貴方から逃げます

まる

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代償4

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 既に裾よけの紐もとけている。そうでなくても既に開けていたのに、無遠慮に剥ぎ取られた。

「やだっ……」


 胸を隠していた左手さえ掴まれベッドに押し付けられて、また身動きがとれなくなってしまった。
 お兄様の視線から逃げるすべもない、私は脚をきつく閉じる事しか出来なかった。


「無理矢理こんな事をして、何が楽しいの……」
「ここへ来たのは、沙羅の意思だろう。なら、これは合意の上の行為だ」
「合意なんかじゃないっ……」
「では、何故ここへ来た」
「……そうさせたのは、貴方でしょう」

 結婚すれば、これと同じ事をしなきゃいけないなら、一度だけ我慢する。きっと、そう選択するように仕向けられたのだと、今ならわかる。


 一晩、目を閉じて耐えれば、この家から出て行ける。雨宮から離れて暮らせる、それだけを考えて我慢しよう。

「――っ」

 突然、左胸の先端が温かく湿った感覚がした。
 驚いて目を開けてみると、お兄様が私の胸を口に含んでいる。ヌメっと生温かい舌先でもて遊ばれ、大きな右手で柔らかさを確認するようにゆっくり揉まれた。

「――っんん」

 お兄様の舌先と指先で与えられるこの何とも言い難い感覚から逃げ出したくて、私は身をよじった。
 けれど『逃さない』とでも言うかのように、さらに強く吸い付かれた。


「お兄様っ」

 そう言うと、お兄様は胸から顔を離した。

「恵、そう呼べ」
「……いやです」
「そうか。雨宮恵という男より、お兄様に犯されるのが好ましいか?」

 犯される……
 その言葉だけは考えないようにしてたのに。怖くてたまらないから。

 恐怖で無意識に涙が出そうになるのを我慢した。そんな私とは逆に、お兄様は冷たい笑みを浮かべている。


「早く…終わらせてください」


 私が嫌がるほどお兄様を喜ばせるのかもしれない。そう思うと悲しくなる。

 私は精一杯、強がってみせるしか出来なかった。

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