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手強いライバル
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「翔くん、帰ろ!」
帰りの支度をささっと済ませて翔くんの席へと直行。他の子を出し抜くためには努力が必要だもの。
「篠原さん、ごめ~ん」
背後から、やけに楽しそうに謝る声が聞こえてきた。
顔を見なくても分かる。同じクラスの並木さんだ。
「香子、しわ」
ムッとした途端、翔くんが私の額を指さす。
「もう! 翔くんったら! のんびりなんかしてるから、並木さんが来ちゃったんじゃない。並木さん、私の方が早かったんだから、翔くんと帰るの私なんだから」
前半を翔くんに、後半を並木さんに向かって宣言した。
「悪い、香子。今日は並木と約束してるんだ」
「え?」
「そういうこと」
ええっ!?
ニコリと笑う並木さんに殺意すら覚える。
呆然とする私を置いて、2人仲良く教室を出て行ってしまった。
……してやられた感、半端ない。この怒りをどこにぶつければいいの~!?
廊下を仲良く歩いている美男美女。
……翔くんのバカ。
「はあ……」
知らずため息を吐いていると、望がやって来た。
「残念だったね、香子。元木さんでも見に行く?」
「元木さん? 2年の?」
「そ」
「ん~、翔くんと同じくらいモテるって聞いたことあるけど……、興味ないわ」
「でも、かっこいいよ」
「望、元木さんのこと好きなの?」
「まっさかー、タイプじゃないわ。でも顔だけはいいからさ、見てる分には楽しいよ?」
「望……」
ホメるどころか、……な望の言葉に呆れてしまう。
「じゃ、帰る?」
「そうだね」
スクールバッグを肩にかけて、教室を出た。校舎を出て門に向かう途中で、前方に数人の女の子の塊が移動しているのが見えた。
何だろうと思ってよく見ると、その中央に例の元木さんがいた。女の子に囲まれてうれしそうな表情だ。
……確かに、顔だけはいいよね。
ちょっとチャラそうだけど……。
「噂をすれば……、だね」
「そだね」
2人でじっとその集団を見ていると、何かを話しかけられた元木さんが、よほどうれしいことを言われたのか極上の笑顔を見せる。
「うわ~。さすがに元木さんだ~。見てるだけならドキドキする~」
「…………」
それ、絶対ホメ言葉じゃないよね?
うっすらバカにしてるでしょ、元木さんのこと。
私の心の中の疑問符に気が付いたのか、望はにっこりと私に笑いかけ、「帰ろっか。文房具買いに付き合ってくれる?」と私を誘った。
買い物を付き合って望と別れた後、少し暗くなりかけた大通りの向こう側に翔くんが歩いているのが見えた。
翔くんだ!
こんなところで偶然出会えるなんて、すご!
「しょ……!」
翔くんって呼ぼうと手を振り上げた瞬間、隣に並木さんが一緒に歩いているのが見えた。
あ……、そうだった。
翔くん、並木さんと何か約束してるって言ってたっけ。
はあ……。
今、私が翔くんを呼んだところで並木さんの得意げな顔を見せられるだけか……。
私は仕方なく声を掛けるのを諦めて、そのまま家に帰った。
なんだかさ、高校に入ってからライバルがどっと増えちゃって、前みたいに当たり前に翔くんの傍にいられなくなっちゃってるよね。
……よし!
明日は朝早く起きて、翔くんの家の近くまで行ってみようかな?
そしたら運が良ければ翔くんと一緒に登校できるかもしれないし……。こんなことくらいで凹む私じゃないんだからね!
帰りの支度をささっと済ませて翔くんの席へと直行。他の子を出し抜くためには努力が必要だもの。
「篠原さん、ごめ~ん」
背後から、やけに楽しそうに謝る声が聞こえてきた。
顔を見なくても分かる。同じクラスの並木さんだ。
「香子、しわ」
ムッとした途端、翔くんが私の額を指さす。
「もう! 翔くんったら! のんびりなんかしてるから、並木さんが来ちゃったんじゃない。並木さん、私の方が早かったんだから、翔くんと帰るの私なんだから」
前半を翔くんに、後半を並木さんに向かって宣言した。
「悪い、香子。今日は並木と約束してるんだ」
「え?」
「そういうこと」
ええっ!?
ニコリと笑う並木さんに殺意すら覚える。
呆然とする私を置いて、2人仲良く教室を出て行ってしまった。
……してやられた感、半端ない。この怒りをどこにぶつければいいの~!?
廊下を仲良く歩いている美男美女。
……翔くんのバカ。
「はあ……」
知らずため息を吐いていると、望がやって来た。
「残念だったね、香子。元木さんでも見に行く?」
「元木さん? 2年の?」
「そ」
「ん~、翔くんと同じくらいモテるって聞いたことあるけど……、興味ないわ」
「でも、かっこいいよ」
「望、元木さんのこと好きなの?」
「まっさかー、タイプじゃないわ。でも顔だけはいいからさ、見てる分には楽しいよ?」
「望……」
ホメるどころか、……な望の言葉に呆れてしまう。
「じゃ、帰る?」
「そうだね」
スクールバッグを肩にかけて、教室を出た。校舎を出て門に向かう途中で、前方に数人の女の子の塊が移動しているのが見えた。
何だろうと思ってよく見ると、その中央に例の元木さんがいた。女の子に囲まれてうれしそうな表情だ。
……確かに、顔だけはいいよね。
ちょっとチャラそうだけど……。
「噂をすれば……、だね」
「そだね」
2人でじっとその集団を見ていると、何かを話しかけられた元木さんが、よほどうれしいことを言われたのか極上の笑顔を見せる。
「うわ~。さすがに元木さんだ~。見てるだけならドキドキする~」
「…………」
それ、絶対ホメ言葉じゃないよね?
うっすらバカにしてるでしょ、元木さんのこと。
私の心の中の疑問符に気が付いたのか、望はにっこりと私に笑いかけ、「帰ろっか。文房具買いに付き合ってくれる?」と私を誘った。
買い物を付き合って望と別れた後、少し暗くなりかけた大通りの向こう側に翔くんが歩いているのが見えた。
翔くんだ!
こんなところで偶然出会えるなんて、すご!
「しょ……!」
翔くんって呼ぼうと手を振り上げた瞬間、隣に並木さんが一緒に歩いているのが見えた。
あ……、そうだった。
翔くん、並木さんと何か約束してるって言ってたっけ。
はあ……。
今、私が翔くんを呼んだところで並木さんの得意げな顔を見せられるだけか……。
私は仕方なく声を掛けるのを諦めて、そのまま家に帰った。
なんだかさ、高校に入ってからライバルがどっと増えちゃって、前みたいに当たり前に翔くんの傍にいられなくなっちゃってるよね。
……よし!
明日は朝早く起きて、翔くんの家の近くまで行ってみようかな?
そしたら運が良ければ翔くんと一緒に登校できるかもしれないし……。こんなことくらいで凹む私じゃないんだからね!
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