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らいち

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可愛い元木さん 2

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……え?

「悪いかよ。……てか、お前他の奴らに俺がここに通ってるだなんて言いふらすんじゃないぞ」
「え? なんでですか?」
「イメージ崩れるだろうが! こんなかっこよく色気半端ないこの俺が、こんな愛くるしい犬たちが気になって気になってしょうがないなんて」

かっこよくて色気半端ないなんて……。自分で言っちゃうんだ。
てか、自分のことをそう思ってるんだ元木さんって。
うわあ……。

「……分かりました、言いません。でもだったら何で私をここに連れて来たんですか?」
「お前は俺に興味ないだろう」
「はい」

もちろん即答。
翔くん以外に興味は無い。

余りにもはっきり言い切る私に、さすがの元木さんも苦笑した。


「お、起きたようだな」
「あ、ホントだ。こっち見てますよ」

さっきまで伏せの姿勢で目を閉じていた2匹の犬が、私たちの話声が煩かったのかパチッと目を開けた。

2匹してジイッと元木さんを見ているけれど、近づく気配は全くない。なんとなーく警戒しているのが見て取れる。

「最初は全くの無関心だったんだけどな。ほぼ毎日通ってたら少し慣れてくれたみたいだ」

そう言いながら元木さんは目を細めた。
本当に犬が好きなんだなぁ。可愛いとこあるじゃない。

「おっと、そろそろ授業が始まる時間だな」
「あ、そうですね。急がないと遅刻ですね」
「おう。……どうだ? 気分転換できたか?」

「え?」

唐突な質問に思わず顔を上げて元木さんを見ると、ちょっぴり優しい顔で微笑んでいた。

……ああ、そうか。
翔くんのことで不貞腐れていたから、私が凹んでいるって気が付いてここに連れてきてくれたんだ。

「……はい」
「そうか。じゃあな、教室戻れよ」

元木さんはそう言ってさっさと戻って行った。

変な人。
でも、思ったより嫌な人じゃないね。
だって自分の犬好きをイメージが壊れるだなんてバカな事を考えるような人なのに、それでもここに連れてきてくれたんだもの。
きっと犬好きの元木さんは、犬を見るだけで癒されるような人なんだろう。

そう思ったら、やっぱり元木さんは可愛い人なんだと思えて、私自身も思わず微笑んでしまっていた。
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