、"入るぞ"ってオーラを放った。
「ま、待って!」
突然大声で叫んだ野田さんに、須和君も驚いて動きを止める。
「え?」
「わ、私やっぱり須和君の言う通り、みつ姫の生まれ変わりだと思う。金色の瞳の妖とか魔神とか聞いても、全然違和感ないし信じられるもの! 今の須和君の姿も、何となく懐かしい気持ちがするの。これってやっぱり私がみつ姫の生まれ変わりだからだと思う」
え~?
さっき野田さん、私が説明した時は、可哀そうな人を見るような目で私を見てたくせに……。
「ほんと……、ですか?」
ええ~っ!?
須和君なに信じちゃってるの?
嘘に決まってるじゃない!
「ほ……、本当よっ。だから……、だから」
ドンッ!!
須和君に抱き着かれている私を突き飛ばして、野田さんが須和君に抱き着いた。
「八木さんのところになんて行かないでっ。私の傍で私を守って!」
はいー!?
なに、この人!
「不安なお気持ちは分かりますが、私がここに寝泊まりする訳にはいきませんし。姫に何かあってもすぐに分かるように、私の髪の毛を探知機代わりに置いておきましたから」
探知機?
髪の毛って、あのモフモフにそんな力まであるんだ。凄いなー。
「そんなんじゃ嫌。そんなんじゃダメ! その姿で身動きが取れないのなら、私の中に入ってもいいから」
「姫……?」
とんでもないことを言い出す野田さんに須和君も驚いていたけど、私も何故かムッとしてしまった。
須和君が野田さんの体に隠れてくれれば、気持ち悪い思いをする必要もないのに、須和君に迫る野田さんに、ムカムカが治まらなかった。
野田さんの熱い瞳に気が付くふうもなく、膝立ちして私を促した。
「八木、そろそろ行こうか」
「えっ。あ、うん」
ああ、やだな。
異物が入り込むような感覚って、やっぱ今一慣れないんだよね。
「え?」
野田さんが戸惑った表情をしたけれど、あえて無視して須和君を体に隠すための、気持ちの準備を整える。
吸ってー、吐いてー。吸ってー、吐いてー。
気持ちの準備をとりあえず整えて、ついでに須和君に軽口をたたいてリラックスしなくては。
「ねえ、家に帰ったら宿題手伝ってね」
「ええ? うーん、しょうが無いなあ」
そう言いながら、須和君は私の背後に回って後ろから抱き着いてきた。それを見た野田さんの表情が、嫉妬にゆがんだような気がした。
だけど当の須和君はちっとも気が付かないようで、私がリラックスしたのを見て取ったのか体をぴったりと密着させて、"入るぞ"ってオーラを放った。
「ま、待って!」
突然大声で叫んだ野田さんに、須和君も驚いて動きを止める。
「え?」
「わ、私やっぱり須和君の言う通り、みつ姫の生まれ変わりだと思う。金色の瞳の妖とか魔神とか聞いても、全然違和感ないし信じられるもの! 今の須和君の姿も、何となく懐かしい気持ちがするの。これってやっぱり私がみつ姫の生まれ変わりだからだと思う」
え~?
さっき野田さん、私が説明した時は、可哀そうな人を見るような目で私を見てたくせに……。
「ほんと……、ですか?」
ええ~っ!?
須和君なに信じちゃってるの?
嘘に決まってるじゃない!
「ほ……、本当よっ。だから……、だから」
ドンッ!!
須和君に抱き着かれている私を突き飛ばして、野田さんが須和君に抱き着いた。
「八木さんのところになんて行かないでっ。私の傍で私を守って!」
はいー!?
なに、この人!
「不安なお気持ちは分かりますが、私がここに寝泊まりする訳にはいきませんし。姫に何かあってもすぐに分かるように、私の髪の毛を探知機代わりに置いておきましたから」
探知機?
髪の毛って、あのモフモフにそんな力まであるんだ。凄いなー。
「そんなんじゃ嫌。そんなんじゃダメ! その姿で身動きが取れないのなら、私の中に入ってもいいから」
「姫……?」
とんでもないことを言い出す野田さんに須和君も驚いていたけど、私も何故かムッとしてしまった。
須和君が野田さんの体に隠れてくれれば、気持ち悪い思いをする必要もないのに、須和君に迫る野田さんに、ムカムカが治まらなかった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
二十年以上無視してきた夫が、今さら文通を申し込んできました
小豆缶
恋愛
「お願いです。文通から始めてもらえませんか?」
二十年以上会話もなかった夫――この国の王が、ある日突然そう言ってきた。
第一王妃マリアは、公爵家出身の正妃。だが夫はかつて、寵愛する第三王妃の話のみを信じ、彼女を殴ったことがある。その事件が原因で、マリアは男性恐怖症が悪化して、夫と二人きりでは会話すらできなくなっていた。
それから二十年。
第三王妃はとある事故で亡くなり、夫は反省したらしい。だからといって――今さら夫婦関係をやり直したいと言われても遅すぎる。
なのに王は諦めない。毎日の手紙。花を一輪。夜食の差し入れ。
不器用すぎる求愛に振り回されるうち、マリアの中で止まっていた感情が少しずつ動き始める。
これは、冷えきった政略夫婦が「文通」からやり直す恋の話。
※本作は「存在されていないことにされていた管理ギフトの少女王宮で真の家族に出会う」のスピンオフですが、単体で読めます。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる
まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」
父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。
清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。
なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。
学校では誰もが憧れる高嶺の花。
家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。
しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。
「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」
秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。
彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。
「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」
これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。
完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。
『著者より』
もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858
【完結】私が愛されるのを見ていなさい
芹澤紗凪
恋愛
虐げられた少女の、最も残酷で最も華麗な復讐劇。(全6話の予定)
公爵家で、天使の仮面を被った義理の妹、ララフィーナに全てを奪われたディディアラ。
絶望の淵で、彼女は一族に伝わる「血縁者の姿と入れ替わる」という特殊能力に目覚める。
ディディアラは、憎き義妹と入れ替わることを決意。
完璧な令嬢として振る舞いながら、自分を陥れた者たちを内側から崩壊させていく。
立場と顔が入れ替わった二人の少女が織りなす、壮絶なダークファンタジー。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる