たとえ神様に嫌われても

らいち

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サモン

またなの!?

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夏休みが終わって1週間が過ぎた。だけどまだ何となく気分はだらけている。

「いづみ~?」
「んー」

お弁当を食べて満腹になると眠気がやってくる。机に伏せてまどろむあたしの頭を、大石君が優しく撫でている。

「あのさー、甘えモードの所申し訳ないけど、そろそろ集めたプリント、職員室に持って行った方が良いと思うよ」

呆れたように注意する真奈美の声に我に返った。
そうだった。今日、あたし日直だったんだ!

「ありがと。真奈美! 急いで行ってくる!」

プリントを鷲掴みにし慌てて席を立つ。
席を離れる前にとっさに手を振ると、大石君も苦笑いをしながら手を振りかえしてくれた。


「失礼しました」

担任に、プリントを無事に手渡し、職員室を出る。
早く戻ろうと校庭を走っていたら、突然横から出てきた人にぶつかってしまった。

「あ、ごめんなさい!」

強かぶつかってしまったので転びそうになった。慌てて踏ん張って、振り返って謝る。

「いや、こっちこそ。よそ見してたから……。悪かったな」

ぶつかったのは男の人で、恐らく上級生だろう。見た事の無い人だった。
「それじゃあ」と、頭を下げてその場を離れようとしたら、呼び止められてしまった。

「ゴメン。悪いけど音楽室に案内してくれないかな。実は俺、今日転校してきたばっかりで、校内のことまだよくわからないんだ」
 
申し訳なさそうに眉を下げられては断れない。

「いいですよ。こっちです」
 
教室とは反対方向なので、急いで誘導しようと少し足を速めた。
 
音楽室のある第4校舎は一番古く、空き教室もいくつかある。そろそろ建て替えるのではないかという噂もあるくらいだ。
 
音楽室は2階にあるので、階段を上った。

「あそこです」
一番端の教室の前で、その先に見える音楽室を指さした。

「ありがとう」

その上級生は、にっこり笑ってあたしを見た。
だからもう用は済んだなと思って上級生に背中を向けた途端、口をふさがれ羽交い絞めにされ空き教室に連れ込まれてしまった。

またなの!?

もう本当に嫌になってくる。
怖いのは当たり前だけど、こう何度も襲われると最近では苛立ちまで覚えるようになっていた。
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